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素直じゃないね
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とあるカップルがいる。直也と美穂は明日で3年目を迎える。記念日前夜、恋人ならば、きっと熱く長い夜を過ごすのであろう。
美「ねえ」
直「…」
美「ねえってば!」
直「…ん?」
美「ん?じゃなくて。明日、どーするの?」
直「え?」
美「いや、明日!」
直「明日?なに?」
美「え、嘘でしょ…。忘れたの?」
直「んーと…ごめん、なんだっけ?」
美「…そっか、忘れたんだ」
直「え!?なに?まじでなんかあった?」
美「…明日4月9日。私たちの記念日」
直「あ…!」
美「……はぁ」
直「…あ、ここんとこ仕事忙しくて」
美「いつもじゃん。仕事仕事って」
直「…ごめん」
美「何度も話してるのに全然覚えようとしないじゃん」
直「…ごめん」
美「別に謝ってほしいわけじゃない」
直「…」
美「結局そんなもんなんだね、私って」
直「…あの」
美「なに?」
直「その……プリン買ってあるよ?」
美「はぁ?」
直「あ、いや…プリン食べるかなって…ミホが好きなやつ」
美「あのさ、馬鹿にしてるよね。ほんと考えらんない。舐めてる?私のこと。いらない」
直「ちょっ!今持ってくるから!」
美「はぁ!?だからいらないって言ってるじゃん!本当話聞かないよね」
ガサガサ…ゴソゴソ…
直「はい、プリン」
美「いらないってば……何これ」
直「ん?」
美「これ…ひょっとして、映画のチケット…?私が見たいって言ってたやつ…?」
直「あれ?そうだっけー?なんか、オマケでもらったー」
美「……」
直「ミーホ。はい、サプラーイズ」
美「ばかっ」
直也脳内《あっぶねー、サオリとのデート用に買っておいてよかったー!とりあえず明日のサオリはドタキャンしよ》
美「あ、でも午前中なんだぁ……」
直「え?なんかあるの?」
美「うん、ちょっと会社行かなきゃいけなくて…でもありがと。嬉しい」
直「あ、いや…全然いいよ」
美「ほんと素直じゃないよね」
美穂脳内《やったー!明日の午前中カズキと見に行こー!誰がお前と行くかっ、この馬鹿!》
直「でも、行かないなら持ったいないな…返品してくるよ」
美「え!いいよ、気持ちが嬉しかったから貰うよ」
直「いやいや、使わないのは勿体無いから他に充てようよ」
美「いやいやいや、記念として貰うからいいって!」
直「ダメだって!他にするから!」
美「なんでよ!いいじゃん!貰っておくから」
直「いやいや!他の…」
美「いいえ!貰います!大切に…」
記念日を迎える二人。その日は、今まてで一番長い夜になった。そして熱い夜となった。
美「ねえ」
直「…」
美「ねえってば!」
直「…ん?」
美「ん?じゃなくて。明日、どーするの?」
直「え?」
美「いや、明日!」
直「明日?なに?」
美「え、嘘でしょ…。忘れたの?」
直「んーと…ごめん、なんだっけ?」
美「…そっか、忘れたんだ」
直「え!?なに?まじでなんかあった?」
美「…明日4月9日。私たちの記念日」
直「あ…!」
美「……はぁ」
直「…あ、ここんとこ仕事忙しくて」
美「いつもじゃん。仕事仕事って」
直「…ごめん」
美「何度も話してるのに全然覚えようとしないじゃん」
直「…ごめん」
美「別に謝ってほしいわけじゃない」
直「…」
美「結局そんなもんなんだね、私って」
直「…あの」
美「なに?」
直「その……プリン買ってあるよ?」
美「はぁ?」
直「あ、いや…プリン食べるかなって…ミホが好きなやつ」
美「あのさ、馬鹿にしてるよね。ほんと考えらんない。舐めてる?私のこと。いらない」
直「ちょっ!今持ってくるから!」
美「はぁ!?だからいらないって言ってるじゃん!本当話聞かないよね」
ガサガサ…ゴソゴソ…
直「はい、プリン」
美「いらないってば……何これ」
直「ん?」
美「これ…ひょっとして、映画のチケット…?私が見たいって言ってたやつ…?」
直「あれ?そうだっけー?なんか、オマケでもらったー」
美「……」
直「ミーホ。はい、サプラーイズ」
美「ばかっ」
直也脳内《あっぶねー、サオリとのデート用に買っておいてよかったー!とりあえず明日のサオリはドタキャンしよ》
美「あ、でも午前中なんだぁ……」
直「え?なんかあるの?」
美「うん、ちょっと会社行かなきゃいけなくて…でもありがと。嬉しい」
直「あ、いや…全然いいよ」
美「ほんと素直じゃないよね」
美穂脳内《やったー!明日の午前中カズキと見に行こー!誰がお前と行くかっ、この馬鹿!》
直「でも、行かないなら持ったいないな…返品してくるよ」
美「え!いいよ、気持ちが嬉しかったから貰うよ」
直「いやいや、使わないのは勿体無いから他に充てようよ」
美「いやいやいや、記念として貰うからいいって!」
直「ダメだって!他にするから!」
美「なんでよ!いいじゃん!貰っておくから」
直「いやいや!他の…」
美「いいえ!貰います!大切に…」
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