ヘタレαにつかまりまして

三日月

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34 特殊

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だが・・・
三枝に顔を捕まれ、面食らったまま目を見開いている笹部の間抜けな顔に思わず吹き出してしまった。


「クハッ!
三枝、笹部はそれでもαだから、顔や頭に触れるのはやめた方がいいぞ」


咄嗟に手を払われるだけならまだ良いが。
殴られても文句は言えない。
しかも、三枝はβで明らかに笹部より格下だしな。
殴られる数も一発、二発じゃ済まないだろう。


「あ、うわああぁ、ごめんっっ」


正面に顔を戻した三枝が、やっと自分の仕出かしたことの意味に気付いたらしい。
両手を離そうとしたようだが、逆に笹部の手を重ねられて慌て謝り出した。


「さ、笹部君、ごめんっ
俺、馴れ馴れしくしてもうたっ
周りがβばっかやったし、そのノリが抜けへんくて。
あ"ぁ"ぁ"ぁ"ーー、た、叩くんやったら、あんまり痛くせんといて??」
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