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32 萩野式
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俺がこんな風に、番のヤマより樟葉を助けたい気持ちを優先できるのもヤマのおかげ。
ヤマは自分は辛いと言っても、ダメだとは言わない。
俺のしたいことを優先してくれる。
「皆で二年生に進級したいんだ。
同じΩとして、勉強が進まない辛さもわかるから力になりたい」
ヤマの腕に掌を重ね、ヤマの気持ちに甘えてごめんなと想いも込めてその胸に頭を刷り寄せた。
ヤマが行くなと言えば、俺は行かない。
でも、行っても良いゆとりを持たせてくれるから、行きたいとヤマにも言えるんだ。
「・・・春休みは、二人で過ごしてくれる?」
「もちろん」
当たり前だと頷けば、ヤマは安堵の息を漏らして腕から力を抜いた。
ヤマと二人で過ごす春休みも楽しみだな。
無意識に笑っている自分に気付き、ヤマの膝の上で身体を捻ると優しい番にキスをした。
感謝と愛しさとが、少しでも伝わるように。
ヤマは自分は辛いと言っても、ダメだとは言わない。
俺のしたいことを優先してくれる。
「皆で二年生に進級したいんだ。
同じΩとして、勉強が進まない辛さもわかるから力になりたい」
ヤマの腕に掌を重ね、ヤマの気持ちに甘えてごめんなと想いも込めてその胸に頭を刷り寄せた。
ヤマが行くなと言えば、俺は行かない。
でも、行っても良いゆとりを持たせてくれるから、行きたいとヤマにも言えるんだ。
「・・・春休みは、二人で過ごしてくれる?」
「もちろん」
当たり前だと頷けば、ヤマは安堵の息を漏らして腕から力を抜いた。
ヤマと二人で過ごす春休みも楽しみだな。
無意識に笑っている自分に気付き、ヤマの膝の上で身体を捻ると優しい番にキスをした。
感謝と愛しさとが、少しでも伝わるように。
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