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生涯、彼は初恋の修道女を忘れる事ができない
噛み合わない会話
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マリーはテオフィルにリシャールの事を訊ねられた時、内心動揺した。
(殿下は私が修道院に帰ると言ったらどうするだろう?)
リシャールはマリーが避けては通れない相手だ。
それに心の底からリシャールはマリーを好いているから、お別れなんて言うと何をするか分からない面がある。
今までだってマリーが逃げない様にリシャールに本気の監禁を実行されたこともあった(その時はリシャールの自室に鍵だらけな状態だったので窓から逃亡した)。
また、リシャールは連絡もなく急にマリーが暮らす平民街の家に訪ねて来たこともあった(何故かそのまま新婚さんみたいに一緒にしばらく暮らした)。
リシャールは深く重くマリーを愛している。確実に。
マリーは今になってその重さを身にしみていた。
(愛されているのは分かるんだけど……)
一見冷たそうな彼は2人の時は激甘で、小柄なマリーを膝の上に乗せるのが好きだ。
そして、膝の上に乗せた状態で彼女の身体に赤い痕を残したり、剥いた果物を手から食べ与えるのも好き。マリーを撫でるのも、軽いキスをするのも顔に似合わず好きなのだ。
信じられないくらいマリーを甘やかすのだ。
しかし、そんなリシャールを怒らせるのが得意なマリーは、彼の琴線に触れることも多い。
出会ってからこれまで逆上と未遂を繰り返し続けて、一線を越えないまま今に至っている危うい関係だ。
サラの助言通りだと100%の確率でマリーは「修道院に帰る」という禁句を言った時点で貞操危機である。
良くて逆上。悪くて……。
(一生外の世界を拝めないかもしれないわ……)
リシャールなら一生大切に可愛いがってくれるかもしれないが……。
しかしながら、彼にはしっかりと、はっきりとお別れを言わねばならないとマリーは思っている。
マリーは第一王子であるリシャールの妃にはなれないのだ。修道女なのだ。
確かに、いつもみたいにリシャールから逃げてしまえば楽であり、フレッドの言う様に夜逃げ同然にとんずらして修道院に帰る方が辛い危ない怖い思いをしないで済む。だが。
(今回は逃げたらダメだわ。殿下に会うのは最後だから。生涯会うことはないから、後悔しない様にしっかり言わなきゃ)
マリーにとってあのリシャールにお別れをいうのは至難の業だ。それでも彼女は無性にリシャールにお礼が言いたかった。最後に一言言いたいことがあった。
矛盾しているが、マリーはリシャールに感謝していたのだ。だから、帰るまでにちゃんと会って今までのお礼を言いたかったのだ。
生きている間に、修道女であるマリーがリシャールに会うことはもう無いだろうから。
たまたま再会したとしても、そのころにはもう彼の愛したローゼではないし、気づかれることもないだろう。
(殿下は私にとって生涯で一番忘れられない人だもの)
マリーは修道院に居る時は落ちこぼれで首寸前、誰も期待していない修道女だった。
今まで出会った中で、単なる励ましだけではなく、マリーの魔法を見てリシャールだけがマリーの修道女としての可能性を認めてくれた人であった。
そして、リシャールは良き友人のような、温かい人物だったのだ。
リシャールは冷酷だとよく世間では言われているが誰がなんと言おうと、マリーにとっては優しい人だったのだ。口は悪く、表情も乏しかったけれど。
そしてここ最近は無理に迫ってきたり押し倒されたりしたが、それでも、色恋関係云々なくリシャールの存在は大きかった。
(今日で殿下とお別れね……)
マリーの表情の陰りに気づいたのか、素早くテオフィルが話題を変えた。
テオフィルはにこやかに訊ねた。
「ところで、修道院ってどんなところなのかな? 僕も大まかには知っているけど、この機会に実際の話を聞いてみたいな」
「修道院ですか……?」
「わたくしもぜひ聞いてみたいですわ」
サラも同調して、マリーを覗き込んだ。
「もちろんです。修道院は国境境にあってーー」
テオフィルに修道院の暮らしについて聞かれ、何気なく修道院の暮らしについて話していいるうちに、自然と和やかな雰囲気になった。
