ヘタレαにつかまりまして

三日月

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32 萩野式

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散々な成績を確認して、進級をしても二年生の授業についていけなくなる可能性は高すぎるくらいにあったから。
それも踏まえ、進級を諦める気はないのかと樟葉に尋ねたら、「たぁちゃんと一緒に学校に通いたいんだ」といつになく真剣に答えられた。
そう言われると、同じ番持ちの俺の方がやる気が出てくる。

俺は、Ωであることを公表するのを機に高校生活を早々に諦めていたけれど。
ヤマに言われてまた通うことが出来た。
偽装αの時には得られなかった友達も出来たし、生徒会にまで関わることが出来ている。
樟葉にも、自分の番と同世代と学校で過ごす楽しい時間を続けてほしい。


「ヤマ、ごめん」

「しかも、土日も・・・」

「ごめんって、な?」

「期末試験終わるまでとか・・・」


首にかかる腕にギュウギュウ力をこめられるが、苦しいよりヤマの情けない声に笑ってしまった。
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