俺の番クン

三日月

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僕の番サン

同棲 誕生日

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毎年恒例の誕生日パーティは、16回目となると招待客も8割固定。
絶え間なく挨拶を交わし、お礼を述べて一樹を紹介する。

見てください、僕の番になる人です。

何度も心の中で思うだけで隠していましたが、一樹に思いを告げた後は大胆になります。
腰を抱いて露骨にアピール。
ほら、僕の一樹は可愛いでしょうと見せびらかす。
一樹は落ち着かないようでしたが、嫌がっている気配は無く。
僕を意識し過ぎて、混乱しているようでした。

本当に可愛い。
早く番にしたい。

触れた手の甲がとても熱くて、一樹の潤んだ瞳から漏れた劣情に身体が震えました。
凄い⋯一樹が、僕を欲しがってくれてるっ

何も言わなくても、伝わってくる。
僕に抱かれたいと一樹の中のΩ性が訴えてくる。

まだかまだかと、進まない時計の針、パーティの終わりを待ちわびて苛立ちが表に出そうになる。
その理由を察した凛太郎君から、脇腹を肘で突かれたけれどそれに応える余裕も無い。

パーティの幕引きと同時に一樹をエレベーターへ押し込むようにエスコート。
最上階のボタンに触れる指先は震えていた。
興奮して、この場で一言でも言葉を交わせば堪えきれずに一樹を襲いそうだ。
先にエレベーターから出て、ひと呼吸。
落ち着かなければ、格好悪い僕を一樹に見せたくない。


「一樹、今日の誕生日に俺の初めてを貰ってください」


どうか、僕の未来を貰ってください。
僕の願いを叶えてください。

意識してうなじを抑えている一樹が、可愛い。
一樹と番に、家族になりたい。


「な、なんで今日なんだよ⋯」

「一樹の身長を抜いた初めての誕生日だからです」


優しい一樹は、きっとこのまま期日の18歳が来ても頼めば延長してくれていたよね。
甘ったるい番ごっこは、それはそれでとても幸せで、壊したくないと思えてしまっていた。
だから、何かきっかけが欲しかった。

躊躇っていた一樹の足が動く。
僕に向かって、一歩、二歩。


「ひ、久しぶりだから、無茶しないでくれよ」

「初めてだから、大目に見てください」


こんなふうにさらけ出すのは、互いに気恥ずかしさもあって照れてしまう。
でも、もう離せない。
重なった僕達の手は、自然と恋人繋ぎになっていました。
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