ヘタレαにつかまりまして

35 教室

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こんなに俺を特別扱いして、好意全開だったヤマに甘えすぎていたんだろうな。

越えられないαの壁の象徴だと、勝手に敵視していたヤマに好かれるなんて思ってもみなかった戸惑いもあったが。
今、思い返せば・・・どんなα女子にもなびかない、ヤマの特別になれた優越感にも浸っていたところはあった。
柏原には、その辺りが伝わってしまったのかも知れない。

他の追随すら許さない桜宮財閥に生まれ、Ωでも大切に育てられ、αを装い生きていけるだけの教育も受けてきた。
それが、Ωと公表した後もヤマの番になって恵まれた環境は変わらない。
やり過ぎなところは相変わらずだが、ここに座っていた頃からヤマには凄く大切にされていたしな。

だからといって、フェロモンレイプは許されないし、ヤマを奪おうとした柏原を許すことなんて時間が経とうと出来ないが。
あの日の出来事、記憶喪失のヤマ・・・思い出しただけで、心臓が潰れそうだ。


｢俺、学園祭でいろんなとこをカナと回って。
竹居が動いてたコンテストに、二人で飛び入り参加するつもりだったんだ。
どれだけ俺がカナのことが好きなのか、周りにハッキリわからせとこうと思って｣


｢なのに、フェロモンレイプに引っ掛かって、記憶無くして・・・俺って情けないなぁ｣と、ぼやくヤマ。
互いに学園祭のことを考えていたのかと、ビックリしたが。
んん？
今、竹居が動いてたコンテストって、言ったか？？