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生涯、彼は初恋の修道女を忘れる事ができない
修道女と妃殿下と第二王子
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「テオ様にも後で挨拶に行きますので」
マリーはサラだけではなく第二王子であるテオフィルにも挨拶に行こうと思っていた。
テオフィルはリシャールの弟であり、今回の潜入捜査を修道院に依頼した人物だ。
そして、サラの夫でもある。
(テオ様は私が修道院に帰ると言ったらどう思うかしら……?)
テオフィルは煌めく金髪に淡い水色の瞳を持つおとぎ話から出てきたような正統派王子と言っていいほど、爽やかな人物である。
しかも大層なイケメンで、万人が受けそうな甘い顔立ちに加え、社交的で、物腰が柔らかい。
そんな彼は見かけとは裏腹にかなりやり手だ。
実のところ、彼はリシャール本人よりもマリーたちの結婚を切実に願っている。
そう。テオフィルは無害そうな顔をして、長い年月恋とは無縁だったらしいリシャールのお気に入りであるマリーに何としても結婚して欲しいと迫ってくるのだ。
テオフィルはマリーたちが結婚をしていないのに、マリーの事を義姉さんと親しく呼んだり(テオフィルとマリーは同い年)、修道院から帰還要請が来てからは会うたびに『兄さんほど君を愛している人物はいないと思うな。あれほど重苦しい愛を僕は今まで見た事が無いよ。ぞっとするくらい好きなんだよ。君の事は死んでも忘れないと思うよ。それなのに、君は兄さんを捨てるのかな? ひどいな。君が結婚してくれないとあの人は誰とも添い遂げず寂しく死ぬんだ。これは確定事項だ。可哀想な兄さん。これじゃあ兄さんは成仏できないや』と脅すような人物だ。
今、マリーはお世話になった人物に順番にお別れの挨拶に行っているが、テオフィルはできれば避けたい人物ではある(でも依頼主に挨拶もなしに無断に帰るのも無礼なので行くつもりである)。
サラは夫であるテオフィルの名前を聞いて、ハッとして口に手を当てて言った。
「テオにはどうかわたくしが単独で修道院に訪問する事を言わないで下さい!」
「何故ですか?」
「わたくし、実はテオが不在時に訪問を予定していたのですが、彼はそれが気に食わなかったようなのです。でも、テオのスケジュールの空きを待っていたらいつになるか分かりませんし、女同士で水いらずでお会いしたいです」
「あ、そうなんですね。テオ様は……心配性なんですね」
少し前にサラがニコルと言う司書に惚れられてテオフィル不在時にさらわれそうになったことを思い出す。
サラは見かけは絶世の美女で、体つきも凹凸があって魅力的なのだ。
歩くたびに重そうな胸、困った顔がなんとも色気があって男性にとっては性欲を刺激するような容姿なのだ。
新婚であるテオフィルが心配なのも頷ける。
そんなことを知らないサラは腕を組んで、眉を寄せた。かなり不満そうである。
「最近テオが心配症というかうるさいというかしつこいといいますか、怖いですわ」
「……はぁ」
「ローゼ様も気を抜かない方がいいですわよ。わたくしなんか婚約破棄したと思っていたのに、テオを忘れた頃に彼が窓からやってきて薬を盛られたり、口では言えない様なことをたくさんされました。縛られたりもしました」
「縛る……?」
「そうなのです。手と足をセットで縛る手法で……恥じらう暇もなく……あれはたいそう困りました」
サラは過去を思い出し、遠い目をして語る。
「今ではいい思い出ですが、当時は恐怖でしたね」
「まぁ……それはそれは大変だったんですね……?」
マリーにはサラの言う、窓から侵入して縛られるってどういうことか想像できない。
強盗じゃないかそれ。
「ローゼ様も鬼畜行為には気をつけてください。彼らはやります、絶対に!」
「殿下はないですよ。修道院は王族でも身勝手なことはできません。それに私には魔法がかかっているんです」
「魔法ですか?」
「はい」
マリーはサラにユートゥルナのかけた個人を特定できない魔法について話した。
修道院に帰ってしまったら魔法が解けてここに居るローゼはいなくなり、地味な修道女になることを。
「複雑な魔法ですね……」
「あ、会えないことはないんですよ。サラ様に修道院に申請して頂ければ普通に話したり外出は出来ます。ただ結婚とかはダメなだけで。だから殿下とはよき友人になりたかったんです」
「そうなのですか……。でもなんだかとても残念ですね。リシャール様は、友人なんて難しいでしょう?」
