私は修道女なので結婚できません。私の事は忘れて下さい、お願いします。〜冷酷非情王子は修道女を好きらしいので、どこまでも追いかけて来ます〜

舞花

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生涯、彼は初恋の修道女を忘れる事ができない

最終話 彼女の色彩に染まった彼は

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 今日も、リシャールは寝ても覚めても『彼女の残像』が頭から離れなかった。

 リシャールが3年前にローゼと再会した町外れの古教会。

 相変わらずそこは、中心街にある教会に信者を取られて午前から参拝する者が1人もおらず、静寂に満ちていた。

 季節はちょうど3年前にリシャールたちが結婚式を挙げた薔薇が香る10月の初め。

 ステンドグラスから昼の日差しが差し込む、午後の時間。

(もう、昼か……)

 リシャールは気がつけば、教会の長椅子に座ったまま、うたた寝していたようだった。

 ちなみに今日は結婚記念日だった。
 結婚した年に記念日はこの再会した古教会で過ごすと決めたのだ。

 だから、今日は1日公務を休んで、リシャールとローゼは『市民』として過ごしていた。

 リシャールはローゼが修道女だった頃に2人で街を歩いた事があった。いわゆる、お忍びデートというやつだ。
 今日はその時と同じように『目立たない魔法』をかけて、気兼ねなく2人の時間を楽しんでいた。

 午前中は特に何をするわけでもなく、それぞれ本を読んだり、リシャールはローゼに頼まれてパイプオルガンを弾いたり、何気ない会話を楽しんだ。

 昼は市場のカフェに入り、軽めの昼食を摂った。

 そしてまた古教会に帰って来たところ、急に睡魔が襲い、リシャールは暫く寝ていたらしい。 

 結婚するまでリシャールは、どちらかといえば不眠気味だった。
 しかし、どうした事か、最近は眠りが深く、ふと寝てしまう事があった。

(もう山ほどストックしてある睡眠薬は捨てよう)

 リシャールは長年付き合った薬との別れを決めた。

 一方、ローゼはリシャールの横で長椅子に座り、ブランケットを膝にかけ、静かに本を読んでいた。
 実は、10月の初めでまだそこまで寒くはないが、ローゼの体調を心配したリシャールがブランケットを持ってきたのだ。
 リシャールは今日もよく気が利いていた。

 そして、本に夢中になっていたローゼは欠伸をかみ殺すリシャールに気がついた。

「おはよ、うございます」
「おはよう」

 リシャールは気だるそうに、まだ頭が回っていないような口ぶりで、言った。

「夢を見たんだ」
「……夢ですか?」
「そう。夢」

 長い夢の内容は、ずっとリシャールが長い時間ローゼに片思いをしていた頃の話だった。

 もう会えないと思った初恋の人である彼女に再会して、『好きだ』と伝えても無下にされ続けた、梅雨の夢だ。
 つらいけど、悪くない恋の夢。
 
「きっといい夢だったのですね」

 ローぜは出会ったころよりも余裕がある柔和な笑みをこぼした。

 最近一段と落ち着いており、彼女は公務もこなすようになった。

 出会った頃のそそっかしい彼女が懐かしく思うくらいに、大人の女性になったのだ。

「そうだ。いい夢だった。それは……きみの夢だったよ」

 リシャールは愛しき妻の頬に軽く口付けた。

 ローゼは「また、昼間から」と言って軽くリシャールをかわした。

 結婚しても、リシャールはよく彼女にキスをし、求愛していた。

 ローゼからは滅多にしてくれないから、リシャールは自分ばかりが彼女を好きなような気がしてならなかった。

 今日もローゼのそっけない態度に、『まぁ、私が彼女を罠にはめるように無理矢理結婚したから温度差は仕方ない』と思い、今日もリシャールは諦めた。
 本当は昼間でも、キスを返して欲しかったけど。

 ローゼはふぅっと、ため息をついた。

「結婚して3年経っても妻の夢を見るなんて。相変わらず、リシャール様は私が大好きなんですね」
「そうだが、何か問題でも?」
「いえ。特にありませんが。……あ、そうだ」

 ローゼが何か思い出したように、画材の入ったカバンから高級紙で作られたノートを取り出した。

「これは……?」
「子供が生まれるまでの経過についてサラ様が書いてくれたノートです。サラ様、徹夜して書いて来てくれたんですよ。陣痛間隔とか、痛みの程度のスケールとか、胎児の体位による対処法とか。さすが博識ですよね」
「サラ姫ね……」

 サラ、と聞いてリシャールは眉を顰めた。

 初産であるローゼの不安を取り除く事にサラが躍起になっていたことは知っていたので、リシャールはそのノートを見てサラらしいと感じた。

 ローゼに対する思いは確かに夫であるリシャールも素直に喜びたい気持ちもあるのだが。

(サラ姫。今回も、何か企んでないだろうな?)

