ヘタレαにつかまりまして

34 特殊

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｢けど、カナと笹部を目にした途端に、抑えきれないザワツキが全身に走ったぞ？
わざと無抵抗で居てくれたから、打撃戦にならなかったけど・・・ヤバかった。
あんな総毛立つ焦りは初めて感じた。
カナが目の前でかっさらわれるんじゃないかって。
番とか関係無しに、ぶち壊されるって肝が冷えた｣


ヤマは自分の右手を改めて見つめ、ニギニギ。
確かに、あっという間に制圧していたよな。
有無を言わせないプレッシャーで、笹部を完全に下していた。

俺も、小さい頃からパーティーで群れていた幼馴染み相手に、いつも穏やかと言うかやる気が感じられずにぼんやり遊んでいたヤマがあんなに攻撃的になるなんて驚いた。


｢菊川が、俺の何に反応したかはわかんねぇけど。
いくら俺でも、番の解除なんて出来るわけねぇだろ？
つーか、かなちゃんに手を出すとか有り得ねぇよ。
どんだけかなちゃん大事なんだ？
過剰反応しすぎ｣