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第四章 ふたりは恋人! オリビア&リアム
104、レオンの策略(前編)1
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窓から差す光と、かすかに聞こえる小鳥のさえずりが朝を告げている。
いつも週明けは眠気が抜けず、身を起こすまでに時間がかかる。ふかふかの羽毛布団から身体が離れたがらないのだ。
なんとか天蓋付きのベッドから脱出する。大理石の床は冷えるので、ベッド脇には母の故郷から取り寄せた希少なハイランドシープの毛で織られたマットレスを敷いている。
靴を履き、一歩踏み出し、緩くウエーブのかかった金髪をかきあげる。深呼吸と共に瞬きをする。濃い紫色の瞳が部屋全体を映し、ジュエリトス王国第三王子レオンの朝は始まった。
レオンは歩いてソファへ向かい、用意しておいた水をグラスに注いで飲み干した。そのタイミングで、コンコンと入口のドアをノックする音が聞こえる。
「レオン殿下、おはようございます。朝の支度に参りました」
「入っていいよ」
「失礼いたします」
レオンはドアに向かって返事をする。ドアを開け入ってきた執事は深々と礼をすると手早くレオンに制服を着せ、柔らかく滑らかな金髪をブラシで整えた。
「朝食の準備が整っております」
「ああ、すぐ行く」
「それでは失礼いたします」
執事がレオンの寝巻きを抱え礼をして部屋を去った。レオンは部屋の入り口を施錠し、室内にある自分の身長ほどの木製の飾り棚の元へ向かった。
壁面に沿って配置されているそれの横に立ち、グッと力を込めて押し横に滑らせた。すると、棚のあった壁面に棚より一回り小さなドアが姿を現した。ドアノブに手をかけ、魔力を流し解錠する。ドアは開き、中には壁を覆い尽くす本棚と机、一人掛けのソファがあった。
レオンは机の一番上の引き出しから古びた鍵を取り出す。そして、目当てのクラブ室の鍵を手にして部屋を出て、魔力でドアを施錠し、飾り棚を元に戻した。
「きっとオリビア嬢は怒っているだろうなあ。今日はクラブでゆっくり話でもしようかな……」
レオンは呟きながら、怒り心頭で登校してくるであろうクラスメイトの少女を思い浮かべた。彼女はここ最近のお気に入りだ。
あの美しい顔をどう歪め、辺境伯の娘が王族の自分にどういう言葉で責め立てるのかは見ものだ。
「早く会いたいなあ、オリビア嬢」
口元が自然と緩んでしまう。学校では気をつけないといけないが自信がないなとレオンは思った。そして、大きな両開きのドアを開け、自室を後にした。
>>続く
いつも週明けは眠気が抜けず、身を起こすまでに時間がかかる。ふかふかの羽毛布団から身体が離れたがらないのだ。
なんとか天蓋付きのベッドから脱出する。大理石の床は冷えるので、ベッド脇には母の故郷から取り寄せた希少なハイランドシープの毛で織られたマットレスを敷いている。
靴を履き、一歩踏み出し、緩くウエーブのかかった金髪をかきあげる。深呼吸と共に瞬きをする。濃い紫色の瞳が部屋全体を映し、ジュエリトス王国第三王子レオンの朝は始まった。
レオンは歩いてソファへ向かい、用意しておいた水をグラスに注いで飲み干した。そのタイミングで、コンコンと入口のドアをノックする音が聞こえる。
「レオン殿下、おはようございます。朝の支度に参りました」
「入っていいよ」
「失礼いたします」
レオンはドアに向かって返事をする。ドアを開け入ってきた執事は深々と礼をすると手早くレオンに制服を着せ、柔らかく滑らかな金髪をブラシで整えた。
「朝食の準備が整っております」
「ああ、すぐ行く」
「それでは失礼いたします」
執事がレオンの寝巻きを抱え礼をして部屋を去った。レオンは部屋の入り口を施錠し、室内にある自分の身長ほどの木製の飾り棚の元へ向かった。
壁面に沿って配置されているそれの横に立ち、グッと力を込めて押し横に滑らせた。すると、棚のあった壁面に棚より一回り小さなドアが姿を現した。ドアノブに手をかけ、魔力を流し解錠する。ドアは開き、中には壁を覆い尽くす本棚と机、一人掛けのソファがあった。
レオンは机の一番上の引き出しから古びた鍵を取り出す。そして、目当てのクラブ室の鍵を手にして部屋を出て、魔力でドアを施錠し、飾り棚を元に戻した。
「きっとオリビア嬢は怒っているだろうなあ。今日はクラブでゆっくり話でもしようかな……」
レオンは呟きながら、怒り心頭で登校してくるであろうクラスメイトの少女を思い浮かべた。彼女はここ最近のお気に入りだ。
あの美しい顔をどう歪め、辺境伯の娘が王族の自分にどういう言葉で責め立てるのかは見ものだ。
「早く会いたいなあ、オリビア嬢」
口元が自然と緩んでしまう。学校では気をつけないといけないが自信がないなとレオンは思った。そして、大きな両開きのドアを開け、自室を後にした。
>>続く
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