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修道女と王都と、花と、死者
耳元の声
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時刻は15時過ぎ。
国王はアリアナたちを店内に呼んでから、マリーにもおやつとしてマドレーヌを出してくれた。
マリーはすっかり子ども扱いをされてしまい、でも何故かそれがリシャールの父であるためか嬉しく、お言葉に甘えてマドレーヌを頂いた。
少しいびつな形のマドレーヌは美味しかった。
もしかしたらアリアナと一緒に作ったのかもしれない。
(はじめはアリアナちゃんが心配だったけど……)
マリーはこの花屋には確かに言葉に表すことができない『幸せ』があるのだと悟った。
国王はどちらかと言うと、無口なリシャールと対照的におしゃべりで陽気な人であった。
非人道的行いを息子に強要したかと思えないくらい明るい、そして気遣いができる人だ。
マリーにも結婚を強要しない。アリアナの生活も尊重して守っている。
どう見ても根っからの悪人には見えないのだ。
(ううん、違う。悪い人ではない。はじめから悪人はいないもの。修道院では罪人はみんな何かのきっかけがあって罪を犯していたわ)
マリーは、国王を変えてしまったきっかけは、狂おしいほどの恋であったのだろうとぼんやり考えた。
国王は自身の身分を忘れさせるかのように、気さくに、次々と話題を提供してくれた。
「昔、リシャールは病弱な時期があってね。今じゃあ、不死身の殿下といわれているけどね。はは」
リシャールにもそんな時期があったのかと思うと意外だった。
どんな子供だったのか想像するだけで楽しいものだ。
マリーは「もしかしたらの世界」想像せずにはいられない。その妄想は、最近の日課かもしれない。
もし二人がもっと早くに出会い、マリーが伯爵令嬢であったら。
自分達は同じ学校の先輩後輩で、仲良くなれたのだろうか。いや、身分が違うから、マリーが遠目にリシャールに憧れていたのかもしれない、と。
(そうだったら、よかったな)
マリーは少しだけ切なくなりながらも、国王の昔話を聞きながら穏やかな時間を過ごした。
そして、リシャールは何も言わずに物静かに黙っているだけだった。もし、リシャールが冷酷非道の行いに手を染めずに、普通の王子様だったら、落ち着いていて静かな人だったのだろう。
時折、リシャールがわずかに口角を上げるのが印象的だった。
談笑を終え、そろそろお暇するときのことだった。
「そういえば、リシャール。最近あの派手な耳飾りしていないのね」
アリアナが素朴な疑問を聞いたのだ。そして彼女はやや残念そうに「あれ、似合っていたのに」と言っていた。
実は、あの問題の耳飾りはニコルの事件時に粉々に割れてしまった。
それ以来、リシャールはトレードマークの魔石を連ねた耳飾りをしていない。
あれはジャン曰く、爆弾のようなエネルギーの塊で、危ない物である。
リシャールは戦でいざとなったら自爆するためのものという話もある。
魔石を使用して魔法を使う必要のないリシャールにとっては全く無価値なものであり、的に耳飾りを狙ってくれと言えわんばかりの大ぶりなものだ。
(あれはもう殿下にとっていらないものだもの)
マリーは、ここ最近のリシャールは人間じみていて、以前のような冷たい印象が薄れ、いざとなったら自分が犠牲になればいいとい自暴自棄な生き方はやめたと思っていた。
リシャールは、結婚にも前向きであり、マリーとの出会いが彼にとって少しでも人生を前向きにとらえられるきっかけになったかと思うと、嬉しく思っていたのだ。
たとえこの出会いは、この恋が実らなくても、意味がある時間を過ごしたと思える。
リシャールは不意に耳元を触った。ピアスの穴は少し小さくなっていた。
マリーが、もうリシャールの耳飾りなんていらない――そう思っていた時。
「ああ、耳飾りか。最近はつけてなかったが、またするよ」
「そうなんだ、よかった。耳飾りがあるとリシャールぽいよね!」
多分、アリアナに悪気はないし、彼女は耳飾りの意味をアクセサリーか何かだと勘違いしているのもわかる。でも。
(どうして)
マリーはどうしてまたリシャールがあの物騒な耳飾りをつけようとするのか分からなかった。
そして、マリーは不安を拭えないまま、帰路についた。
二人が帰るころにはすっかり日が沈んでいた。
途中、市場に寄って夕食の食材を買った。
そのあと、家に帰って、マリーの作ったシチューを食べた。
リシャールはその手作りシチューが「とても美味しい」と言って褒めてくれた。
そして夕食の片づけをして、順番にシャワーを浴びて、寝室に向かう。
そのどれもが新婚夫婦の日常のような自然な流れだ。
でもマリーの頭の中では先ほどの耳飾りの話がぐるぐる回っていた。
(どうして殿下はまた耳飾りなんてするの?)
