ヘタレαにつかまりまして

三日月

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35 教室

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「8組も良かったけど、俺、2組の方がカナと二人で話す時間が多かったから好きだったんだ。
特に、この席は・・・番になる前となってからじゃ全然違ってた」


椅子に横座りして、ゆっくり教室を見渡すヤマ。
思い出をなぞるように、視線がゆっくり消えた輪郭を追っていき。
後ろに座った俺に辿り着いた。

ヤマの大きな掌が頬に触れ、前髪を指で掬われる。
ゆったり微笑むヤマの、包み込むような優しい笑顔。

俺がこの席に座っていた時は。
ヤマの背中を見ながら、座っていた時は。
まだ、ヤマのことが好きだと自覚する前だった。

こんな風に見つめられても、まだフェロモンレイプの後遺症だろう、とか。
まだ頭の中にお花畑を拡大中なのか、とか。
そんな穿った見方しか出来なかった。

冷めた視線で見返していることに、ヤマも気付いていた筈なのに、ずっと変わらず俺が好きで仕方ないんだと示してくれていた。

当たり前のように俺を包み込んでくれる、ヤマの甘くて優しいフェロモン。
今も周りに誰も居ないのに、変わらず漂い俺を守る。
ヤマが記憶を無くしている間、日々薄れていってもフェロモンは俺から離れないでいてくれた。
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