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生涯、彼は初恋の修道女を忘れる事ができない
旅立ち
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リシャールの修道院訪問事件によって、マリーは修道女でありながら修道院に結婚を許された。
結婚を認められたリシャールはその瞬間、ソファに座るマリーをひょいっと肩に荷物のように担ぎ上げた。
「マリーをどこに連れて行くんだ!」
ユートゥルナは唖然とした。
そしてマリーは逃げる暇などなく、修道院の前に用意されていた馬車に乗せられ、可憐に攫われるように修道院を後にしたのだ。
それはもはや、人攫い顔負けだった。
彼にはやはり……そういう才能があった。
もちろん、ユートゥルナはその逃亡を魔法で止めようした。
しかし、その前に彼はリシャールに魔法封じをされなす術もなく、結果その場に立ち尽くした。
王子相手に『神』は何も出来なかったのだ。
彼が言葉をなくすのも無理はなかった。
「僕より魔法上手じゃないか……」
ユートゥルナは独り言のように呟いて、拳を握りしめた。
ちなみに、現ユートゥルナである彼は、教会で育てられた孤児だった。
そんな彼は病弱な神父の善意で育てられた。
親代わりの神父が亡くなった時に、偶然女神の朧げな記憶と驚異的な魔法を修道院に見いられ、神になったのだ。
何故なら、あの時彼以外、神になり得る人物が名乗り出なかったからだ。
もし、あの時リシャールが名乗り出たら、今の彼はいなかった。
親のいない子どもは犯罪者に目をつけられるかもしれないし、まともな暮らしもできない。
運良く良心的な孤児院でも我慢を強いられる暮らしであるのが現状だ。
彼は、神でなければ今頃どうなっていたかわからない。
「僕の負けだなぁ……参ったな。失恋したのに、あの王子様を恨めないや」
ユートゥルナは暫く俯いていた。
「神なんていないのに、何が神だ。馬鹿みたいだなぁ」
彼は、いかに今までリシャールに助けられていたか感じ、完璧な敗北に同意して、マリーたちが消えた先の回廊をただぼんやりと見つめた。
********
一方、部屋に残されたフレッドは上機嫌だった。
「やっぱり殿下は凄いや、うん、迷いのない所がいいね! 殿下たちを見ていると『今を生きてる』感じがするから好きだわ」
フレッドは誰もいなくなった部屋で満足そうに声を上げて笑った。
そして彼は、その足で同僚であるマリアの部屋を訪ねてお別れを言いに行った。
今までゾンビ同然の自分なんかを普通の人間の様に扱ってくれたマリア。
フレッドは、彼女にこれまで『友達として扱ってくれてありがとう』とお礼を言いたかったのだ。
もうフレッドは、生涯修道院に足を踏み入れる事はない。
マリーがリシャールと結婚する事になった今、それが明確になったのだ。
だから最後にお世話になった友人に一言言いたい気持ちは死人である彼にもある温かい気持ちだった。
フレッドがドアをノックすると、部屋から出てきたマリアは首を傾げた。
「フレッドが部屋まで来るなんて珍しいわね。そういや、マリーはどうしたの? ミサもお開きだし、王子様はやってくるし、もうわけがわからないわ、あたし」
「マリーなら王子様とめでたしめでたしだよ」
「あら、ハッピーエンドって事? はぁー。あたし、マリーと田舎でカフェ開きたかったのに残念だわ」
フレッドはマリアの部屋に入り、事情を話した。
マリーがリシャールと結婚することや、自身も修道院を辞めること、そして以前任務で片腕を切られたフレッドの動く手を気持ち悪がらずに拾ってくれたお礼も言った。
ゾンビだと言う事に差別しなかったマリアはフレッドにとってかけがえのない人だから。
フレッドは寂しさを感じながらも言った。
「じゃあさようなら、マリアちゃん」
「ふぅん。まぁいいわ。あんたに修道士なんて似合わなかったし。でも、ちょっと待って!」
「うん? なに? お別れのキスかな」
「まさか! やっぱりあんたの頭腐ってるんじゃないの。その天才王子様に頭は治してもらえなかったのかしら。はぁ」
するとマリアは部屋の奥に入って行き、貯金通帳を開いてフレッドに言った。