帰路からずっとリシャールは穏やかな顔だった。
マリーの買い物に王子なのに付き合い、食材の値段を比べて鮮度をチェックしたり、買い物袋を持ってくれたり。
家に着いてからも、食事も機嫌がよさそうに食べていた。
リシャールは、本当に自然過ぎるくらい日常に溶け込み、幸せそうだった。
食後はマリーを膝の上に乗せて、「ずっと好きだ」と言って頬に軽くキスをした。
すごく嬉しそうに、微笑んでいた。
それなのに、また自爆用の耳飾りなんてつけるのか。
マリーは、自分の命を軽く扱うリシャールが分からない。
リシャールはこんなにも幸せそうなのに。
自分で人生を終わらせるなんてことを考えているのかと思うと悲しくてたまらない。
マリーは上手く思考が回らないまま、寝室にのろのろと誘導されるように腰に手を回され、階段を上がる。
マリーは、リシャールに促され、寝台に座った。
明りの付いたままの部屋で、マリーの目の前にリシャールの目鼻立ちのよく整った綺麗な顔が近づいてくる。
マリーがとっさに背けようとするも、すぐに顎を掴まれた。
「だ、だめ……っ!」
マリーが息が止まりそうな口付けをされてから見つめたリシャールの顔は青白くて、この世の物と思えないくらい綺麗だった。
「どうした?」
唇が離れたところで、リシャールがかすれた声で呟いた。
シャワーも浴びて寝台にいるのに、今更待かもしれない。
それにマリーはもうリシャールに求められれば、引き離すことなんてできないのだ。それくらい、かなり溺れている。
頭ではダメだと分かっていても、身体は期待して動かないのだ。
しかし、その一方で、耳飾りの事を考えると不安で不安で、いつかリシャールが死んでしまったらどうしよう、怖くてたまらない。
帰宅時からの、平凡な時間を幸せそうに過ごす姿が頭から離れない。
「……殿下、どうして……また、耳飾りをするんですか?」
耳飾りはもう必要がないでしょう、と言いたい。
リシャールはこれからの人生、恋愛に悲観せずにふさわしい妃を見つけて幸せに暮らす。マリーはどこかでそう思い込んでいた。
リシャールは女嫌いが治って、これからマリー以外の女性と出会い素晴らしい恋愛をする。
国を守るためにふさわしい相手と結婚する。
マリーが好きになったリシャールにはその価値がると信じていた。
なのに。
「ああ、あれは目印みたいなものだ」
リシャールは他人事のように、「敵が来たら耳飾りが『的』のようなものだから、いつでも狙えばいい」、と平然と言った。
「恨まれているとは、そういうことだ。だから、外せないんだ」
「それって……どういう」
マリーは言葉を失った。
マリーの気も知らないリシャールは、乱れて頬にかかるマリーの髪を耳にかけてやり、彼女を大切なものを扱うかのように寝台の上で抱えて抱き合う様に膝の上に乗せた。
「浮かない顔だな。それが帰ってからの考え事か」
「だって……」
マリーの耳元に熱い息と色っぽい声がかかる。
「そんなことは今は忘れよう」
それは情事を誘うような、甘い声だった。
国王はアリアナたちを店内に呼んでから、マリーにもおやつとしてマドレーヌを出してくれた。
マリーはすっかり子ども扱いをされてしまい、でも何故かそれがリシャールの父であるためか嬉しく、お言葉に甘えてマドレーヌを頂いた。
少しいびつな形のマドレーヌは美味しかった。
もしかしたらアリアナと一緒に作ったのかもしれない。
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マリーはこの花屋には確かに言葉に表すことができない『幸せ』があるのだと悟った。
国王はどちらかと言うと、無口なリシャールと対照的におしゃべりで陽気な人であった。
非人道的行いを息子に強要したかと思えないくらい明るい、そして気遣いができる人だ。
マリーにも結婚を強要しない。アリアナの生活も尊重して守っている。
どう見ても根っからの悪人には見えないのだ。
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マリーは、国王を変えてしまったきっかけは、狂おしいほどの恋であったのだろうとぼんやり考えた。
国王は自身の身分を忘れさせるかのように、気さくに、次々と話題を提供してくれた。
「昔、リシャールは病弱な時期があってね。今じゃあ、不死身の殿下といわれているけどね。はは」
リシャールにもそんな時期があったのかと思うと意外だった。
どんな子供だったのか想像するだけで楽しいものだ。
マリーは「もしかしたらの世界」想像せずにはいられない。その妄想は、最近の日課かもしれない。
もし二人がもっと早くに出会い、マリーが伯爵令嬢であったら。
自分達は同じ学校の先輩後輩で、仲良くなれたのだろうか。いや、身分が違うから、マリーが遠目にリシャールに憧れていたのかもしれない、と。
(そうだったら、よかったな)
マリーは少しだけ切なくなりながらも、国王の昔話を聞きながら穏やかな時間を過ごした。
そして、リシャールは何も言わずに物静かに黙っているだけだった。もし、リシャールが冷酷非道の行いに手を染めずに、普通の王子様だったら、落ち着いていて静かな人だったのだろう。
時折、リシャールがわずかに口角を上げるのが印象的だった。
談笑を終え、そろそろお暇するときのことだった。
