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修道女と王都と、花と、死者
舞踏会にて⑤
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マリーはものすごく焦っていた。
マリーはこの場において全くと言っていいほど、適切な言葉を用意していなかった。
本音を言えば、令嬢たちにサラが偏った性癖の官能小説を書いているけど『変態』じゃなくて、ちゃんとした『妃殿下』であると納得するような言葉を用意すべきなのだったのだが(それは極めて無理難題で不可能だけど)、マリーにはそれが見つからなかった。
どう考えてもサラの小説は堂々と発表できる部類ではないし、あんな内容を考えつくとは人格を疑うのもごく当たり前だ。
一般的に、どこの国にも、いつの時代にも、滑稽かつキワモノの恋愛物はある。
人間と人語を操る動物が通じたり、腐ってない美しいゾンビに惚れたり、カッコいい色気のある妖怪と交わったり、相手がエイリアン、つまり異星人というのもある。
今一度冷静に、よくよく考えてほしい。
どうやってエイリアンや動物と意思疎通がとれて、恋仲になり、何故交尾が成立するのか謎だ。
まぁどれも最近の流行りでもある。
こういう物語が人の心を惹きつけるのは、ちょっと変わった設定の方が恋愛のスパイスになるのだろう。
小説の恋愛はもはや娯楽目的のファンタジーであり、細かい事はどうでもいいから、見たこともない真新しい設定がいいのだ。
読み手として、楽しいのだ。
でも、だからと言って、イケメンな王子様を裸にして自分で慰める描写を永遠と書いたり、そのモデルが自国の王子というのはかなり危ない品物だ。
不敬罪だ。
間違いない。
それだけは自信を持って言える。
サラは、王子たち、つまりリシャールやテオフィルの知らないところで、紛いなく彼らそっくりな人物描写をして物語を作ったのだ。
サラは彼らの了承もなく、勝手に、人の性器の形や特徴、色、湾曲具合の変化とか、致す時の指の癖とか書いてしまったのだ。
訳の悪いことに実際に見たかのように、正確に。
それ以外にも、見られながらすると興奮するとか、おもちゃみたいにアレを弄ばれたいとか、靴で踏まれたら気持ちよくなるとか、三度の飯より女性を舐めるのが好きすぎて犬扱いとか。とにかくだ。
すごい説得力ある文章で、真実味を帯びてあたかも自国の王子の真相といわんばかりに、真実めいているように書いているからわけ悪い。
だから、マリーは状況をひっくり返す弁解の余地もないまま、焦りだけで考えもなく木陰から一歩踏み出そうした。
(ああ、どうしよう! 庇いたいけど、庇いようがないわっ。でも、サラ様を助けなきゃ……!)
マリーが王都に来てから、サラは教会関係者以外ではじめて友達になった人物なのだ。
その彼女が今人生に関わる重大なピンチに立たされている。
下手したらテオフィルに小説のせいで人格を疑われて離婚、よくて巷に変態妃殿下だと話題になり生涯キワモノ好きの変態だと辱めに遭う未来が待っている。
友人をそんな目に遭わせてはいけない。
サラはただ、ちょっとした出来心で、小説を書いただけなのだ。
内容は破廉恥だったけど、夫がいない部屋でやる事もなく時間を潰す手段が小説で、酔ってふざけて書いたものを侍女が出版して、非現実的浮世離れしていたから売れてしまっただけなのだ。
隣国から嫁いできたのに、夫にほっておかれ、寂しさを酒で紛らわした結果なのだ。
サラは悪くない、とマリーは思う。
マリーはこの場において詳細を知っている自分しか、サラを守ってあげられないと思っていた。
友達ならば、助けてあげなくてはいけない。それが友情というものだ。
「サラ、こんなところに居たの?」
しかし、マリーが一歩踏み出した時に、澄んだ青空のような明るい声が中庭に響いた。
マリーは思わずまたしても立ち止まってしまう。
声の方を見やると、見慣れた綺麗な男が立っていた。
彼は薔薇に囲まれた中庭で、花に負けないほどの存在感がある。
