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SS(書き下ろし)
友達デート 4
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「ちょっと、なんなのそのぶすくれモードは?」
菊川家の食堂。
今晩の食事は、当主の澪さんだけが仕事で不在だった。
飛鳥さんは、目の前の料理を次々胃に収めながら呆れた顔をヤマに向けている。
食べている量は、俺の二倍くらいありそうなんだが、所作は優雅でマナーは完璧だ。
隣に座る陽太さんは先に食べ終わり、一足早くティータイム。
カップをソーサーに戻し、「だな」と頷きそれに賛同した。
当然、ヤマの隣に座る清人さんは遥馬さん以外のことはスルー。
遥馬さんは、清人さんに切り分けて貰ったステーキを食べながらそっとこちらの様子を心配そうに伺っていた。
言われたヤマは、不満顔のまま黙々と料理を食べて三人の視線も言葉も無視。
まぁ、原因は・・・俺なので。
「すみません」
代わりに頭を下げた。
あのあと、友達デートの決行を渋る柴田を説得するため俺が取った行動は、相手に一部を任せるもの。
反対する柴田に、敢えて「どこなら大丈夫だと思う?」と投げ掛けたんだ。
樟葉の柴田を信頼しきった瞳と、これ以上反対していると勝手に三人だけで行動しかねない雰囲気を察した柴田は最後には折れた。
地図アプリを開き、学校帰りに寄りやすい駅前通りを中心に物色。
最終的に、この中ならと譲歩してくれたのはテナントが入る複合施設。
利用者は家族層が多く、俺や樟葉が絡まれる確率はかなり低い。
ただし、帰宅に電車やバスを利用するのは止めてくれと頼まれたので、桜宮家の車を出すことで納得して貰った。
俺でも、電車やバスは人が密集していて苦手だからな。
バランス感覚の乏しい樟葉と同乗したら、降りる場所に着くまでに見失いそうだ。
三枝は、早速店舗情報を確認し、明日の午後から遊ぼうと計画を立ててくれて。
樟葉と二人、三枝の指元を覗きながら逸る気持ちを抑えきれずにはしゃいでいた。
そう、ヤマが教室に戻ってくるまでは。
菊川家の食堂。
今晩の食事は、当主の澪さんだけが仕事で不在だった。
飛鳥さんは、目の前の料理を次々胃に収めながら呆れた顔をヤマに向けている。
食べている量は、俺の二倍くらいありそうなんだが、所作は優雅でマナーは完璧だ。
隣に座る陽太さんは先に食べ終わり、一足早くティータイム。
カップをソーサーに戻し、「だな」と頷きそれに賛同した。
当然、ヤマの隣に座る清人さんは遥馬さん以外のことはスルー。
遥馬さんは、清人さんに切り分けて貰ったステーキを食べながらそっとこちらの様子を心配そうに伺っていた。
言われたヤマは、不満顔のまま黙々と料理を食べて三人の視線も言葉も無視。
まぁ、原因は・・・俺なので。
「すみません」
代わりに頭を下げた。
あのあと、友達デートの決行を渋る柴田を説得するため俺が取った行動は、相手に一部を任せるもの。
反対する柴田に、敢えて「どこなら大丈夫だと思う?」と投げ掛けたんだ。
樟葉の柴田を信頼しきった瞳と、これ以上反対していると勝手に三人だけで行動しかねない雰囲気を察した柴田は最後には折れた。
地図アプリを開き、学校帰りに寄りやすい駅前通りを中心に物色。
最終的に、この中ならと譲歩してくれたのはテナントが入る複合施設。
利用者は家族層が多く、俺や樟葉が絡まれる確率はかなり低い。
ただし、帰宅に電車やバスを利用するのは止めてくれと頼まれたので、桜宮家の車を出すことで納得して貰った。
俺でも、電車やバスは人が密集していて苦手だからな。
バランス感覚の乏しい樟葉と同乗したら、降りる場所に着くまでに見失いそうだ。
三枝は、早速店舗情報を確認し、明日の午後から遊ぼうと計画を立ててくれて。
樟葉と二人、三枝の指元を覗きながら逸る気持ちを抑えきれずにはしゃいでいた。
そう、ヤマが教室に戻ってくるまでは。
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