マリーはリシャールの事を思うと、もう彼とは会えないと感じた。
リシャールの人生にとってマリーは不要などころか、彼の未来を邪魔する存在になりうる。
マリーのせいでいつまでも結婚しなかったら、いたたまれない。
テオフィルじゃないけど、それくらいリシャールはマリーを常軌を逸したくらい愛しているのだ。
それが分かるからなおさらだ。
「はい。たぶん、殿下は友達にはなってくれないでしょう。だから……サラ様はずっと友達でいてくださいね」
サラは一瞬物凄く切ない顔をした。
そしてサラは気を取り直して明るい声で言う。
「もちろんですわ。ローゼ様とたくさんお話できて楽しかったです! これからも手紙のやり取りにはなりますが、よろしくお願いしますわ」
「はい。サラ様、こちらこそ」
「あ、そうですわ」
サラが持っていたハンドバックから、手帳を取り出して中身を確認した。
「念のため予定を聞いておきますわ。わたくし、来月と再来月は、テオ不在日はこの日になりますから紙に書いて差し上げますわね」
「あ、あの……サラ様。テオ様が……」
「気にしなくていいんですわよ。テオはうるさいですから、黙っておきましょう。だいたい、女友達に会うだけで嫉妬するなんて狭量すぎますわ」
「あの、だからその……」
「秘密って楽しいですわね。ワクワクしますわ! 夫は元気で留守がいい。はい。長期不在万歳。もう最近は慣れたので寂しくなんかありませんわ。時間は有意義に使わないと!」
「えーっと……」
マリーはひやひやしながら向かいに座るサラを見た。
サラはまだ気づかない。
サラは万年筆ですらすらと予定を書きながら、嬉しそうに言った。
「実は結構印税やもろもろの収入で私財がありますの。その気になれば2人でどこでも遊びに行けますわ。テオが長期不在時を狙って修道院まで向かいに行きますので待っていてくださいね!」
サラはにこにこ笑ってその紙をマリーに渡そうとしに立ち上がって、蒼白になった。
「テオ……! いつから居たんですの……!」
「誰がしつこい? 長期不在万歳? 本気で言っているのかな」
テオフィルは微笑んでいるが、目が笑っていなかった。
「全部聞いてましたの?」
「だいたいね。僕、耳がいいから」
「わたくし、またお仕置きされますの……?」
「うん。サラ。アウト」
目を潤ませてサラはテオフィルを見上げた。
しかし。
「そんな顔しても許さないよ、サラ」
テオフィルはキッパリと言い放つと、サラは悲劇的な顔をした。
側から見ていたマリーにはこの状況がわからないが、なんだかサラはお仕置きをされるそうであることは理解できた。
(サラ様は説教されるのかしら……? 泣くほど怖いのかなぁ? かわいそうに)
ちなみにマリーは新婚サラに与えられる甘いお仕置きについてはよくわかっていない。
実際は説教よりももっと恐ろしい物である。
マリーは半泣きのサラをおいておいて、椅子から立ちあがり、テオフィルの側に行った。
そして、深くお辞儀をして、テオフィルに今までお世話になったことや、修道院に帰ることを伝えた。
すると、テオフィルは以外にも「そっか。寂しいな。お別れかぁ……」と答えて、暫く黙り込んだ。
テオフィルはもっとマリーを引き留めるかと思いきや、その反応は予想よりもかなりあっさりとしたものだった。
「お世話になりました。明日、フレッドと一緒に帰ります」
「いや、こちらこそ、ありがとう。君のおかげで無事に解決だよ」
「私は何も……」
「兄さんには、お別れを言ったの?」
テオフィルは心配そうな顔をしてマリーを見下ろした。
「まだです。今……殿下は、どちらへ?」
マリーはリシャールと聞いて心臓が跳ねそうになった。
できればお別れを言いたくない人物だ。
でも、もう当初の計画通りリシャールに黙って王都を去るなんてその選択肢がもうなかった。
(事件が終わってから殿下に会っていないわ。フレッド曰く、事件の処理や溜まった公務で忙しいとの事だけど……。なんか避けられている気がするんだよなぁ)
「ああ、今執務室にいたよ。呼ぼうか?」
「いえ、大丈夫です。あとで、私の方から行きますので」
マリーはリシャールに今からお別れを言いに行くと思うと、正常心を保つので精いっぱいだった。
マリーはサラだけではなく第二王子であるテオフィルにも挨拶に行こうと思っていた。
テオフィルはリシャールの弟であり、今回の潜入捜査を修道院に依頼した人物だ。
そして、サラの夫でもある。
(テオ様は私が修道院に帰ると言ったらどう思うかしら……?)