混じり気のない鮮やかな金髪に、アクアマリンのような浅瀬を思わせる瞳、表情はどこまでも柔らかくて、爽やかで好感しか持ち合わせていないような王子様だ。
彼、つまり、サラの夫のテオフィルが人の良さそうな微笑みを浮かべて立っていた。
その場にいるだけで場が華やぐ気がするほど美しい彼は今日も穏やかな表情で辺りを見回した。
「テオフィル殿下……!」
3人の令嬢たちはぱぁっと嬉しそうな顔をしてテオフィルの顔を見た。
悪役が一瞬で無垢な恋する乙女に変わったように頬を赤らめている。
それに比べて、サラは目を見開き、世界の終わりのような青ざめた顔だ。
事態を何も知らないテオフィルがサラに視線を合わせると、サラはあからさまにわけが悪そうに視線を逸らした。
テオフィルはサラが会場から離れた中庭で令嬢たちに囲まれている剣呑な状況で、普通は夫として怪訝な顔をするところだが、やはり彼は平然と曇りけのない爽やかな笑みを浮かべていた。
「探したんだよ。会場にいないから、心配になってさ」
テオフィルの落ち着いた声音が響く。
テオフィルの声もやはりリシャールと兄弟というべきか、種類は違えど、よく辺りに通るいい声だった。
だから、彼の声は木陰にいるマリーにもはっきりと聞こえた。
「なんだか、楽しくお話って感じじゃなさそうだけど、どうしたのかな?」
「……テオ」
サラはいつもと変わらない穏やかなテオフィルの顔を涙混じりに一瞬だけ見て、申し訳なさそうに目を伏せた。
そんなサラに気づいてか、ピンクのドレスを着た令嬢は勝ち誇ったように、にやりと笑った。
ピンクのドレスを着た令嬢は、パチンと、どっかの安っぽい悪役みたいに指を鳴らしてボディーガードと思われる影に控えていた使用人に合図した。
すると、使用人は本を数冊持って、素早く令嬢に渡した。
「殿下、聞いてください。サラ様はこんなものを」
「ん? どうしたんだい、クロエ嬢?」
クロエ嬢、と呼ばれた豚……ではなく、ピンクドレスの男爵令嬢は、テオフィルに言い寄るような甘い声と上目遣いで言った。
そして、例のアレをテオフィルに渡したのだ。
その本の題名は、『眉目秀麗な爽やか王子の後ろの穴に薔薇を刺してみたのに、泣いて喜んでしまった 王子様を泣かせて見ましたシリーズ⑧』で目を背けたくなるタイトルだ。
こんなタイトルの本を本物の王子様であるテオフィルに堂々と渡す令嬢もなかなかのものである。
かなり残酷な行為だと気づいていないようだ。
マリーはあの表紙は最新刊だと悟る。
先週サラに貸してもらった本だ。
赤い背表紙のおしゃれな本だけど、題名がかなり残念な衝撃の問題作シリーズに間違いなかった。
「こんなのもあります」
見ちゃダメ、とマリーは心の中で叫ぶがもう遅い。
次の本は、『私は犬になりたい~種馬なんかと呼ばないで。どうか蔑んだ目で、君の綺麗な足で僕を踏んで下さい。~』
またしてもひどい題名だ。
令嬢は、悪い顔、いや醜い顔で優越に顔を歪め、さらにテオフィルに本を手渡した。
テオフィルは何も言わず、いや言えずに、穏やかな顔でその本を受け取った。
さすが王族というべきか、テオフィルから動揺は感じられず、無言で本を眺めていた。
サラは肩を落とし、諦めたように、一層俯いてしまう。
サラはペンネームで執筆しているし、自分が書いた証拠を提示されるまで認めなくてもいいのに、もうその顔は『私がやりました』と言うような後悔している犯人そのものだった。
サラは正直な人間だから、テオフィルに隠し通そうとか、誤魔化そうと考えていないようだった。
(もう、ダメだわ、こうなったら……!)
友人として、マリーはどんな理由をつけてもサラを弁護しようと飛び出そうとした。
このまま行けば、潔いサラは弁解もしないだろうし、離婚真っしぐらだ。
『私がいかなくては! 』とマリーは地面を踏み締める。
しかし。
「んぐっ……!」
マリーが木陰から出ようとしたとき、後ろから誰かに掴まれ、口を塞がれてしまう。
(だ、誰なの? もしかして、あの令嬢の回し者……?)
