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SS(書き下ろし)
友達デート 10
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屋敷から出る前に、三枝からショッピングモールまで自分で行くので迎えは要らないと連絡が入った。
きっと三枝のことだ。
俺達が事前に行きたいと話した店の下見をしてくれているんだろう。
俺達が樟葉を車で拾って、予約済みのカラオケ店前が集合場所になった。
カラオケ、カラオケかぁ。
ヤマとはまだ行ったことがないからな。
人生初カラオケだ。
個室で歌いながら、食事も出来るんだよな。
三枝のように流行りの歌には詳しくないが、音楽の副読本に載っているものも歌えるらしいからな。
多分、なんとかなるだろう。
音痴と言われたことはないし。
ランチも兼ねてカラオケで歌った後、ショッピングモールで買い物をして夕方に帰宅するのが三人で立てた計画だ。
予約時間も迫っていたし、俺が向こうで食べるからヤマは何も食べずに一緒に移動することになってしまった。
そのことに気付いたのは、動き出した車の中でぐぅ~とヤマのお腹が鳴ってからだ。
「ヤマ、ごめん!」
車の中で、軽く食べれるものを用意してもらえば良かった。
自分のことばかり考えて、ヤマのご飯について忘れていた。
「あ~~、大丈夫、大丈夫。
カラオケの前までカナを送ったら、そのへんで適当に俺も食べるから」
ヤマは、恥ずかしそうにお腹に手を当て苦笑い。
そのへんでって・・・ヤマ、一人でか?
目立つし、凄く注目されるんじゃないか?
そんなの、そんなの、心配だ!
「そんなことしたら、ヤマ、他の人から声をかけられたりするんじゃないか?」
二人でデートしているとき、チラチラヤマのことを盗み見られていたんだぞ。
一人で食事なんかしていたら・・・嫌だ!
不安で気が重くなり、隣に座るヤマの手を握る。
一気に憂鬱になってしまった・・・
「カナ、焼きもち?」
肩を寄せて、嬉しそうに聞いてくるな、バカ!
「・・・うん」
隠しようもないので頷くと、手を引き寄せられその甲にキスを落とされる。
驚いてヤマの顔を見ると満面の笑みだった。
こっちは、真剣に心配してるのに!
ジロッと睨むが効果はゼロ。
避ける間もなく、肩を抱きよせられて髪に顔を埋められた。
「あーーー、もぅ、カナを行かせたくないっ
こんなに可愛いカナの方が、絶対に声をかけられるっ
カナ、絶対に知らない人間にはついていくなよ!」
そんなこと、するわけないだろう!
きっと三枝のことだ。
俺達が事前に行きたいと話した店の下見をしてくれているんだろう。
俺達が樟葉を車で拾って、予約済みのカラオケ店前が集合場所になった。
カラオケ、カラオケかぁ。
ヤマとはまだ行ったことがないからな。
人生初カラオケだ。
個室で歌いながら、食事も出来るんだよな。
三枝のように流行りの歌には詳しくないが、音楽の副読本に載っているものも歌えるらしいからな。
多分、なんとかなるだろう。
音痴と言われたことはないし。
ランチも兼ねてカラオケで歌った後、ショッピングモールで買い物をして夕方に帰宅するのが三人で立てた計画だ。
予約時間も迫っていたし、俺が向こうで食べるからヤマは何も食べずに一緒に移動することになってしまった。
そのことに気付いたのは、動き出した車の中でぐぅ~とヤマのお腹が鳴ってからだ。
「ヤマ、ごめん!」
車の中で、軽く食べれるものを用意してもらえば良かった。
自分のことばかり考えて、ヤマのご飯について忘れていた。
「あ~~、大丈夫、大丈夫。
カラオケの前までカナを送ったら、そのへんで適当に俺も食べるから」
ヤマは、恥ずかしそうにお腹に手を当て苦笑い。
そのへんでって・・・ヤマ、一人でか?
目立つし、凄く注目されるんじゃないか?
そんなの、そんなの、心配だ!
「そんなことしたら、ヤマ、他の人から声をかけられたりするんじゃないか?」
二人でデートしているとき、チラチラヤマのことを盗み見られていたんだぞ。
一人で食事なんかしていたら・・・嫌だ!
不安で気が重くなり、隣に座るヤマの手を握る。
一気に憂鬱になってしまった・・・
「カナ、焼きもち?」
肩を寄せて、嬉しそうに聞いてくるな、バカ!
「・・・うん」
隠しようもないので頷くと、手を引き寄せられその甲にキスを落とされる。
驚いてヤマの顔を見ると満面の笑みだった。
こっちは、真剣に心配してるのに!
ジロッと睨むが効果はゼロ。
避ける間もなく、肩を抱きよせられて髪に顔を埋められた。
「あーーー、もぅ、カナを行かせたくないっ
こんなに可愛いカナの方が、絶対に声をかけられるっ
カナ、絶対に知らない人間にはついていくなよ!」
そんなこと、するわけないだろう!
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