俺の番クン

三日月

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僕の番サン

同棲 告白

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僕にとって、幸せの家族の象徴である鷹司家の3人から一樹さんと番になりたい僕を認めて貰えたことは⋯乱れていた心の平穏を取り戻すには十分な特効薬でした。
桜の下を歩く4人の光景に、こっちに来ても良いよと手招きされたみたいに感じたのです。

一樹さんに感じていた強迫めいた独占欲が大人しくなって、発情期に離れていても仕事や勉強に打ち込めるようになりました。
一樹さんに触れたい気持ちは無くなることはありませんが、僕への気持ちが育っていない一樹さんを例えるならそれは青い実で、ゆっくり熟すのを待っていられるようになった、そんな余裕が生まれたんです。

和平さんには「まんま狩りだな」と言われてしまいましたが、僕としては駄々をこねる子どもからαらしくなった気分です。
だから、そう、狡くなってしまった自覚もあります。
凛太郎君に相談しなくても、自分でどうすれば一樹さんを番に出来るか、意識してもらえるか、考えられるようになりました。

同じベッドで寝起きして、わざと抱きしめて一樹さんと並んだ身体の重みを感じさせたり。
偶然を装って着替えを覗かせたり、逆に覗いてみたり。
寝ぼけたふりして直に身体に触れたり、噛みたくてたまらないうなじを舐めたり、伸びた牙でやんわり突いてみたり。
寝起きに勃ち上がったモノを擦り付けて甘えたら、躊躇いながら手でいかせてくれるようになりました。

徐々に僕を意識して。
徐々にガードを緩く仕向けて。

16歳になる3日前。
何が欲しいかと聞かれた僕は、確信犯で答えました。


「一樹と番になりたいです」


一樹さん、いえ、一樹から欲しいものは貴方自身。
貴方の未来を僕に下さい。
正面からの告白は初めてで、頭では勝率は高いと弾いていても不安が無かったわけではありません。
けれど、僕の身長が、やっと一樹を抜いた日。
僕にとっては記念すべきこの日に賭けようと思ったんです。

それから毎日口説きました。
今まで我慢していたフェロモンによる匂い付けも遠慮はしません。
鳳グループの後継ぎである僕の番候補として、一樹の存在は世間に知れ渡っていますが番になる日は近いんだと他の人間をもっと牽制したかったんです。

僕の中で降り積もった一樹への想いが伝わるように。
その日が例え誕生日を過ぎても構わない。
こうして一樹への思いを口にして形に出来るだけで、僕はとても幸せでした。
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