「あんた、いくら持ってる?」
「え、いくらってまぁ一軒家くらいは建てれるくらいは……っていうかマリアちゃんも結構貯金したね。おれに何でも奢らせるし、部屋着はぼろぼろだし、金に汚いし、ケチだと思っていたけど……」
フレッドはマリアの貯金通帳の額に慄いた。
それは田舎なら豪邸を建てれる額だった。
マリアは淡々と言った。
「私も修道院辞めるの。お金も溜まったし、田舎で宣教師しながらカフェでもしようと思って。よかったらあんたも来る?」
「は? おれが?」
「あんた、どうせ暇でしょう。マリーの代わりよ」
「代わりって……」
マリアはどこまで知っているか分からないが、マリーが結婚してしまった以上、お目付け役のフレッドは修道院に居場所がない。
かと言って死人である彼は年もとらないため今更王都に帰ったところで化け物扱いだ。
フレッドは思いがけない誘いに、首を縦に振った。
「なに泣いてるのよ。あんた何させても器用だし、本当にマリーの代わりだから恩義なんていらないわよ?」
マリアは相変わらず素っ気ないニコリともしない顔だったが、フレッドは思いがけない誘いに涙を拭って、笑い顔を作った。
「今日は、いい日だね」
********
攫われたと言っても過言でないマリーはいきなり馬車という密室、つまりあまりの事態に身を震わせた。
今から何をされるんだろうと。
馬車は物凄い速度で走り出した。
もう修道院が遥か遠くに米粒のように小さくなっている。
「どこに行くのでしょう……?」
「王都に帰る」
「私の荷物は……? ほら、服とか着替えなくてはいけませんし……」
「服なんていらない」
「まさかリシャール様、王都につくまで私に裸でいろと……! いくら最近温かいからってそれはあんまりですよっ」
マリーは青ざめて言った。そして、リシャールに必死に抗議した。
「もう外に出れないじゃないですか! 王都まで10日もあるんですよ……馬車の中に監禁なんてひどいです!」
「馬鹿か」
リシャールは呆れた顔でマリーに積んであった箱を指差した。
マリーはそれを開くと一通りの女物の衣類や日用品が入っており安堵した。
「よかった……着替えがある!」
「変な小説の読みすぎだ。何を想像しているんだ、まったく……。きみの私に対するイメージはどうなっているんだ」
「だって、リシャール様は、その……いやらしいから」
「はっきり言うな」
そして、リシャールは胸を撫で下ろすマリーに淡々と地図を広げてこれからの道順を説明した。
「この機会に各地の偵察と、領主に結婚報告をする」
その地図には各地の巡回ルートと日程が記載されていた。
このようにして、マリーの着替えすら準備バッチリなリシャールにマリーは連れ去られるように旅に出た。
リシャールとともに、国内を回りながら王都へ帰る事になったのだ。
マリーは、はじめは急な展開に動揺したが、順応性の高い能天気なマリーは初めての地で挨拶周りと訪問という軽い公務をこなしながら婚前旅行を楽しんでいた。
その際、国境付近のマリーの実家にも寄り、結婚の報告をした。
もちろん両親はマリーたちを暖かく迎えてくれた。
結婚の報告をすると、マリーが修道女になって娘を亡くしたも同然だと思っていた両親は泣いていた。
「お父様……?」
マリーは初めて父が涙を流した姿を見た。
父は、嗚咽を漏らしながら、言った。
「私たちは屋敷が火事になり、聖女に救われた事もあったし、ローゼが彼女に憧れている気持ちを尊重したかった。親として……エマ、いやリシャール様には今でも感謝が絶えないよ。私たちの子どもを2人も救ってくれたからね。でも、ローゼが修道院に入る事は、親としてはつらかった。神の修道女になるということは俗世とは離れて生涯過ごすことになるし、本当は……ローゼに結婚して、子どもがいて、ふつうの幸せを望んでいたからね。修道院に入る事はローゼの望んだ事と思っていたから止めれなかった。でも……やっぱり、今、娘が結婚してくれると嬉しいよ」
その思いがけない発言にマリーは胸が熱くなったのを覚えている。
そしてその後リシャールは家族との時間を大切にするように言ってしばらく領地に滞在してくれた。