テオフィルは煌めく金髪に淡い水色の瞳を持つおとぎ話から出てきたような正統派王子と言っていいほど、爽やかな人物である。
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今、マリーはお世話になった人物に順番にお別れの挨拶に行っているが、テオフィルはできれば避けたい人物ではある(でも依頼主に挨拶もなしに無断に帰るのも無礼なので行くつもりである)。
サラは夫であるテオフィルの名前を聞いて、ハッとして口に手を当てて言った。
「テオにはどうかわたくしが単独で修道院に訪問する事を言わないで下さい!」
「何故ですか?」
「わたくし、実はテオが不在時に訪問を予定していたのですが、彼はそれが気に食わなかったようなのです。でも、テオのスケジュールの空きを待っていたらいつになるか分かりませんし、女同士で水いらずでお会いしたいです」
「あ、そうなんですね。テオ様は……心配性なんですね」
少し前にサラがニコルと言う司書に惚れられてテオフィル不在時にさらわれそうになったことを思い出す。
サラは見かけは絶世の美女で、体つきも凹凸があって魅力的なのだ。
歩くたびに重そうな胸、困った顔がなんとも色気があって男性にとっては性欲を刺激するような容姿なのだ。
新婚であるテオフィルが心配なのも頷ける。
そんなことを知らないサラは腕を組んで、眉を寄せた。かなり不満そうである。
「最近テオが心配症というかうるさいというかしつこいといいますか、怖いですわ」
「……はぁ」
「ローゼ様も気を抜かない方がいいですわよ。わたくしなんか婚約破棄したと思っていたのに、テオを忘れた頃に彼が窓からやってきて薬を盛られたり、口では言えない様なことをたくさんされました。縛られたりもしました」
「縛る……?」
「そうなのです。手と足をセットで縛る手法で……恥じらう暇もなく……あれはたいそう困りました」
サラは過去を思い出し、遠い目をして語る。
「今ではいい思い出ですが、当時は恐怖でしたね」
「まぁ……それはそれは大変だったんですね……?」
マリーにはサラの言う、窓から侵入して縛られるってどういうことか想像できない。
強盗じゃないかそれ。
「ローゼ様も鬼畜行為には気をつけてください。彼らはやります、絶対に!」
「殿下はないですよ。修道院は王族でも身勝手なことはできません。それに私には魔法がかかっているんです」
「魔法ですか?」
「はい」
マリーはサラにユートゥルナのかけた個人を特定できない魔法について話した。
修道院に帰ってしまったら魔法が解けてここに居るローゼはいなくなり、地味な修道女になることを。
「複雑な魔法ですね……」
「あ、会えないことはないんですよ。サラ様に修道院に申請して頂ければ普通に話したり外出は出来ます。ただ結婚とかはダメなだけで。だから殿下とはよき友人になりたかったんです」
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マリーのせいでいつまでも結婚しなかったら、いたたまれない。
テオフィルじゃないけど、それくらいリシャールはマリーを常軌を逸したくらい愛しているのだ。
それが分かるからなおさらだ。
「はい。たぶん、殿下は友達にはなってくれないでしょう。だから……サラ様はずっと友達でいてくださいね」
サラは一瞬物凄く切ない顔をした。
そしてサラは気を取り直して明るい声で言う。
「もちろんですわ。ローゼ様とたくさんお話できて楽しかったです! これからも手紙のやり取りにはなりますが、よろしくお願いしますわ」
「はい。サラ様、こちらこそ」
