ヘタレαにつかまりまして

三日月

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31 追試

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なんとか、なるのだろうか・・・これは。
萩野なら何とかしてしまえるんだろうが、俺が人に教えることが果たしてできるのか?
Ωであることを公開してからも、順位は下げないように勉強は続けてきたが、これはもはや習慣化しているから出来ること。
短期決戦で、この状態から赤点回避・・・厳しいな。

各教科ごとに並べた解答用紙を眺めても、溜め息すら出てこない。
息がつまるな。
両腕をぐっと上げて、そのまま椅子が倒れないよう気を付けながら背中を反らし・・・窓際でぼんやりこちらを見ていたヤマと目があった。


「ヤマ、樟葉のこと・・・」


相談しようかと声をかけたら、キッと瞬間的に睨まれ口をつぐんだ。
ヤマも慌てて今の顔を隠すために笑いかけてくれたが・・・
樟葉の破滅的な解答用紙に頭が一杯で、いつもよりヤマに気を配れていなかった。

思い返せば、学校でも、なんだか覇気がなくてぼんやりしていたように思う。
夕飯も、静かに黙々と食べていた。
俺が原因だったのか?
何か怒らせるようなことをしたのか?

ヤマから睨まれたことなんて、一度もなかった。
一瞬の眼差しが、突き刺さり、苦しい。
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