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覚醒 at ウツボ穴④〜深海の主、現る
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その時、あたし達の背後から諭すような声がした。
「ここはヤドカリが来て良い場所ではない。すぐに引き返しなさい」
振り向くと、目付きの悪いダンゴムシのお化けみたいなのがいた。
もしかしてダイオウグソクムシかな? 初めて見た……。30センチくらいはあるかしら? 脚と節がいっぱいあってなかなかキモい……。あたしは自分のことを棚に上げて、そう思った。
「ノーバディキャンストップミー!!」
急にヤマトが吠えた。もはや浅瀬の狂犬ね! 容赦無く初対面のダイオウグソクムシに右第二歩脚と左はさみ脚で攻撃を仕掛けた!
不意打ちにも関わらず、ダイオウグソクムシは攻撃を遊泳脚でもって軽くいなし、流れるような動きで右第六歩脚を振り上げ、ヤマトの第一触覚に手刀を喰らわせた。
おそろしく速い手刀……あたしでなきゃ見逃しちゃうわね。
ヤマトは座り込んだ! 頭の上には小さいヒトデがくるくる回ってる。
ちなみに何故あたしがこんなに動体視力がいいのかと言うと、流れ来るプランクトンを逃さない様に幼い頃から欠かしたことのない日々の訓練の賜物よ! あたしの通った後はオキアミ1匹残らないわ!
でも、ダイオウグソクムシがこんな浅瀬にいるのは置いといて、脱皮とケロッグコンボのダブルドーピングにより覚醒に覚醒を重ねたヤマトにいとも容易く歩脚をつかせるなんて……一体何者かしら?!
「迷いのない単純な攻撃に、その喧嘩っ早さ……ワシの若い頃にそっくりじゃ」
両者は同じ甲殻類だけど、厳密に言うとヤドカリは十脚目であるのに対してダイオウグソクムシは等脚目だから、似ているなんてあり得ないんだけどね。
「急所は外しておいた。じきに暗くなる、早く帰りなさい」
ダイオウグソクムシはそう言って、歩脚と遊泳脚を巧みに使ってシャカシャカ泳いで去っていった。キモいけど、ちょっとカッコいいかも。クールでロマンスグレーの、キモカッコいいオッサンって感じ。
あたしはそのキモい泳ぎを見送った。
ヤマトが「オレは何をやっていたんだ……」と呟いて立ち上がった。ダイオウグソクムシのお陰でやっと正気に戻ったみたい。さっきお礼を言うのを忘れちゃった。いっけね。
「あんた、ダイオウグソクムシの手刀を喰らったのよ」
「そうだった。甲殻類最強の座は遠すぎる……。オレもまだまだだな……」
ヤマトは遠い目をした。
「とりあえず帰るよ!」
ダイオウグソクムシの言う通りそろそろ他のウツボも活動し始めて危険だから、フラフラしてるヤマトと潮溜まりへと急いだ。支えてあげたいけど、彼の戦闘用巻貝はトゲだらけだからちょっと離れて歩いた。
当初の目的の「イケてる巻貝探し」は達成出来なかったけど、仕方ないわね。他の作戦を考えなきゃ。
「ここはヤドカリが来て良い場所ではない。すぐに引き返しなさい」
振り向くと、目付きの悪いダンゴムシのお化けみたいなのがいた。
もしかしてダイオウグソクムシかな? 初めて見た……。30センチくらいはあるかしら? 脚と節がいっぱいあってなかなかキモい……。あたしは自分のことを棚に上げて、そう思った。
「ノーバディキャンストップミー!!」
急にヤマトが吠えた。もはや浅瀬の狂犬ね! 容赦無く初対面のダイオウグソクムシに右第二歩脚と左はさみ脚で攻撃を仕掛けた!
不意打ちにも関わらず、ダイオウグソクムシは攻撃を遊泳脚でもって軽くいなし、流れるような動きで右第六歩脚を振り上げ、ヤマトの第一触覚に手刀を喰らわせた。
おそろしく速い手刀……あたしでなきゃ見逃しちゃうわね。
ヤマトは座り込んだ! 頭の上には小さいヒトデがくるくる回ってる。
ちなみに何故あたしがこんなに動体視力がいいのかと言うと、流れ来るプランクトンを逃さない様に幼い頃から欠かしたことのない日々の訓練の賜物よ! あたしの通った後はオキアミ1匹残らないわ!
でも、ダイオウグソクムシがこんな浅瀬にいるのは置いといて、脱皮とケロッグコンボのダブルドーピングにより覚醒に覚醒を重ねたヤマトにいとも容易く歩脚をつかせるなんて……一体何者かしら?!
「迷いのない単純な攻撃に、その喧嘩っ早さ……ワシの若い頃にそっくりじゃ」
両者は同じ甲殻類だけど、厳密に言うとヤドカリは十脚目であるのに対してダイオウグソクムシは等脚目だから、似ているなんてあり得ないんだけどね。
「急所は外しておいた。じきに暗くなる、早く帰りなさい」
ダイオウグソクムシはそう言って、歩脚と遊泳脚を巧みに使ってシャカシャカ泳いで去っていった。キモいけど、ちょっとカッコいいかも。クールでロマンスグレーの、キモカッコいいオッサンって感じ。
あたしはそのキモい泳ぎを見送った。
ヤマトが「オレは何をやっていたんだ……」と呟いて立ち上がった。ダイオウグソクムシのお陰でやっと正気に戻ったみたい。さっきお礼を言うのを忘れちゃった。いっけね。
「あんた、ダイオウグソクムシの手刀を喰らったのよ」
「そうだった。甲殻類最強の座は遠すぎる……。オレもまだまだだな……」
ヤマトは遠い目をした。
「とりあえず帰るよ!」
ダイオウグソクムシの言う通りそろそろ他のウツボも活動し始めて危険だから、フラフラしてるヤマトと潮溜まりへと急いだ。支えてあげたいけど、彼の戦闘用巻貝はトゲだらけだからちょっと離れて歩いた。
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