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31 追試
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「そんなおもろいことが、あったんやぁ」
白い息を吐き出しながら、グラウンドの外周を並走する三枝が笑う。
バレンタインコレクションの翌月曜日、一時間目から体育はマラソン。
踏み込む足の下では、サクサク霜柱が音を立てて崩れる。
普段はβと行動するようになった三枝とは、体育の時間しか話せなくなっていた。
話しかければ普通に話してくれるんだが、周りのβが俺に気を使う。
せっかく三枝が、風紀委員長としてクラスに馴染んだ雰囲気を壊してしまうからな。
α組と区別されることが多い体育だけは、例外としてこちらから近付いている。
「面白いか?
プロに混じって、ぎこちない笑顔に歩き方を披露したんだぞ。
しかも、二回目はランウェイを往復・・・」
あれは、苦行だろう。
最後に、菊川姉弟と一緒に再登場。
「borderless」のトリ、飛鳥さんがランウェイを戻ってくるまで舞台で待機するように言われていて、何があるのか聞かされないままに五人揃って「borderless」関係者として司会者と話をする、とか。
まぁ、質問のほとんどは飛鳥さんが答えてくれたんだが。
遥馬さん、清人さんの後ろに隠れて震えていたし。
清人さんは、後ろから抱き付かれて嬉しそうだし。
肝心のデザイナーに司会者が話しかけると、至福の時間を壊すなと言わんばかりに愛想が悪すぎて、代わりにヤマに話が振られたが・・・ヤマ、全然「borderless」に興味がないからな。
司会者は進行に苦労していた。
白い息を吐き出しながら、グラウンドの外周を並走する三枝が笑う。
バレンタインコレクションの翌月曜日、一時間目から体育はマラソン。
踏み込む足の下では、サクサク霜柱が音を立てて崩れる。
普段はβと行動するようになった三枝とは、体育の時間しか話せなくなっていた。
話しかければ普通に話してくれるんだが、周りのβが俺に気を使う。
せっかく三枝が、風紀委員長としてクラスに馴染んだ雰囲気を壊してしまうからな。
α組と区別されることが多い体育だけは、例外としてこちらから近付いている。
「面白いか?
プロに混じって、ぎこちない笑顔に歩き方を披露したんだぞ。
しかも、二回目はランウェイを往復・・・」
あれは、苦行だろう。
最後に、菊川姉弟と一緒に再登場。
「borderless」のトリ、飛鳥さんがランウェイを戻ってくるまで舞台で待機するように言われていて、何があるのか聞かされないままに五人揃って「borderless」関係者として司会者と話をする、とか。
まぁ、質問のほとんどは飛鳥さんが答えてくれたんだが。
遥馬さん、清人さんの後ろに隠れて震えていたし。
清人さんは、後ろから抱き付かれて嬉しそうだし。
肝心のデザイナーに司会者が話しかけると、至福の時間を壊すなと言わんばかりに愛想が悪すぎて、代わりにヤマに話が振られたが・・・ヤマ、全然「borderless」に興味がないからな。
司会者は進行に苦労していた。
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