 リシャールとサラの戦いは出会いからずっと、今でも続いている。

 もとはと言えば、サラはリシャールの義理の妹なのだが、今や宿敵だ。

 何故なら、リシャールが新婚当初から、サラは堂々と勝手に独自に工事した通路からリシャールの部屋に入り浸っている。

 サラ曰く、「わたくしはローゼ様とリシャール様の家族ですから!」の一点張りだ。

 さらに最近は「リシャール様の部屋はお風呂も大きいし、バルコニーはバーベキューに最適ですわ。来週は何を焼いて食べますか? ローゼ様のためにいいお肉を取り寄せますわ、栄養をつけて元気な子が生まれますようにサラおばさんも頑張りますわ!」と言った具合に、リシャールの部屋を私物化していた。

 控えめというか引きこもりだった義妹は、時とともに図太く、オープンな感じに変化していった。
 そう。簡単に言えば、騒がしい人種である週末パーティーピープルになったのだ。

 ちなみにサラの夫であるテオフィルは、「僕は視察や遠方に行く事が多いし、サラが兄さんの所にいるなら僕も安心だな~」と言い始め、サラに何も注意をしないのだ。

 ローゼはサラと仲が良いため、いつでもウェルカム体制。
 リシャールの広い部屋は、ローゼだけではなく、サラ、その子供たちが集まる公共の場になった。

(私の部屋はどこに消えた?)

 静かな独身生活が最近すこし羨ましく感じる瞬間もあるこの頃。

 よってリシャールはサラという、その名前を聞いただけで身構えるのも無理はない。

 ローゼは大分目立つようになった腹部の膨らみを撫でながら言った。

「あ、そういえば。サラ様がこの子を取り上げるのを手伝いたいらしいです。産んだ事があるし、知識もあるからって。さすがサラ様。なんでもでき」
「絶対ダメだ」

 リシャールはサラをなんとしても止めなくては、と感じた。

「また張り合っているのですか。手伝うくらいいいじゃないですか。修道院でもよくありましたよ」
「……」
「それに、青ちゃんも産卵を見たいって」
「虫と一緒にするな」

 リシャールは額に手をやり、深く息を吐いた。
 どうやら騒がしいお産になりそうだった。

「きみの周りはいつも人がいるな、全く」

 ローゼは相変わらず人が良く、サロンでも気さくな性格で人気だった。

 彼女は見た目も性格も穏やかでおっとりしており、冷たそうで意地悪そうで口うるさいリシャールとまるで真逆だった。

 そんな彼女の姿はリシャールが初めて出会った頃と同じ、珍しい色の紫瞳、艶やかな黒髪だ。

 ローゼはどちらかというと可愛い感じだが、リシャールみたいな目を惹くほどの派手さはない。
 でも、どれも色素の薄いリシャールからすれば、鮮やかで、混じり気がなく純粋で、汚れなくて好きだった。

 それにリシャールが彼女を愛せば愛すほど、夜は魅惑的になっていった。

 ローゼはリシャールに友情も、恋も、愛情さえ教えてくれた人だ。

 人柄も良い彼女は見かけも年々女性らしい魅力を帯び、リシャールは結婚してからも心配でいられなかった。
 少なからず、ローゼに色目を使う男はいるのだ。しかも年々増えている。

 何も知らないローゼは呑気に読みかけの本をまた読み始めた。

(私の気も知らないで。ああ、でもローゼだからな。一生何も気づかないだろうなぁ。私の思いも、半分も伝わってないな、きっと)