「そういえば、リシャール。最近あの派手な耳飾りしていないのね」
アリアナが素朴な疑問を聞いたのだ。そして彼女はやや残念そうに「あれ、似合っていたのに」と言っていた。
実は、あの問題の耳飾りはニコルの事件時に粉々に割れてしまった。
それ以来、リシャールはトレードマークの魔石を連ねた耳飾りをしていない。
あれはジャン曰く、爆弾のようなエネルギーの塊で、危ない物である。
リシャールは戦でいざとなったら自爆するためのものという話もある。
魔石を使用して魔法を使う必要のないリシャールにとっては全く無価値なものであり、的に耳飾りを狙ってくれと言えわんばかりの大ぶりなものだ。
(あれはもう殿下にとっていらないものだもの)
マリーは、ここ最近のリシャールは人間じみていて、以前のような冷たい印象が薄れ、いざとなったら自分が犠牲になればいいとい自暴自棄な生き方はやめたと思っていた。
リシャールは、結婚にも前向きであり、マリーとの出会いが彼にとって少しでも人生を前向きにとらえられるきっかけになったかと思うと、嬉しく思っていたのだ。
たとえこの出会いは、この恋が実らなくても、意味がある時間を過ごしたと思える。
リシャールは不意に耳元を触った。ピアスの穴は少し小さくなっていた。
マリーが、もうリシャールの耳飾りなんていらない――そう思っていた時。
「ああ、耳飾りか。最近はつけてなかったが、またするよ」
「そうなんだ、よかった。耳飾りがあるとリシャールぽいよね!」
多分、アリアナに悪気はないし、彼女は耳飾りの意味をアクセサリーか何かだと勘違いしているのもわかる。でも。
(どうして)
マリーはどうしてまたリシャールがあの物騒な耳飾りをつけようとするのか分からなかった。
そして、マリーは不安を拭えないまま、帰路についた。
二人が帰るころにはすっかり日が沈んでいた。
途中、市場に寄って夕食の食材を買った。
そのあと、家に帰って、マリーの作ったシチューを食べた。
リシャールはその手作りシチューが「とても美味しい」と言って褒めてくれた。
そして夕食の片づけをして、順番にシャワーを浴びて、寝室に向かう。
そのどれもが新婚夫婦の日常のような自然な流れだ。
でもマリーの頭の中では先ほどの耳飾りの話がぐるぐる回っていた。
(どうして殿下はまた耳飾りなんてするの?)
帰路からずっとリシャールは穏やかな顔だった。
マリーの買い物に王子なのに付き合い、食材の値段を比べて鮮度をチェックしたり、買い物袋を持ってくれたり。
家に着いてからも、食事も機嫌がよさそうに食べていた。
リシャールは、本当に自然過ぎるくらい日常に溶け込み、幸せそうだった。
食後はマリーを膝の上に乗せて、「ずっと好きだ」と言って頬に軽くキスをした。
すごく嬉しそうに、微笑んでいた。
それなのに、また自爆用の耳飾りなんてつけるのか。
マリーは、自分の命を軽く扱うリシャールが分からない。
リシャールはこんなにも幸せそうなのに。
自分で人生を終わらせるなんてことを考えているのかと思うと悲しくてたまらない。
マリーは上手く思考が回らないまま、寝室にのろのろと誘導されるように腰に手を回され、階段を上がる。
マリーは、リシャールに促され、寝台に座った。
明りの付いたままの部屋で、マリーの目の前にリシャールの目鼻立ちのよく整った綺麗な顔が近づいてくる。
マリーがとっさに背けようとするも、すぐに顎を掴まれた。
「だ、だめ……っ!」
マリーが息が止まりそうな口付けをされてから見つめたリシャールの顔は青白くて、この世の物と思えないくらい綺麗だった。
「どうした?」
唇が離れたところで、リシャールがかすれた声で呟いた。
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それにマリーはもうリシャールに求められれば、引き離すことなんてできないのだ。それくらい、かなり溺れている。
頭ではダメだと分かっていても、身体は期待して動かないのだ。
しかし、その一方で、耳飾りの事を考えると不安で不安で、いつかリシャールが死んでしまったらどうしよう、怖くてたまらない。
帰宅時からの、平凡な時間を幸せそうに過ごす姿が頭から離れない。
「……殿下、どうして……また、耳飾りをするんですか?」
耳飾りはもう必要がないでしょう、と言いたい。
リシャールはこれからの人生、恋愛に悲観せずにふさわしい妃を見つけて幸せに暮らす。マリーはどこかでそう思い込んでいた。
リシャールは女嫌いが治って、これからマリー以外の女性と出会い素晴らしい恋愛をする。
国を守るためにふさわしい相手と結婚する。
マリーが好きになったリシャールにはその価値がると信じていた。
なのに。
「ああ、あれは目印みたいなものだ」
リシャールは他人事のように、「敵が来たら耳飾りが『的』のようなものだから、いつでも狙えばいい」、と平然と言った。
「恨まれているとは、そういうことだ。だから、外せないんだ」
「それって……どういう」
マリーは言葉を失った。
マリーの気も知らないリシャールは、乱れて頬にかかるマリーの髪を耳にかけてやり、彼女を大切なものを扱うかのように寝台の上で抱えて抱き合う様に膝の上に乗せた。
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