ヘタレαにつかまりまして

三日月

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「・・・そう言えば、生徒会則は承認されたのか?
経費も絡むし、あまり言い顔はされてなかっただろう」


ヤマの代になってから、初めて4月から施行される生徒会則。
校則と同等の縛りを生徒に義務付けるが、内容によっては学園側から施行までに調整を求められる。


「初めは経費面で渋られたけど、最終的には認可された」

「そうか」


良かった・・・

ヤマの考案した生徒会則は、風紀委員発足に続くフェロモンレイプの再発防止策。
誘発剤の持ち込み禁止、教師および風紀委員の常時抑制剤所持、Ω性の特質への配慮。

最後まで職員会議で渋られたのが、抑制剤所持は教師だけで十分じゃないかという薬剤管理と経費面での問題だった。
だが、教師だけでは見えない死角も生まれるし、風紀委員に選ばれるβへの所持は譲れなかった。

もう二度と、αへのフェロモンレイプが起きては欲しくないし、逆に番を強制されるΩが現れて欲しくない。
当事者でもある俺達の願いを、ヤマはそのまま生徒会則に反映させた。
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