リシャールは、マリーの両親が王都にいつでも泊まれるように屋敷の手配もしてくれたし、領地のパーティにも快く参加してくれたのだ。今まで公式の場に出ないような人が、だ。
リシャールは家族との時間の大切さが分かっているようでーー彼の母はもういないしーー両親にも弟にも随分優しくしてくれたのが嬉しかった。
ただ、エマを女だと信じていたライアンは「初恋が男なんて僕は今後どうすればいいんだ……!」と叫び、失恋したようだったが(リシャールが申し訳ない顔をしていたのが印象的だった)。
結婚を認められたリシャールはその瞬間、ソファに座るマリーをひょいっと肩に荷物のように担ぎ上げた。
「マリーをどこに連れて行くんだ!」
ユートゥルナは唖然とした。
そしてマリーは逃げる暇などなく、修道院の前に用意されていた馬車に乗せられ、可憐に攫われるように修道院を後にしたのだ。
それはもはや、人攫い顔負けだった。
彼にはやはり……そういう才能があった。
もちろん、ユートゥルナはその逃亡を魔法で止めようした。
しかし、その前に彼はリシャールに魔法封じをされなす術もなく、結果その場に立ち尽くした。
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彼が言葉をなくすのも無理はなかった。
「僕より魔法上手じゃないか……」
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そんな彼は病弱な神父の善意で育てられた。
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もし、あの時リシャールが名乗り出たら、今の彼はいなかった。
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彼は、神でなければ今頃どうなっていたかわからない。
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彼は、いかに今までリシャールに助けられていたか感じ、完璧な敗北に同意して、マリーたちが消えた先の回廊をただぼんやりと見つめた。
********
一方、部屋に残されたフレッドは上機嫌だった。
「やっぱり殿下は凄いや、うん、迷いのない所がいいね! 殿下たちを見ていると『今を生きてる』感じがするから好きだわ」
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そして彼は、その足で同僚であるマリアの部屋を訪ねてお別れを言いに行った。
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フレッドは、彼女にこれまで『友達として扱ってくれてありがとう』とお礼を言いたかったのだ。
もうフレッドは、生涯修道院に足を踏み入れる事はない。
マリーがリシャールと結婚する事になった今、それが明確になったのだ。
だから最後にお世話になった友人に一言言いたい気持ちは死人である彼にもある温かい気持ちだった。
フレッドがドアをノックすると、部屋から出てきたマリアは首を傾げた。
「フレッドが部屋まで来るなんて珍しいわね。そういや、マリーはどうしたの? ミサもお開きだし、王子様はやってくるし、もうわけがわからないわ、あたし」
「マリーなら王子様とめでたしめでたしだよ」
「あら、ハッピーエンドって事? はぁー。あたし、マリーと田舎でカフェ開きたかったのに残念だわ」
フレッドはマリアの部屋に入り、事情を話した。
マリーがリシャールと結婚することや、自身も修道院を辞めること、そして以前任務で片腕を切られたフレッドの動く手を気持ち悪がらずに拾ってくれたお礼も言った。
ゾンビだと言う事に差別しなかったマリアはフレッドにとってかけがえのない人だから。
フレッドは寂しさを感じながらも言った。
「じゃあさようなら、マリアちゃん」
「ふぅん。まぁいいわ。あんたに修道士なんて似合わなかったし。でも、ちょっと待って!」
「うん? なに? お別れのキスかな」
「まさか! やっぱりあんたの頭腐ってるんじゃないの。その天才王子様に頭は治してもらえなかったのかしら。はぁ」
