ヘタレαにつかまりまして

33 指輪

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義理の姉に当たると聞いても、二人の遠慮なくポンポン話してるやり取りは実の姉弟みたいに小気味よい。
菊川家の三人より、よっぽど気心も知れていて仲良く見える。

みどりさんに｢言わないのは、この口かしら？｣なんて迫られ、遥馬さんがほっぺたをつつかれている間に。
清人さんのドロドロしたフェロモンが、流れてくるのは恐怖でしかないんだが。
清人さんが見ている前で、遥馬さんに触れるなんてみどりさんは怖いもの知らず過ぎだろう。
フェロモンが見えなくても、清人さんの殺意がこもった視線は見えているはずだ。


｢もぅ、ハルちゃんが全然話してくれないし・・・桜宮様のこと、聞いちゃってもいい？
むしろ、守秘義務はバッチリだから、お姉さんになんでも話してっ｣


え、こっち？
急に矛先を向けられても・・・
いや、遥馬さんよりこちらに向けてもらった方が、フェロモン被害は減るな。


｢えっと、それより、様付けが気になります｣


使用人じゃないみどりさんに、様付けされるのは、ちょっと・・・
遥馬さんは、ハルちゃんと呼ばれているから、様付けが癖と言う訳でも無さそうだし。