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1章
リーダーへの報告2
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「はい。こちら、リィ」
「おれだ。どうだ? 初日は。うまくいったか?」
いつものリーダーの低い声。
今日は、なじみのない地球人と話してばっかりだったから、リーダーのクロリバ語がなんだか落ち着く。
「はい。リーダーの手はず通り、席はとなりになりました。それから、日生すばるは園芸クラブという組織を作っていました。その組織に潜入することに成功し、これから調査を続けます」
「そうか。よくやった。今日はよく休んでくれ」
「はい。……それはそうと、リーダー……部屋のことなんですけど」
「おぉ。気に入ってくれたか? どんなインテリアにするか考えるの、楽しかったぞ。何か不足しているものはあるか?」
「いえ……なにもありません。それでは」
通信をさっさと切って、再びソファに寝転んだ。
「……リーダー、仕事はできるけど、ほんっとセンス悪いな……」
ボソリとひとりごちて、静かに目を閉じる。
でも、慣れない地球の言葉より、クロリバ語を聞く方が気持ちが安らぐ。
やはり今日は気疲れしていたみたいだ。
リーダーと話してると、ほっとしてる自分がいる。
とはいえ、私はリーダーがどんな人か知らない。
三年も一緒に仕事をしていて、こうやって通信で話はするけど、会ったことはない。
この任務の仲間というよりは、上司って言う感じで……結局、他人。
そう思ったら、なぜだかぽっかりと心に穴が開いたようで、むなしくなってきた。
……私には家族もいないし、友達もいない。
地球には誰も知り合いがいなくて一人だが、クロリバ星に帰ったってどうせ一人なんだ。
クロリバ星は厳しい気候のせいで、生物が簡単に住める環境ではない。
私が幼い時、家族で地割れに巻き込まれた。
何とか私は助かったが、家族は行方不明のまま。
嵐や竜巻なんて、クロリバ星では日常茶飯事。
毎日、何人もの人がクロリバ星のどこかで被害を受けている。
ひとりぼっちで生きてる者なんて、たくさんいる。
だから、私は……普通なんだ。
地球人の「家族」や「友達」という関係が異例なだけ。気にすることなんてない。
そんなことより、クロリバ星のことを考えなければ。
クロリバ星では、荒れた気象をどうにかするため、専門機関が研究し、動いてる。
専門機関が調べたところ、クロリバ星の脅威になるのでは? と心配されてるのが、地球にはびこっている「植物」なんだ。
私たちの目的は、その植物を調べ、滅亡させ、クロリバ星への脅威を取り除くこと。
それが私の任務だ。
同時に、日生薫教授が持つ「隕石のかけら」を奪うことも大事な任務。
隕石のかけらには、クロリバ星を救うヒントになる、あるデータが入ってるらしい。
どうしてそんなものをすばるの父、薫教授が持っているのかは知らないが……
もう、今日は休むか。
明日からもずっと学園潜入の日々は続く。
すばるから情報をきき出し、隕石のかけらを手にしないと……
うとうと意識が遠ざかっていく中で、私たちの住んでいるクロリバ星の情景が浮かび上がってくる。
どこまでも続く、ひび割れた大地。
ヒリヒリするような乾燥した風が吹き、砂けむりが舞い上がる。
――なんとかしたい。この星を。穏やかに住める場所にしたい。
私たちの星……クロリバ星の未来は私が変えるんだ。
「おれだ。どうだ? 初日は。うまくいったか?」
いつものリーダーの低い声。
今日は、なじみのない地球人と話してばっかりだったから、リーダーのクロリバ語がなんだか落ち着く。
「はい。リーダーの手はず通り、席はとなりになりました。それから、日生すばるは園芸クラブという組織を作っていました。その組織に潜入することに成功し、これから調査を続けます」
「そうか。よくやった。今日はよく休んでくれ」
「はい。……それはそうと、リーダー……部屋のことなんですけど」
「おぉ。気に入ってくれたか? どんなインテリアにするか考えるの、楽しかったぞ。何か不足しているものはあるか?」
「いえ……なにもありません。それでは」
通信をさっさと切って、再びソファに寝転んだ。
「……リーダー、仕事はできるけど、ほんっとセンス悪いな……」
ボソリとひとりごちて、静かに目を閉じる。
でも、慣れない地球の言葉より、クロリバ語を聞く方が気持ちが安らぐ。
やはり今日は気疲れしていたみたいだ。
リーダーと話してると、ほっとしてる自分がいる。
とはいえ、私はリーダーがどんな人か知らない。
三年も一緒に仕事をしていて、こうやって通信で話はするけど、会ったことはない。
この任務の仲間というよりは、上司って言う感じで……結局、他人。
そう思ったら、なぜだかぽっかりと心に穴が開いたようで、むなしくなってきた。
……私には家族もいないし、友達もいない。
地球には誰も知り合いがいなくて一人だが、クロリバ星に帰ったってどうせ一人なんだ。
クロリバ星は厳しい気候のせいで、生物が簡単に住める環境ではない。
私が幼い時、家族で地割れに巻き込まれた。
何とか私は助かったが、家族は行方不明のまま。
嵐や竜巻なんて、クロリバ星では日常茶飯事。
毎日、何人もの人がクロリバ星のどこかで被害を受けている。
ひとりぼっちで生きてる者なんて、たくさんいる。
だから、私は……普通なんだ。
地球人の「家族」や「友達」という関係が異例なだけ。気にすることなんてない。
そんなことより、クロリバ星のことを考えなければ。
クロリバ星では、荒れた気象をどうにかするため、専門機関が研究し、動いてる。
専門機関が調べたところ、クロリバ星の脅威になるのでは? と心配されてるのが、地球にはびこっている「植物」なんだ。
私たちの目的は、その植物を調べ、滅亡させ、クロリバ星への脅威を取り除くこと。
それが私の任務だ。
同時に、日生薫教授が持つ「隕石のかけら」を奪うことも大事な任務。
隕石のかけらには、クロリバ星を救うヒントになる、あるデータが入ってるらしい。
どうしてそんなものをすばるの父、薫教授が持っているのかは知らないが……
もう、今日は休むか。
明日からもずっと学園潜入の日々は続く。
すばるから情報をきき出し、隕石のかけらを手にしないと……
うとうと意識が遠ざかっていく中で、私たちの住んでいるクロリバ星の情景が浮かび上がってくる。
どこまでも続く、ひび割れた大地。
ヒリヒリするような乾燥した風が吹き、砂けむりが舞い上がる。
――なんとかしたい。この星を。穏やかに住める場所にしたい。
私たちの星……クロリバ星の未来は私が変えるんだ。
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