ヘタレαにつかまりまして

32 萩野式

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ヤマが用意してくれていた湯槽に一緒に浸かって。
冷えた身体を暖めながら、今日の二人の様子を話し勉強の成果を伝える。
俺が話している間、ヤマはずっと笑顔で頷きながら聞いてくれていた。
あれだけ嫌がってはいたけど、ヤマはやっぱり優しい。


｢樟葉、芝浦の写真のために必死で取り組んでる。
なんとか、努力が報われるといいんたが｣


努力に結果が結び付けば、勉強に対してやる気も起きるし。
樟葉の場合、やる気はもともとあったから、この譲れない目標を掲げる萩野式が自分一人でも出来るようになれば、普段の予習復習も身に付くようになるだろう。
二年生に進級してから、赤点の数は減るんじゃないかな。


｢カナも頑張ってるし、大丈夫だろう｣


明日の学校の用意や試験勉強の用意をしている間も、少し離れた場所でヤマは待っていてくれて。
お休みなさいのキスの後は、俺を抱き寄せてベットで眠る。

期末試験の三日間が終わるまで、間に挟んだ土日を含め、ずっと樟葉の赤点回避に掛かりきりだった俺は。
樟葉の結果がギリギリだったとはいえ留年を免れ。
遥馬さんに依頼していたことが、その週末に実行出来るとわかってホッとした。