ヘタレαにつかまりまして

三日月

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なんでそんな顔・・・
ヤマから目を反らせないまま、三枝に文法の間違いを指摘して、ゆっくり正しい文法と綴りを伝える。


「・・・に、なるはずだ」

『うわぁ、助かったぁ~
かなちゃん、ありがとうって、もう22時過ぎてるやん!
長いことごめんなぁ。
また話そうな』

「あぁ、またな。
おやすみ」

『おやすみ~』


明るい三枝の声に和みながら、電話を切る。
俺の耳からスマホが離れ、画面を指でなぞった途端にヤマの顔はパーッと晴れ渡った。

・・・ずっと待たせていたのか。

三枝と話をするのが楽しくて、つい長くなってしまった。
多分、ヤマに止める気がないから気付かれないように気配を殺してくれたんだろう。
画面の通話時間表示は、一時間を越えていた。
いつから待っていてくれたんだ?

ウズウズ身体を揺らしながら、近づいていいのかどうかをまだ迷って立ったままのヤマ。
その姿が、頭を撫でたくなるくらいに可愛いくて。
相変わらず、Ωの俺に気を使うヤマに目を細めて。

俺は、椅子から立ち上がるとヤマに向かって手を伸ばした。
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