ヘタレαにつかまりまして

33 指輪

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同年代のαを集めたパーティに未就学の頃から出席していれば。
この笹部に関して、ずば抜けて優秀なヤマの取り巻きの一人、であることは周知され俺も知っていたが。
別の小学校に通っていたし、パーティでも極力αとの接触は避けていた俺との接点は無かった。

小学校では、桜宮家の名に恥じないαとして見られるよう努力を重ね。
この学園の中等部に入学してからも、引き続き成績は上位をキープ。
だが、Ωが公表される日がいつ来ても良いように、学園から姿を消すことを前提に目立ちすぎないよう大人しく過ごすつもりだったのに。

入学式から教室へ向かう廊下。

｢まだ親のフェロモンつけてくるとか、どんだけあまちゃんなんだよ。自分のフェロモン出せねぇとか、言わねぇよな？｣とからかい始めたのが、コイツだったのだ！

Ωであることを、完璧に伏せて生きていかなければならなかった俺を。
表舞台へ引きずり出し。
しかも、｢かなちゃん｣と、α相手の呼称では有り得ない呼び方をβにまで広めたのもコイツだ！

それ以降も、｢全然背が伸びねぇな｣｢休み時間まで教科書読むとか、ありえねぇ｣｢全力でこのタイムしか出ねぇのかよ｣・・・いちいち、いちいち、この馬鹿はっ
αの常識から少しでも外れると、目敏く気付き。
教室中に響き渡る大声で、俺をからかって来たんだっ