 リシャールは思う。

 ローゼのためならなんでもできた。
 仮面を被って、心を凍らせて、戦地で鬼にもなれた。

 修道院にいるローゼが平和に一日を過ごせるなら一人で耐えれた。

 リシャールは人間というものは『ただ1人自分とってそういう人』がいれば、どんなつらい環境でも生きていけると感じた。

「ローゼ」

 リシャールはローゼの温かい体温に触れるように、お腹を撫でた。

「な、なに? 急に……」

 急にリシャールがローゼを抱きしめるように屈んだので、本が床に落ちた。
 そして、リシャールはローゼの心臓がある場所に耳を当てた。鼓動を感じる。

 リシャールは抱きしめる事で、ほしくてたまらない彼女とひとつにはなれないけど、世界で一番近いところまで感じた。

 やっと掴んだ幸せを離さないように、リシャールは今日も彼女を抱いて眠る予定だ。明日も、明後日も。

 絶望の色ばかりだった人生に、色を付けた彼女を生涯離すつもりはなかった。

 リシャールはローゼを離して、顔を上げて言った。

「綺麗だよ」
「私は妊娠してかなり太ったのに? だいたい……貴方の方が綺麗じゃないですか」

 ローゼはバカみたいと言いたげだったが、リシャールにとっては彼女の全部が、綺麗で、泣きたいくらいに美しく見えていた。

 この身を、彼の持っているすべてを捧げていいくらいに愛していた。

(我が子にもそのような人物に出会ってほしいな)

 人生は、時に身を引き裂かれた方がマシなぐらい辛い事もある。

 そんな時にまた立ち上がれる様に、自分にとって大切な人を見つけて欲しい。

 リシャールはまだ性別も分からない我が子にそう思った。

 リシャールはローゼのお腹を撫でながら俯きがちに呟いた。

「もう離してやらないからな。子どももいるし……もうきみは私から逃げられないぞ?」

 その言葉を訊いて、ローゼはくすくす笑った。

「何笑っている?」
「今更何言っているんですか?」

 リシャールはむっとした。

 彼は顔を上げて、ローゼに視線を合わせた。
 そして、低い声で自分について説明した。

「私は『かなり危ない人間』なんだぞ? その気になれば、ローゼが死んだら墓を掘り起こして生き返らせるような」
「あは、はは」

 ローゼは腹を抱えて笑った。
 リシャールは口を固く結び、不機嫌そうな顔になった。

「ごめんなさい」

 ローゼは穏やかな表情と愛し気な眼差しで、リシャールを真っ直ぐ見据えた。

「貴方はいい人ですよ。だから、私は幸せです」
「きみはそんなんだから、心配なんだ。誰でもいい人間に見えるんだろう。だいたい、私は最低最悪な鬼畜人だ。そんな事、分かっている」
「あなたは自分で言うほど酷い人間ではないわ」