先ほどまで『お仕置き』に震えていたサラもマリーの話に興味があるのか、真剣に聞いていた。
サラの好きなレモンバームティーを飲みながら、テオフィルも加えて話が大変弾んだのだ。
「へぇ、修道院は3時に起きるんだんね。もはや夜中だね」
テオフィルが感心したようにうなずいた。
修道院は独自の生活スタイルがあり、それに合わせて日々を送っている。世間では考えられないような、例えば修道院以外の人と会うのに申請が必要だったり、一日の決まった時間は沈黙を求められたりする。昔ほどは厳しくなく断食などはないが、年に数日しか休日もないので厳しい生活ではあるのが現状だ。
華やかな王族とはかけ離れた世界だ。
「そうなんです。祈りの時間が1日に6回あるのでそれに合わせて生活しています」
「修道院も大変ですのね。祈る事によって国境を守っているのでしょう?」
サラが訊いてきた。マリーは謙遜して、首を振った。
「慣れてしまえばそれほど大変ではないですよ。王族の方々こそ多忙ですよね。確か……テオ様は寝ないんですよね。サラ様から聞きました。一晩中起きていても平気だって」
テオフィルが一瞬困った顔をして、サラに笑いかけた。
「サラ。それってどういう話をしたのかな……? 仕事の話ではないよね」
「いや、そのですね……テオは仕事もしているのにいつも元気だなって……」
サラの目が泳いだ。またやらかしたと言う顔だ。
テオフィルは恐ろしいくらい爽やかに微笑んだ。
「じゃあ、サラも今夜僕とずっと起きていようよ。君も王族だから頑張ろう。いろいろと」
「そそ、それは、どういう……?」
サラがまた震えると、自然とマリーやテオフィルは笑った。
「あははは」
同い年である3人は、身分を忘れて時に冗談を言って笑った。
マリーは仕事として王都に来たが、今やサラもテオフィルも大切な友人だ。
マリーは残り数時間となった王都でも時間を楽しんだ。
サラの好きなレモンバームティーを楽しみながら、あっという間に時間が過ぎてしまった。
時刻はもう夕暮れ時。絵にかいたような真っ赤な太陽が沈み始めた。
マリーはサラたちに深くお辞儀をして、中庭を後にした。
マリーが去った後、テオフィルとサラは顔を見合わせていた。
「ねぇ、テオ……」
「なんだい、サラ」
「ローゼ様が修道院に帰ると言ってましたけど、あれって本当なのでしょうか。だってわたくし――」
サラは不思議そうに首を傾げた。ややぽかんとした表情である。それもそのはず。
「わたくし随分前から結婚式の準備しているんですけど……。ほら、リシャール様に頼まれて数十億くらいの予算で招待状ももう配送済みですし……」
それを聞いたテオフィルは珍しく真顔だった。
彼は腕を組んで、うーんと一瞬考え込む。
「だよね。招待状、送っちゃったよね。しかも、結構予算使ったよね」
「はい。だって式は秋でしょう? もう5月も終わりですし、半年ありませんわよ……?」
サラが青ざめた顔で言った。
もしかしたら、サラはとんでもない事をしでかしてしまったのではないかと思うのも無理はない。
今更「結婚は無しになりました」、なんて各国に言えるわけもなく、仕事が早いサラは招待状以外にもドレスや会場を契約し、王族向けの多額の引き出物も注文済み、新聞社にも伝達済みという準備バッチリな状況に愕然とした。
「テオ。大丈夫ですか? わたくしまたやらかしちゃいました……?」
「……大丈夫だよ、サラ。泣かないで」
テオフィルは優しくサラの涙を指で拭った。
「さっきは……ローゼちゃんに話を合わせたけどね。だって彼女、随分深刻そうな顔していたから。……そもそも、彼女は本気で逃げれると思っているのかな?」
「あ、そうですわね!」
多額の国税を無駄にしてしまったかと不安になったサラの表情がテオフィルの言葉でパァっと明るくなった。
サラは何か納得したのか、嬉しそうに言った。
「リシャール様のしつこさは折り紙付きですもの。逃げられるわけありませんわ!」
テオフィルはマリーが歩いて行った方向を眺めながら、同意した。しみじみと呟く。
「そうだね。我慢させすぎだからいつか爆発するかもね……」
その声は突然吹いた風にかき消されて誰も聞こえなかった。
(殿下は私が修道院に帰ると言ったらどうするだろう?)
