ヘタレαにつかまりまして

35 教室

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来週から二年生、か。
進級どころか、学校に通うことを諦めていたからな。
不思議な気分だ。
まぁ、きっと、一年生ほどじゃなくても、目まぐるしい一年になるんだろう。

番は同じクラスに在籍するから、場所は変わってもヤマから離れることはない。
去年まで、あんなにヤマと同じクラスになるのが嫌で仕方なかったのに、今はこんなに安心して自分の人生を預けている。

ヤマから差しのべられた手を取り、一年二組、思い出の教室を後にする。
窓辺から覗く桜は、蕾が綻び、花開き、青空を彩る。
陽射しも暖かいし、ヤマを誘って・・・


｢ねぇ、カナ。
明日、花見に行かないか？｣


ヤマから顔を覗き込まれ、心を読まれたのかとドキッとした。
いつも、いつも、先回り。
しかも、行こうじゃなくて、行かないか、なんて。
俺に気を使いすぎだ。