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融合
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波打ち際に、下り立つボクラ。
ボクらはしばらく無言でいタ。
「……これが、海なんだナ」
ボクが言ウ。
「……これが、海なのね」
ワッキーも言ウ。
波の音が響く……ザザーン、ザザーン。
「これで壊れても本望よ」
ワッキーはボクから下りて、ケンケンをして海に入っタ。逆光の中、振り返ル。
「インモ、本当にありがとう……お願い、あなたはラボに帰──」
「ダメダ」
ワッキーの言葉をさえぎり、ボクも後に続ク。
「キミのいない世界なんて、意味がナイ」
ワッキーの頭部の光の線が、柔らかい曲線を描ク。
「やっと、笑ってくれタ」
ボクのハンドがワッキーの頭部側面をなでルと、彼女はくすぐったそうに首を傾けタ。
並んで座ル。波が、ボディの熱を冷ましてくれル。
「不思議ね。あなたといると、怖くないわ」
……ザザーン、ザザーン。
「日が沈むわ……」
「写真集で君と見タ、あの夕陽にそっくりダ」
ボクはワッキーの指を握ル。
「ワタシも同じこと思ってた」
ワッキーも強く握り返ス。
ザザーン、ザザーン……波ノ音。
夕陽がボクらを染めていル。
ボクらはしばらく無言でいタ。
「……これが、海なんだナ」
ボクが言ウ。
「……これが、海なのね」
ワッキーも言ウ。
波の音が響く……ザザーン、ザザーン。
「これで壊れても本望よ」
ワッキーはボクから下りて、ケンケンをして海に入っタ。逆光の中、振り返ル。
「インモ、本当にありがとう……お願い、あなたはラボに帰──」
「ダメダ」
ワッキーの言葉をさえぎり、ボクも後に続ク。
「キミのいない世界なんて、意味がナイ」
ワッキーの頭部の光の線が、柔らかい曲線を描ク。
「やっと、笑ってくれタ」
ボクのハンドがワッキーの頭部側面をなでルと、彼女はくすぐったそうに首を傾けタ。
並んで座ル。波が、ボディの熱を冷ましてくれル。
「不思議ね。あなたといると、怖くないわ」
……ザザーン、ザザーン。
「日が沈むわ……」
「写真集で君と見タ、あの夕陽にそっくりダ」
ボクはワッキーの指を握ル。
「ワタシも同じこと思ってた」
ワッキーも強く握り返ス。
ザザーン、ザザーン……波ノ音。
夕陽がボクらを染めていル。
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