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ユウくんママ VS 美魔女、決着
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ユウくんママの起こした旋風はそよ風レヴェルではあったが、ユウくんママ自身と美魔女の両方を驚かせるに充分なそれであった。
――いけるかもしれない‼︎
ユウくんママは荒い呼吸をしながらも、今度は両手で高速オイデオイデを行い旋風を美魔女に送り続けた。
「フンッフンッフンッフンッ‼︎‼︎」
「ぐあぁっ‼︎」
――目が……目が凄く乾燥する!
ユウくんママの攻撃を至近距離からモロに喰らったせいで、美魔女の眼球表面の涙液は全て蒸発してしまった。美魔女は目をつむる。これでは美魔女の技が発動しない。小さな旋風は美魔女の身体中を次々に襲った。
――何て事! こんなタイミングでマッスル覚醒なんて聞いてない‼︎ くっ……こうなったらアレを……
美魔女は高級ジャージのポッケから、やたら大きなオシャレサングラスを取り出し装着した。
――これで眼球の過度な乾燥は防げるわ‼︎
ただ、この行為は彼女にとって諸刃の剣であった。サングラスを着用すると眼球の乾燥を防止出来るが、同時に目が隠れてしまうため彼女の奥義「刮目効果」を行使出来ないからだ。
一方ユウくんママの旋風は美魔女を円外まで吹き飛ばす程の威力を持たない。バトルは膠着状態に突入した。
こうなった場合勝つためには、マッスルを物理的に互いにぶつけ合うしか無かった。
先手を打ったのは美魔女である。ユウくんママへと突進し、両手でユウくんママのベルトをむんずと掴んだ。正確に言うと左で下手まわしを取り、右手で上手を取った。そしてそのまま円外へと力で押し出そうとする。ユウくんママも美魔女のジャージをグッと掴み耐えた。
「あなた、なかなかしぶといわね……‼︎」
「ベルマーク係に、私はなる‼︎‼︎」
二人は気迫は今やどっこいどっこいであった。
「がっぷり四つ! がっぷり四つだ! どこからか拍子木の音が聞こえてきそうです‼︎」
山道教諭がすかさず実況する。
「うぎぎぎぎ……‼︎」
ユウくんママは必死におっつけ美魔女の差し手を封じ込めた。なかなかの粘りである。
しかし美魔女も負けてはいない。体が浮かないよう右を巻き替えてもろ差しになり、華麗な足技でユウくんママの足を払った。ユウくんママは倒れそうになるのを必死にこらえる。
「両者一歩も引きません! 大相撲になりました‼︎ 」
山道教諭はどこか楽しそうだ。
しかし両者間には基礎体力及び経験値の圧倒的な差が存在する。加えてユウくんママの体力は既に底をつきかけていた。
美魔女の絶え間なく押し出すパワーに、徐々に土俵際へと後退してしまう。
「ぐぬぬぬぬ……‼︎」
「ぬがががが……‼︎」
ビニールテープの貼られたギリギリのラインで再び粘るも、呆気なく美魔女に一方的に寄り切られてしまった。
「決まり手は、寄り切り~~、でございます!」
山道教諭が声を張り上げる。美魔女とユウくんママは膝に手を置きしばし息を整えていた。
それから頰を上気させた美魔女はサングラスをスタイリッシュに外した。ユウくんママはスカートの裾をはたく。
「……完敗です」
「そんな事ないわ。あなたのマッスル、なかなか見所があるわよ」
二人は互いの健闘を讃え合うようにがっしりと握手をした。
美魔女、強し。
この時点で彼女のベルマーク係就任は決定した。
――いけるかもしれない‼︎
ユウくんママは荒い呼吸をしながらも、今度は両手で高速オイデオイデを行い旋風を美魔女に送り続けた。
「フンッフンッフンッフンッ‼︎‼︎」
「ぐあぁっ‼︎」
――目が……目が凄く乾燥する!
ユウくんママの攻撃を至近距離からモロに喰らったせいで、美魔女の眼球表面の涙液は全て蒸発してしまった。美魔女は目をつむる。これでは美魔女の技が発動しない。小さな旋風は美魔女の身体中を次々に襲った。
――何て事! こんなタイミングでマッスル覚醒なんて聞いてない‼︎ くっ……こうなったらアレを……
美魔女は高級ジャージのポッケから、やたら大きなオシャレサングラスを取り出し装着した。
――これで眼球の過度な乾燥は防げるわ‼︎
ただ、この行為は彼女にとって諸刃の剣であった。サングラスを着用すると眼球の乾燥を防止出来るが、同時に目が隠れてしまうため彼女の奥義「刮目効果」を行使出来ないからだ。
一方ユウくんママの旋風は美魔女を円外まで吹き飛ばす程の威力を持たない。バトルは膠着状態に突入した。
こうなった場合勝つためには、マッスルを物理的に互いにぶつけ合うしか無かった。
先手を打ったのは美魔女である。ユウくんママへと突進し、両手でユウくんママのベルトをむんずと掴んだ。正確に言うと左で下手まわしを取り、右手で上手を取った。そしてそのまま円外へと力で押し出そうとする。ユウくんママも美魔女のジャージをグッと掴み耐えた。
「あなた、なかなかしぶといわね……‼︎」
「ベルマーク係に、私はなる‼︎‼︎」
二人は気迫は今やどっこいどっこいであった。
「がっぷり四つ! がっぷり四つだ! どこからか拍子木の音が聞こえてきそうです‼︎」
山道教諭がすかさず実況する。
「うぎぎぎぎ……‼︎」
ユウくんママは必死におっつけ美魔女の差し手を封じ込めた。なかなかの粘りである。
しかし美魔女も負けてはいない。体が浮かないよう右を巻き替えてもろ差しになり、華麗な足技でユウくんママの足を払った。ユウくんママは倒れそうになるのを必死にこらえる。
「両者一歩も引きません! 大相撲になりました‼︎ 」
山道教諭はどこか楽しそうだ。
しかし両者間には基礎体力及び経験値の圧倒的な差が存在する。加えてユウくんママの体力は既に底をつきかけていた。
美魔女の絶え間なく押し出すパワーに、徐々に土俵際へと後退してしまう。
「ぐぬぬぬぬ……‼︎」
「ぬがががが……‼︎」
ビニールテープの貼られたギリギリのラインで再び粘るも、呆気なく美魔女に一方的に寄り切られてしまった。
「決まり手は、寄り切り~~、でございます!」
山道教諭が声を張り上げる。美魔女とユウくんママは膝に手を置きしばし息を整えていた。
それから頰を上気させた美魔女はサングラスをスタイリッシュに外した。ユウくんママはスカートの裾をはたく。
「……完敗です」
「そんな事ないわ。あなたのマッスル、なかなか見所があるわよ」
二人は互いの健闘を讃え合うようにがっしりと握手をした。
美魔女、強し。
この時点で彼女のベルマーク係就任は決定した。
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