うっかり拾った人ならぬ少年は私をつがいにするらしい。

妓夫 件

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どっちが肉食

2話※

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「あれ、琥牙、起きてたの? で、どこ行くの」

マンションの扉越しに鉢合わせた琥牙。
部屋着から着替えていて今から出掛けようとしてた様子だった。

「だって起きたらこんな夜更けに真弥いないし、心配だし探しに行こうとして」

そう言われると、やっぱり嬉しい。

「ちょっと買い物がてら散歩。 ごめん、ありがとね」

それで軽くキスをしようとするとふいと顔を背けられた。

いやだから何なのよ、それ。

「琥牙っていつからツンデレキャラになったわけ?」

「なに、ツンデレって……」

「そんなに私ってお粗末だった? 変だった?」

「真弥? ちょっとなんの話」

「なんで避けるの? もう私としたくない? 私、どこがおかしかったの?」

「……そんな事ないよ」

琥牙が気まずそうに私から目を逸らす。
いい加減こちらの方も訳が分からなくなって軽い怒りが湧いてきた。

「もういい、私の事嫌になったんなら無理しなくていい!」

「んなわけない」

思わず声を荒らげてしまった私を琥牙がぎゅっと抱きしめてくる。

「真弥。 ずっと考えてたんだけど引っ越そう?」

「………は?」

「おれはこんなだから真弥の匂いとか声とかに滅茶苦茶興奮する。 多分すればするだけ理性飛びそうになる。 けどここのマンション壁も薄いし、また伯斗とか隣に住んでる奴らに真弥の声聞かれたりするの考えたら、もの凄く嫌で。 そういうので、うまく出来ない」

「…………」

予想外で無言になった。
まさかのヤキモチ再び。

「そんな気分になんない様になるべく避けてた。 こないだの思い出したら、真弥が最近意識し過ぎてまともに見れなくって」

「……琥牙って、もうすこし加減てものを知った方がいいと思う」

色々と。

「引っ越し代とかはおれが出すから」

「そんなのは、いいけど」

いきなり引越しって言われても準備とか家探しとか手続きとか大変だし、しかも理由がソレって。

「良くない。 真弥、声出さないで」

「んん……!?」

いきなりの口付け、で隙間にぬるっと舌を差し込んでくる。
食べられるみたいなキス。
私の唇や舌を噛んで、吸ってくる。
ちゅ、ちゅうっ。 ぢゅうって。

「ふあ」

力が抜けかけて、強く腰を支えられたままもう片方の手のひらが私の胸を包む。
親指らしきものが布越しにその先に擦れた時にびくんと体が反れた。

すぐに反応してしまうのは先週末中途半端だったせい?

「んんっ……あ、む」

唇が離れ私の耳元に移動した琥牙の代わりに二本の指が口内に押し入ってくる。

段々と荒くなる彼の吐息に気を取られてるとぐい、と腰が引けてる私の足の間に彼の腿が差し込まれた。


「……ン」

首すじやこめかみに口付けられるたびまた力が抜けそうになるけど、そしたら今度は琥牙の脚に私のアソコが当たる。

「別におればかりが悪いんじゃないと思う。 だって真弥って、こんなでも濡れる。 真弥の可愛いココとかいっぱい舐めたいけど我慢出来る?」

「ん、んーん!」

ごめんなさい、無理。

塞がれたままぶんぶんと首を横に振る。
口内で遊んでた指先が抜かれて耳の先に冷たい唇が滑った。
違うそうじゃなくて、熱くなってるのは私。

「引越し、する?」

「する、するから……っあ」

履いてたハーフパンツの隙間から、ぬるりとショーツの間に滑ってきた私の睡液で濡れた指。
思わず彼の手首を押さえるも間に合わず入りこんでくる。

解すみたいに動いて、肌に触れる度にひりつく感触がする。
それが薄い粘膜を触る時にひくん、と腰が動く。

「ん、ん…ッう、……っん、ふ」

だめ。そう言いたいけど喋らせてくれない。
これなんていうプレイだっけ。

指先全体で擦り付けて、そうして私の愛液に絡めて挟んで。
内側が熱くなってくぐもった息を吐く。
かくかくと震えてる私をドアの固い壁に押し付ける。

え、まさかもしかして?

ショーツが引き下ろされたと思った瞬間、圧される感覚に内側のドアに爪を立てた。

「……っんく!! ……!…」

濡れ過ぎてたけどまだ私は固く閉じていたから入りにくくって、そしたら手でぐっと拡げてきてからてずん、て感じで無理に入り口を穿たれる。

何かが弾けたみたいな鋭い痛みがした。
そのまま強い快楽に変わる予感。
それが私の体を余計に熱くさせて、彼の熱が中を進んでくるにつれそれが本当になる。

「ふ……っう」

前にしたよりずっと硬くっておっきい。

動いてないのに荒い息遣い。
琥牙が興奮してるんだと分かったらゾクゾクして鳥肌がた。

私の内部で、隙間無くぴったり触れ合ってる粘膜が熱くって溶けそうで。
耐えられなくってとうとう崩れそうに膝を折る。

「やっ……ぁあッ、あん」

「そんなエロい声出さないでってば」

「ふぐ!」

そんな風に怒られて、反射的に自分の両手で慌てて口を塞ぐ。
その瞬間にきつく打ち付けられて、バチっと目の奥で光が弾けた。

「ッあ────」

「はあっ……こんだけで出そ」

一瞬ぐうって大きくなったそれが名残惜しげにゆっくりと抜かれた。
ズキズキと余韻の残る秘裂を彼の指先が優しく撫でる。

「ヒクヒクしてる。  でも避妊してない、し……」

「ぁ、あぁ…ふ……」

いつも通りに呼吸を整えた琥牙がふう、と細く息をつく。
そしてその場にへたりこんでしまった私の背中と膝の下に腕を入れて自分の膝に乗せた。

「我慢してたから優しくなくってごめん。 でも好きだよ。 むしろしたら余計に。 嫌になんかなってないって分かってくれる?」

「………は…い」

分かったけど、いきなり玄関先で襲われると思ってなかった。

「良さげな物件いくつか探しといたから、明日から見に行こうね。 途中で止めるの、かなり辛いし」

「………はい」

そしたら私、どうなってしまうんだろう。

で、もっと気持ち良くしてあげる。そう囁かれて一抹の不安はあるものの、どうせ私はこの狼少年にはにかないっこないんだ。

額やこめかみに触れてくる優しい口付け。

私は引越しのための有給残数なんかを数えながら目を閉じて、琥牙の肩に頭を委ねる。


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