ヘタレαにつかまりまして

33 指輪

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視線を泳がす笹部は、｢あーー｣だの｢うーー｣だの口にするが、言葉になってない。


｢えーーっと、俺、そろそろ戻るわ｣


眉を下げ、三枝は困った顔のまま笹部を見て、俺を見る。
なんだ、三枝まで表情が固い、な。
まだ話をしていないのに、さっさと切り上げようとしている。

年末からの言動の違和感は、コイツが原因だった・・・とか？
考え無しの笹部が、要らないことを三枝にまで言った可能性は高過ぎる。


｢三枝も、笹部も、様子がおかしい。
一体、何があったんだ？
いや、笹部が何を三枝にしたのか聞かせてもらおうか？｣


このまま有耶無耶になりそうな、二人の気まずい空気を一刀両断。
俺に、穏便な仲裁みたいなものを笹部は頼みたかったのかもしれないが。

友達いない歴＝年齢

そんな俺に高度なことは出来ないぞ。
二人の間に立って腕組み。
さぁ、笹部の馬鹿が俺の友達に何をしたのかハッキリ聞かせて貰うぞ。