俺の番クン

僕の番サン

顔合せ 計画

番プロジェクトの案内を対象者に送付する前に、僕は凛太郎君に一樹さんとマッチングしたことを打ち明けました。
もちろん、特記事項や他にもΩ候補がいたことは伏せて。
凛太郎君は、前々から僕が一樹さんについて気にしていることを面白がっていましたが、本気で僕と一樹さんをくっつけようとは思ってないでしょうし、これがきっかけで僕と凛太郎君との仲に亀裂が入るのは避けたかったのです。

重要なのは、一樹さん達に特記事項がバレないこと。
一樹さんにも、他のΩと変わらず番プロジェクトの候補が現れる実績を作ることです。
僕なら、それを前提に動けますが年の差がありすぎて相手にはされません。
1つ目の実績さえ作れば良いので、断られても構いません。
他のαなら、鷹司家と一樹さんの四人の関係を壊さない人物か詳細に調査する必要があります。
このとき、顔合わせの日まで2ヶ月切っていましたからね。
なかなか厳しいですが、凛太郎を失うわけには行きません。
僕が名乗りを上げることに対して嫌がるなら、僕以外のαを必ず見つけるつもりではいました。


「暁が一樹の相手に選ばれた？！
よかったじゃんっっ」


予想に反して、自室で打ち明けると笑顔の凛太郎君には抱きつかれてしまいました。
意外すぎて、自分を産んでくれた孕親の相手が同級生になるんですよ？とはこちらからは聞けませんが察してはくれたようです。


「バーカ、何驚いてんだよ!
前から応援してたろ？
俺は、おかしなαに一樹をやるつもりは無いんだって。
その点、暁なら絶対に幸せにしてくれるだろうし俺も安心できるっ」


本気でそう思っているらしく、凛太郎君には一樹さんの攻略法を教えてもらえました。
一樹さんは、面倒見がとても良くて優しい。
年が離れている立場を利用して、兎に角甘えて懐に入ってしまえ!と言うことらしいのですが⋯家を出ていった母親にも、仕事に忙しかったお父様にも甘えた記憶がないのですが⋯

当惑する僕を置き去りにして、凛太郎君は「うわぁ、秘密にしてられるかなぁ」とソワソワ。
情報漏洩は、番プロジェクトの根本を揺るがしかねません。
僕は、絶対に絶対に秘密ですよと念入りに凛太郎君にお願いしました。