ムッツリ生徒会長にご教授!

三日月

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合法

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「興味あるわってか、貸して」

「成瀬君、誕生日は?」


文机に菓子や急須や湯呑の載った盆を置き、壁際に寄りかかってた組み立て式の丸机をセッティングしながら尋ねられる。


「は?誕生日?
2月3日だけど?」

「では、再来年のその日に貸しますよ。
18歳になってからですからね」


クソ真面目かっ
っーか、生徒会長が最速18歳になってたとしても、今年の4月以降だろう?
3ヶ月でここまで揃えるとかヤバくねぇか⋯DVDだけでザッと100は超えてるぞ。
パッケージしか見えないDVDは諦め、艶やかなお姉さんが微笑む雑誌を取ろうとしたら軽く手の甲を叩かれた。


「18歳になってからです」

「堅いこと言うなよ」

「捕まりますよ」


じとぉーっと睨んだが、当たり前のことだと諭される。
そういや、警察一家の本丸に来てんだった。
生徒会長から言われたら、本当に捕まえられそうで怖ぇな。
はぁ、お預けかよ⋯つーか、その頃にまだ生徒会長と連絡取ってるわけねぇし。

宝の山を前に、後ろ髪引かれっ放しで用意された茶と菓子を貰う。
スナック菓子で十分なのに、わらび餅や串団子やらが一枚の皿の上に見栄え良く配置されている。
無言で食ってたら、生徒会長が話しかけて来た。


「アレを成瀬君が引き受けてくれるのは、正直有難いですね。
兄二人から誕生日プレゼントだと譲られましたが、私の後の引き取り手がいなかったので困ってたんですよ。
売っても良いと言われても、あれだけの量ですからね」

「あれって、全部お下がりなのかよ?」

「自分で買い足してるものもありますが、半分以上はお下がりですね」


18禁の山を眺める生徒会長。
いやいや、半分以上はってことは自分でも結構買ってんじゃねぇか。
休みの日に会ってんのに、安定の七三分けに眼鏡に制服コスプレ。
見た目は堅物なのに、中身はめちゃくちゃムッツリか?
こんだけ見て読んで大学デビュー目指すとか、どんだけ飢えてんだ。

このあと、押し入れから収容ケースを引っ張り出してワードローブを確認したんだが。
開けても開けても、色違い、生地違いの同じデザインしか出てこねぇ。
3ケース目で確認するのを止めた。


「なんでおんなじもんしか出てこねぇんだよ!」

「同じじゃ無いですよ。
ブランドも違いますし、この襟元のデザインもこちらはVですがこちらはU」

「変わんねぇわっ」


資料にペタペタ流行りの服を貼り付けてたから、多少アレを目指して買ってるもんでもあるかと思ったのに一着もねぇ。
尋ねたら、師匠が出来てから買おうと思っていたのでと生真面目に答えられた。
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