リシャールはマリーが避けては通れない相手だ。
それに心の底からリシャールはマリーを好いているから、お別れなんて言うと何をするか分からない面がある。
今までだってマリーが逃げない様にリシャールに本気の監禁を実行されたこともあった(その時はリシャールの自室に鍵だらけな状態だったので窓から逃亡した)。
また、リシャールは連絡もなく急にマリーが暮らす平民街の家に訪ねて来たこともあった(何故かそのまま新婚さんみたいに一緒にしばらく暮らした)。
リシャールは深く重くマリーを愛している。確実に。
マリーは今になってその重さを身にしみていた。
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一見冷たそうな彼は2人の時は激甘で、小柄なマリーを膝の上に乗せるのが好きだ。
そして、膝の上に乗せた状態で彼女の身体に赤い痕を残したり、剥いた果物を手から食べ与えるのも好き。マリーを撫でるのも、軽いキスをするのも顔に似合わず好きなのだ。
信じられないくらいマリーを甘やかすのだ。
しかし、そんなリシャールを怒らせるのが得意なマリーは、彼の琴線に触れることも多い。
出会ってからこれまで逆上と未遂を繰り返し続けて、一線を越えないまま今に至っている危うい関係だ。
サラの助言通りだと100%の確率でマリーは「修道院に帰る」という禁句を言った時点で貞操危機である。
良くて逆上。悪くて……。
(一生外の世界を拝めないかもしれないわ……)
リシャールなら一生大切に可愛いがってくれるかもしれないが……。
しかしながら、彼にはしっかりと、はっきりとお別れを言わねばならないとマリーは思っている。
マリーは第一王子であるリシャールの妃にはなれないのだ。修道女なのだ。
確かに、いつもみたいにリシャールから逃げてしまえば楽であり、フレッドの言う様に夜逃げ同然にとんずらして修道院に帰る方が辛い危ない怖い思いをしないで済む。だが。
(今回は逃げたらダメだわ。殿下に会うのは最後だから。生涯会うことはないから、後悔しない様にしっかり言わなきゃ)
マリーにとってあのリシャールにお別れをいうのは至難の業だ。それでも彼女は無性にリシャールにお礼が言いたかった。最後に一言言いたいことがあった。
矛盾しているが、マリーはリシャールに感謝していたのだ。だから、帰るまでにちゃんと会って今までのお礼を言いたかったのだ。
生きている間に、修道女であるマリーがリシャールに会うことはもう無いだろうから。
たまたま再会したとしても、そのころにはもう彼の愛したローゼではないし、気づかれることもないだろう。
(殿下は私にとって生涯で一番忘れられない人だもの)
マリーは修道院に居る時は落ちこぼれで首寸前、誰も期待していない修道女だった。
今まで出会った中で、単なる励ましだけではなく、マリーの魔法を見てリシャールだけがマリーの修道女としての可能性を認めてくれた人であった。
そして、リシャールは良き友人のような、温かい人物だったのだ。
リシャールは冷酷だとよく世間では言われているが誰がなんと言おうと、マリーにとっては優しい人だったのだ。口は悪く、表情も乏しかったけれど。
そしてここ最近は無理に迫ってきたり押し倒されたりしたが、それでも、色恋関係云々なくリシャールの存在は大きかった。
(今日で殿下とお別れね……)
マリーの表情の陰りに気づいたのか、素早くテオフィルが話題を変えた。
テオフィルはにこやかに訊ねた。
「ところで、修道院ってどんなところなのかな? 僕も大まかには知っているけど、この機会に実際の話を聞いてみたいな」
「修道院ですか……?」
「わたくしもぜひ聞いてみたいですわ」
サラも同調して、マリーを覗き込んだ。
「もちろんです。修道院は国境境にあってーー」
テオフィルに修道院の暮らしについて聞かれ、何気なく修道院の暮らしについて話していいるうちに、自然と和やかな雰囲気になった。
先ほどまで『お仕置き』に震えていたサラもマリーの話に興味があるのか、真剣に聞いていた。