するとマリアは部屋の奥に入って行き、貯金通帳を開いてフレッドに言った。
「あんた、いくら持ってる?」
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フレッドはマリアの貯金通帳の額に慄いた。
それは田舎なら豪邸を建てれる額だった。
マリアは淡々と言った。
「私も修道院辞めるの。お金も溜まったし、田舎で宣教師しながらカフェでもしようと思って。よかったらあんたも来る?」
「は? おれが?」
「あんた、どうせ暇でしょう。マリーの代わりよ」
「代わりって……」
マリアはどこまで知っているか分からないが、マリーが結婚してしまった以上、お目付け役のフレッドは修道院に居場所がない。
かと言って死人である彼は年もとらないため今更王都に帰ったところで化け物扱いだ。
フレッドは思いがけない誘いに、首を縦に振った。
「なに泣いてるのよ。あんた何させても器用だし、本当にマリーの代わりだから恩義なんていらないわよ?」
マリアは相変わらず素っ気ないニコリともしない顔だったが、フレッドは思いがけない誘いに涙を拭って、笑い顔を作った。
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********
攫われたと言っても過言でないマリーはいきなり馬車という密室、つまりあまりの事態に身を震わせた。
今から何をされるんだろうと。
馬車は物凄い速度で走り出した。
もう修道院が遥か遠くに米粒のように小さくなっている。
「どこに行くのでしょう……?」
「王都に帰る」
「私の荷物は……? ほら、服とか着替えなくてはいけませんし……」
「服なんていらない」
「まさかリシャール様、王都につくまで私に裸でいろと……! いくら最近温かいからってそれはあんまりですよっ」
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「もう外に出れないじゃないですか! 王都まで10日もあるんですよ……馬車の中に監禁なんてひどいです!」
「馬鹿か」
リシャールは呆れた顔でマリーに積んであった箱を指差した。
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「よかった……着替えがある!」
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もちろん両親はマリーたちを暖かく迎えてくれた。
結婚の報告をすると、マリーが修道女になって娘を亡くしたも同然だと思っていた両親は泣いていた。
「お父様……?」
マリーは初めて父が涙を流した姿を見た。
父は、嗚咽を漏らしながら、言った。
「私たちは屋敷が火事になり、聖女に救われた事もあったし、ローゼが彼女に憧れている気持ちを尊重したかった。親として……エマ、いやリシャール様には今でも感謝が絶えないよ。私たちの子どもを2人も救ってくれたからね。でも、ローゼが修道院に入る事は、親としてはつらかった。神の修道女になるということは俗世とは離れて生涯過ごすことになるし、本当は……ローゼに結婚して、子どもがいて、ふつうの幸せを望んでいたからね。修道院に入る事はローゼの望んだ事と思っていたから止めれなかった。でも……やっぱり、今、娘が結婚してくれると嬉しいよ」
その思いがけない発言にマリーは胸が熱くなったのを覚えている。
そしてその後リシャールは家族との時間を大切にするように言ってしばらく領地に滞在してくれた。
リシャールは、マリーの両親が王都にいつでも泊まれるように屋敷の手配もしてくれたし、領地のパーティにも快く参加してくれたのだ。今まで公式の場に出ないような人が、だ。
リシャールは家族との時間の大切さが分かっているようでーー彼の母はもういないしーー両親にも弟にも随分優しくしてくれたのが嬉しかった。
ただ、エマを女だと信じていたライアンは「初恋が男なんて僕は今後どうすればいいんだ……!」と叫び、失恋したようだったが(リシャールが申し訳ない顔をしていたのが印象的だった)。
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