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第八章 決戦!ペリドット領
194、チーム・オリビアの覚悟
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オリビアが出した答えに、その場にいたジョージ、リタが驚きの表情を浮かべていた。ラピスラズリ侯爵家。これはその家の長が持つ指輪。オリビアの父もクリスタルの指輪を身につけている。オリーブだけは確信していたようで、先ほどの弱々しい様子から一変し、その緑の双眼には憤怒の炎が燃えていた。
「そうかい。きっと身元を知られたくなくてポケットにしまっていたんだ。小娘ちゃん、これで犯人を、ラピスラズリを捕まえることはできるかい?」
オリーブに向かって、オリビアは首を横に振った。今のままでは立証は難しいだろう。
「いいえ。盗まれたと言えば簡単に言い逃れできます。それに確か純血主義の彼が混血の多いクリスタル領に来ていたというところで、辻褄が合わなくなる。相手にとって好都合です」
「ふんっ。実際はそれを利用して、幼女趣味を発散していたわけだ……。卑怯な男さね」
オリビアは頷いて再び口を開く。
「そうね、そして彼はおそらく直接クリスタル領に入らず、一度ペリドットを訪ねている可能性が高い。そこからこっそりとクリスタルの娼館へ来る。ペリドットに口裏を合わせるように言っておけば、足取りはわからない」
「なんと最低な男でしょう」
「反吐が出ますね」
リタとジョージも憤慨している。確かに、なんと卑怯な男だろう。これは確実にペリドットとラピスラズリの悪事や、彼らの繋がりを明らかにしないといけない。
「彼らを、許してはいけない」
「はい、やりましょう!」
「ぜってー捕まえてやる」
オリビアは格上の侯爵家に挑む覚悟を決めた。リタ、ジョージと目を合わせ、しっかりと頷く。
「小娘ちゃん、私にもできることがあれば言ってよ」
オリーブがオリビアの肩を叩いた。彼女には優しい笑顔を返す。
「オリーブさんは、カタリーナを手厚く弔ってあげてください」
「小娘ちゃん……いや、オリビア様。ありがとう」
目元を服の袖で押さえ、オリーブが微笑した。オリビアは胸の前で両掌を合わせた。パン! と乾いた音が室内に響く。改めて気合が入った。
「そうと決まればさっそく動かなくちゃ。私は明日、王都に行くわ。リタはついてきてね。そして学院に欠席届を出して火曜にはまたクリスタルに戻る」
「かしこまりました!」
「お嬢様、俺も行きます」
「ジョージはこっちで待っていてもいいのよ」
オリビアの提案に、ジョージは首を横に振る。
「いやあ、こんな状況でお嬢様を一人で登校させるわけないでしょ。カタリーナにプレゼントも渡せたし、もう休んでられないっすよ」
「ジョージ……」
それからオリビアは父に「ジョージを休ませたいから」と学院に欠席の届出をしてまた戻ってくることを伝え、屋敷に帰った。日曜の午前中に出発し、夕方には学院の寮に到着。翌日月曜は授業に出て、その後欠席届を提出したのだった。
そして三日後。木曜の夜——。
(え、私、捕まってる?)
薄暗い石壁。目の前には鉄柵。まるで牢屋だ。手足を縛られた状態でオリビアは目を覚ました。誰かが柵の鍵を開け、牢の中に入ってきた。
「やあ、オリビア・クリスタル伯爵家令嬢。我が家に来るのは初めてかな? 初訪問がこんな場所で申し訳ないよ」
「あなたは——!」
>>続く
ひとまず前半戦はここまでです。
引き続きよろしくお願いします!
「そうかい。きっと身元を知られたくなくてポケットにしまっていたんだ。小娘ちゃん、これで犯人を、ラピスラズリを捕まえることはできるかい?」
オリーブに向かって、オリビアは首を横に振った。今のままでは立証は難しいだろう。
「いいえ。盗まれたと言えば簡単に言い逃れできます。それに確か純血主義の彼が混血の多いクリスタル領に来ていたというところで、辻褄が合わなくなる。相手にとって好都合です」
「ふんっ。実際はそれを利用して、幼女趣味を発散していたわけだ……。卑怯な男さね」
オリビアは頷いて再び口を開く。
「そうね、そして彼はおそらく直接クリスタル領に入らず、一度ペリドットを訪ねている可能性が高い。そこからこっそりとクリスタルの娼館へ来る。ペリドットに口裏を合わせるように言っておけば、足取りはわからない」
「なんと最低な男でしょう」
「反吐が出ますね」
リタとジョージも憤慨している。確かに、なんと卑怯な男だろう。これは確実にペリドットとラピスラズリの悪事や、彼らの繋がりを明らかにしないといけない。
「彼らを、許してはいけない」
「はい、やりましょう!」
「ぜってー捕まえてやる」
オリビアは格上の侯爵家に挑む覚悟を決めた。リタ、ジョージと目を合わせ、しっかりと頷く。
「小娘ちゃん、私にもできることがあれば言ってよ」
オリーブがオリビアの肩を叩いた。彼女には優しい笑顔を返す。
「オリーブさんは、カタリーナを手厚く弔ってあげてください」
「小娘ちゃん……いや、オリビア様。ありがとう」
目元を服の袖で押さえ、オリーブが微笑した。オリビアは胸の前で両掌を合わせた。パン! と乾いた音が室内に響く。改めて気合が入った。
「そうと決まればさっそく動かなくちゃ。私は明日、王都に行くわ。リタはついてきてね。そして学院に欠席届を出して火曜にはまたクリスタルに戻る」
「かしこまりました!」
「お嬢様、俺も行きます」
「ジョージはこっちで待っていてもいいのよ」
オリビアの提案に、ジョージは首を横に振る。
「いやあ、こんな状況でお嬢様を一人で登校させるわけないでしょ。カタリーナにプレゼントも渡せたし、もう休んでられないっすよ」
「ジョージ……」
それからオリビアは父に「ジョージを休ませたいから」と学院に欠席の届出をしてまた戻ってくることを伝え、屋敷に帰った。日曜の午前中に出発し、夕方には学院の寮に到着。翌日月曜は授業に出て、その後欠席届を提出したのだった。
そして三日後。木曜の夜——。
(え、私、捕まってる?)
薄暗い石壁。目の前には鉄柵。まるで牢屋だ。手足を縛られた状態でオリビアは目を覚ました。誰かが柵の鍵を開け、牢の中に入ってきた。
「やあ、オリビア・クリスタル伯爵家令嬢。我が家に来るのは初めてかな? 初訪問がこんな場所で申し訳ないよ」
「あなたは——!」
>>続く
ひとまず前半戦はここまでです。
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