 ローゼは引かなかった。こう言うところは頑固だ。

 しかし、リシャールは半ば無理矢理結婚したのだ。誰が見ても盲目な鬼畜には間違いがない。 

 修道院から彼女を連れ去って。それまでも散々追いかけ回して。
 逃げられないように、縛りつけて。

 だから、リシャールはいい人のわけがない。

 リシャールは目を逸らした。

「認めなくてもいいですよ。聞いてください。貴方が言う、愚かな私の独り言です」

 ローゼはゆっくりとした口調で語った。

「私は神に誓って発言致します」

 ローゼは両手を組み、神に近いを立てるポーズをした。
 それは嘘のない誓いだ。

 いかにも修道女だった彼女らしい言い方。

「確かに私の夫である貴方はいつも、いえ、いつの時代も強がりで、人一倍素直じゃなくて、事実を隠してばかりで……」

 リシャールは『これって悪口じゃないか?』と感じたが、腕を組んだまま、黙って聞いた。

「笑っちゃうくらいお節介で、顔に似合わず世話好きで、どうしようもなく人が良くて……」
「......」

 ローゼは、指を解き、子供みたいに不安そうな頼りない瞳をしていたリシャールの頬を両手で包み込んだ。

 優しく言い聞かせるような口ぶりで。

「貴方は、私が出会った誰よりも優しい人ですよ」












 リシャールは昔から彼女の絵は好きだった。

 昔から色彩がローゼの作る色彩が、彼女の描く見る人を抱きしめるようなやわらかな輪郭が。

 リシャールはローゼに出会った夏の日に出会った時からずっと、彼女が自分の側でずっと死ぬまで絵を描いてほしいと思っていた。

 だから、リシャールは誰にも渡したくないローゼを王都に誘った。

 ただ、自分にはないものを持っている彼女がほしくて。傍で微笑んでほしくて。

 彼女との日々はリシャールにとって穏やかな日差しのようにとても優しかったから。


 古教会では、ローゼの書いた無数の絵が優し気な眼差しで、何も言わずに抱き合うリシャールたちを見ていた。

 その中にある彼をモデルに書いた絵も、穏やかに表情で彼らを見守っていた。


 もう、リシャールの目の前に冷たい色はどこにも無くて、淡い色彩だけが彼の世界に滲んでいた。
 胸は生温かいものが広がっていた。

 リシャールは幼い日からいつも感じていた、誰も居ない地獄にいるような、たったひとりで降り積もる雪の中にいるような、そんな冷たさはもう感じなかった。

 気付いた時には、彼の青でも緑でもない深い色をした瞳に映る世界は、春を迎えたように、彼女の温かい色彩で染まっていた。

 
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感想 6

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みんなの感想(6件)

さめ姫
2022.07.22 さめ姫

早速お返事ありがとうございます(´∀`)
兄上のお話なのですね!楽しみが更に増えました☆

舞花
2022.07.22 舞花

リシャールさんは報われないキャラと言いますか、腐っても兄なので、行動にも兄弟差があり、不器用な方です(長子らしい)。

器用に物事をこなし、時と場合によっては、優しいようで、割ときっちり決めるところは強引になっても決める(いろんな意味で笑)弟テオとは全然性格が違いますが、よろしくお願いします。

楽しんで頂けたら、嬉しいです。

解除
さめ姫
2022.07.22 さめ姫

はじめまして^^ムーンさんで作品を読んで面白くて好きになったのでこちらも読みたくなり見つけたところです☆
今日から早速、読みます^^

舞花
2022.07.22 舞花

さめ姫様

感想ありがとうございます。

はじめまして。茉菜(舞花)です。

ムーンさんからお越し頂き、ありがとうございます。

サラたちの話、読んで下さったのですね。ありがとうございます。
楽しんで頂けて、とても嬉しいです。
テオじゃありませんが、連載中は短時間睡眠で頑張った甲斐がありました(しみじみ)。

本作はテオの兄リシャールと修道女マリーの物語です。
テオフィルたちよりスローテンポ(R15のため)ですが、リシャールさんは私的におすすめなので、是非読んで頂きたいです。

サラとテオフィルに繋がる部分が多数あります。
もう少ししたら連載予定の番外編の内容に関連してきますので、よろしければ是非。

ありがとうございました。

解除
ulalume
2022.06.09 ulalume

なろうの、本作では冒頭で結婚する 弟君とサラちゃんの話から来ました。

向こうじゃまさに拗れ掛けてたんで
こちらで無事 結婚してて ホッとしました。
サラちゃん、自己完結して勝手に離れようとしてたけど
弟君の必死の執着で ちゃんと戻ってくるね。

お兄ちゃんが 可憐で小心な小動物扱いするサラさんは
実はあんな 屑を自称する妄想娘なんですね。
これからガッツリ 見た目は満点の彼の 荒ぶる本性に晒されるのか。
サラさんの書いてた小説、攻め手が逆になって 炸裂するのかな?
弟夫婦は夜の底が知れないな、何でもアリそうだ。
なろうもまだ始まったばかりなんで楽しみです。

こちらの お兄ちゃんの話はまだ冒頭読んでるんですが
いい感じに 繋がってますね。

向こうであんな2人なのだから
こちらの人間模様も楽しみです。

舞花
2022.06.09 舞花

ulalume様


感想ありがとうございました。

向こうからわざわざお越し頂き、感無量です。

そうなのです。
サラたちは何でもありなのです笑
今後どうなるのか……とりあえず、結婚はするので安心して下さい笑 
ハッピーエンド目指してがんばります。


本編にもちょっと風変わりなキャラがたくさんいるので、読んで頂けると嬉しいです。


今日は、サラたちの方を更新するので、また、よろしくお願い致します。

解除

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