「あ、そうですわ」
サラが持っていたハンドバックから、手帳を取り出して中身を確認した。
「念のため予定を聞いておきますわ。わたくし、来月と再来月は、テオ不在日はこの日になりますから紙に書いて差し上げますわね」
「あ、あの……サラ様。テオ様が……」
「気にしなくていいんですわよ。テオはうるさいですから、黙っておきましょう。だいたい、女友達に会うだけで嫉妬するなんて狭量すぎますわ」
「あの、だからその……」
「秘密って楽しいですわね。ワクワクしますわ! 夫は元気で留守がいい。はい。長期不在万歳。もう最近は慣れたので寂しくなんかありませんわ。時間は有意義に使わないと!」
「えーっと……」
マリーはひやひやしながら向かいに座るサラを見た。
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サラは万年筆ですらすらと予定を書きながら、嬉しそうに言った。
「実は結構印税やもろもろの収入で私財がありますの。その気になれば2人でどこでも遊びに行けますわ。テオが長期不在時を狙って修道院まで向かいに行きますので待っていてくださいね!」
サラはにこにこ笑ってその紙をマリーに渡そうとしに立ち上がって、蒼白になった。
「テオ……! いつから居たんですの……!」
「誰がしつこい? 長期不在万歳? 本気で言っているのかな」
テオフィルは微笑んでいるが、目が笑っていなかった。
「全部聞いてましたの?」
「だいたいね。僕、耳がいいから」
「わたくし、またお仕置きされますの……?」
「うん。サラ。アウト」
目を潤ませてサラはテオフィルを見上げた。
しかし。
「そんな顔しても許さないよ、サラ」
テオフィルはキッパリと言い放つと、サラは悲劇的な顔をした。
側から見ていたマリーにはこの状況がわからないが、なんだかサラはお仕置きをされるそうであることは理解できた。
(サラ様は説教されるのかしら……? 泣くほど怖いのかなぁ? かわいそうに)
ちなみにマリーは新婚サラに与えられる甘いお仕置きについてはよくわかっていない。
実際は説教よりももっと恐ろしい物である。
マリーは半泣きのサラをおいておいて、椅子から立ちあがり、テオフィルの側に行った。
そして、深くお辞儀をして、テオフィルに今までお世話になったことや、修道院に帰ることを伝えた。
すると、テオフィルは以外にも「そっか。寂しいな。お別れかぁ……」と答えて、暫く黙り込んだ。
テオフィルはもっとマリーを引き留めるかと思いきや、その反応は予想よりもかなりあっさりとしたものだった。
「お世話になりました。明日、フレッドと一緒に帰ります」
「いや、こちらこそ、ありがとう。君のおかげで無事に解決だよ」
「私は何も……」
「兄さんには、お別れを言ったの?」
テオフィルは心配そうな顔をしてマリーを見下ろした。
「まだです。今……殿下は、どちらへ?」
マリーはリシャールと聞いて心臓が跳ねそうになった。
できればお別れを言いたくない人物だ。
でも、もう当初の計画通りリシャールに黙って王都を去るなんてその選択肢がもうなかった。
(事件が終わってから殿下に会っていないわ。フレッド曰く、事件の処理や溜まった公務で忙しいとの事だけど……。なんか避けられている気がするんだよなぁ)
「ああ、今執務室にいたよ。呼ぼうか?」
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表紙は写真ACより転載しました。
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