サラの好きなレモンバームティーを飲みながら、テオフィルも加えて話が大変弾んだのだ。
「へぇ、修道院は3時に起きるんだんね。もはや夜中だね」
テオフィルが感心したようにうなずいた。
修道院は独自の生活スタイルがあり、それに合わせて日々を送っている。世間では考えられないような、例えば修道院以外の人と会うのに申請が必要だったり、一日の決まった時間は沈黙を求められたりする。昔ほどは厳しくなく断食などはないが、年に数日しか休日もないので厳しい生活ではあるのが現状だ。
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「そうなんです。祈りの時間が1日に6回あるのでそれに合わせて生活しています」
「修道院も大変ですのね。祈る事によって国境を守っているのでしょう?」
サラが訊いてきた。マリーは謙遜して、首を振った。
「慣れてしまえばそれほど大変ではないですよ。王族の方々こそ多忙ですよね。確か……テオ様は寝ないんですよね。サラ様から聞きました。一晩中起きていても平気だって」
テオフィルが一瞬困った顔をして、サラに笑いかけた。
「サラ。それってどういう話をしたのかな……? 仕事の話ではないよね」
「いや、そのですね……テオは仕事もしているのにいつも元気だなって……」
サラの目が泳いだ。またやらかしたと言う顔だ。
テオフィルは恐ろしいくらい爽やかに微笑んだ。
「じゃあ、サラも今夜僕とずっと起きていようよ。君も王族だから頑張ろう。いろいろと」
「そそ、それは、どういう……?」
サラがまた震えると、自然とマリーやテオフィルは笑った。
「あははは」
同い年である3人は、身分を忘れて時に冗談を言って笑った。
マリーは仕事として王都に来たが、今やサラもテオフィルも大切な友人だ。
マリーは残り数時間となった王都でも時間を楽しんだ。
サラの好きなレモンバームティーを楽しみながら、あっという間に時間が過ぎてしまった。
時刻はもう夕暮れ時。絵にかいたような真っ赤な太陽が沈み始めた。
マリーはサラたちに深くお辞儀をして、中庭を後にした。
マリーが去った後、テオフィルとサラは顔を見合わせていた。
「ねぇ、テオ……」
「なんだい、サラ」
「ローゼ様が修道院に帰ると言ってましたけど、あれって本当なのでしょうか。だってわたくし――」
サラは不思議そうに首を傾げた。ややぽかんとした表情である。それもそのはず。
「わたくし随分前から結婚式の準備しているんですけど……。ほら、リシャール様に頼まれて数十億くらいの予算で招待状ももう配送済みですし……」
それを聞いたテオフィルは珍しく真顔だった。
彼は腕を組んで、うーんと一瞬考え込む。
「だよね。招待状、送っちゃったよね。しかも、結構予算使ったよね」
「はい。だって式は秋でしょう? もう5月も終わりですし、半年ありませんわよ……?」
サラが青ざめた顔で言った。
もしかしたら、サラはとんでもない事をしでかしてしまったのではないかと思うのも無理はない。
今更「結婚は無しになりました」、なんて各国に言えるわけもなく、仕事が早いサラは招待状以外にもドレスや会場を契約し、王族向けの多額の引き出物も注文済み、新聞社にも伝達済みという準備バッチリな状況に愕然とした。
「テオ。大丈夫ですか? わたくしまたやらかしちゃいました……?」
「……大丈夫だよ、サラ。泣かないで」
テオフィルは優しくサラの涙を指で拭った。
「さっきは……ローゼちゃんに話を合わせたけどね。だって彼女、随分深刻そうな顔していたから。……そもそも、彼女は本気で逃げれると思っているのかな?」
「あ、そうですわね!」
多額の国税を無駄にしてしまったかと不安になったサラの表情がテオフィルの言葉でパァっと明るくなった。
サラは何か納得したのか、嬉しそうに言った。
「リシャール様のしつこさは折り紙付きですもの。逃げられるわけありませんわ!」
テオフィルはマリーが歩いて行った方向を眺めながら、同意した。しみじみと呟く。
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