ヘタレαにつかまりまして

31 追試

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家族間でも、頭に気安く触れられるのを嫌がるαが多い中、番になる前からヤマは抵抗もしなかった。
だから、頭を撫でられるのが好きなのかと思っていたんだが、バレンタインコレクションでは飛鳥さんにしかヘアセットを許してなかったし。
俺を除けば、ヤマも他のαと同様に頭は触られたくないようだ。

しかし、ここまで、俺がヤマ以外撫でるのも嫌がるなんて、ヤマにとって撫でる行為はよっぽど意味が深いのだろうか？


｢カナ、聞いてるのか？！｣

｢聞いてる・・・樟葉には、無意識だったんだ。
これからは、気を付ける｣


今まで見たことがない、噛みつかんばかりの勢いに押されて答える。
まさか、こんなに怒るとは・・・ヤマの怒るポイントは読みにくそうだ。
グラグラ揺さぶっていた手は、ここにきて漸く止めてもらえた。


｢・・・絶対だからな｣


心の内の真意まで探るような真剣な目、だが。
他人を撫でるなという内容が内容なだけに迫力には欠けて見えてしまう。