マリーはジタバタ体をよじろうとするが、後ろから覆い被されるように身体の自由を奪われ、身動きすらとれない。
(びくともしない……! どうしよう、このままじゃ、サラ様が……)
マリーが何者かに囚われている間にどんどん話が進んでいく。
無言だったテオフィルが令嬢にいつもの穏やかな口調で訊いた。
「……これがどうしたの?」
「サラ様がテオフィル殿下をモデルに破廉恥な小説を書いているんですぅ!」
「最近はテオフィル殿下では飽き足らず、リシャール殿下まで書いているんですよ!」
またしても、沈黙。
中庭は春先だというのに凍りつくような沈黙に包まれた。
しばらくしてテオフィルが無言だった沈黙を破った。
マリーはこの場において全くと言っていいほど、適切な言葉を用意していなかった。
本音を言えば、令嬢たちにサラが偏った性癖の官能小説を書いているけど『変態』じゃなくて、ちゃんとした『妃殿下』であると納得するような言葉を用意すべきなのだったのだが(それは極めて無理難題で不可能だけど)、マリーにはそれが見つからなかった。
どう考えてもサラの小説は堂々と発表できる部類ではないし、あんな内容を考えつくとは人格を疑うのもごく当たり前だ。
一般的に、どこの国にも、いつの時代にも、滑稽かつキワモノの恋愛物はある。
人間と人語を操る動物が通じたり、腐ってない美しいゾンビに惚れたり、カッコいい色気のある妖怪と交わったり、相手がエイリアン、つまり異星人というのもある。
今一度冷静に、よくよく考えてほしい。
どうやってエイリアンや動物と意思疎通がとれて、恋仲になり、何故交尾が成立するのか謎だ。
まぁどれも最近の流行りでもある。
こういう物語が人の心を惹きつけるのは、ちょっと変わった設定の方が恋愛のスパイスになるのだろう。
小説の恋愛はもはや娯楽目的のファンタジーであり、細かい事はどうでもいいから、見たこともない真新しい設定がいいのだ。
読み手として、楽しいのだ。
でも、だからと言って、イケメンな王子様を裸にして自分で慰める描写を永遠と書いたり、そのモデルが自国の王子というのはかなり危ない品物だ。
不敬罪だ。
間違いない。
それだけは自信を持って言える。
サラは、王子たち、つまりリシャールやテオフィルの知らないところで、紛いなく彼らそっくりな人物描写をして物語を作ったのだ。
サラは彼らの了承もなく、勝手に、人の性器の形や特徴、色、湾曲具合の変化とか、致す時の指の癖とか書いてしまったのだ。
訳の悪いことに実際に見たかのように、正確に。
それ以外にも、見られながらすると興奮するとか、おもちゃみたいにアレを弄ばれたいとか、靴で踏まれたら気持ちよくなるとか、三度の飯より女性を舐めるのが好きすぎて犬扱いとか。とにかくだ。
すごい説得力ある文章で、真実味を帯びてあたかも自国の王子の真相といわんばかりに、真実めいているように書いているからわけ悪い。
だから、マリーは状況をひっくり返す弁解の余地もないまま、焦りだけで考えもなく木陰から一歩踏み出そうした。
(ああ、どうしよう! 庇いたいけど、庇いようがないわっ。でも、サラ様を助けなきゃ……!)
マリーが王都に来てから、サラは教会関係者以外ではじめて友達になった人物なのだ。
その彼女が今人生に関わる重大なピンチに立たされている。
下手したらテオフィルに小説のせいで人格を疑われて離婚、よくて巷に変態妃殿下だと話題になり生涯キワモノ好きの変態だと辱めに遭う未来が待っている。
友人をそんな目に遭わせてはいけない。
サラはただ、ちょっとした出来心で、小説を書いただけなのだ。
内容は破廉恥だったけど、夫がいない部屋でやる事もなく時間を潰す手段が小説で、酔ってふざけて書いたものを侍女が出版して、非現実的浮世離れしていたから売れてしまっただけなのだ。
隣国から嫁いできたのに、夫にほっておかれ、寂しさを酒で紛らわした結果なのだ。
サラは悪くない、とマリーは思う。
マリーはこの場において詳細を知っている自分しか、サラを守ってあげられないと思っていた。
友達ならば、助けてあげなくてはいけない。それが友情というものだ。
「サラ、こんなところに居たの?」
しかし、マリーが一歩踏み出した時に、澄んだ青空のような明るい声が中庭に響いた。
マリーは思わずまたしても立ち止まってしまう。
声の方を見やると、見慣れた綺麗な男が立っていた。
彼は薔薇に囲まれた中庭で、花に負けないほどの存在感がある。
混じり気のない鮮やかな金髪に、アクアマリンのような浅瀬を思わせる瞳、表情はどこまでも柔らかくて、爽やかで好感しか持ち合わせていないような王子様だ。
彼、つまり、サラの夫のテオフィルが人の良さそうな微笑みを浮かべて立っていた。
その場にいるだけで場が華やぐ気がするほど美しい彼は今日も穏やかな表情で辺りを見回した。
「テオフィル殿下……!」
3人の令嬢たちはぱぁっと嬉しそうな顔をしてテオフィルの顔を見た。
悪役が一瞬で無垢な恋する乙女に変わったように頬を赤らめている。
それに比べて、サラは目を見開き、世界の終わりのような青ざめた顔だ。
事態を何も知らないテオフィルがサラに視線を合わせると、サラはあからさまにわけが悪そうに視線を逸らした。
テオフィルはサラが会場から離れた中庭で令嬢たちに囲まれている剣呑な状況で、普通は夫として怪訝な顔をするところだが、やはり彼は平然と曇りけのない爽やかな笑みを浮かべていた。
「探したんだよ。会場にいないから、心配になってさ」
テオフィルの落ち着いた声音が響く。
テオフィルの声もやはりリシャールと兄弟というべきか、種類は違えど、よく辺りに通るいい声だった。
だから、彼の声は木陰にいるマリーにもはっきりと聞こえた。
「なんだか、楽しくお話って感じじゃなさそうだけど、どうしたのかな?」
「……テオ」
サラはいつもと変わらない穏やかなテオフィルの顔を涙混じりに一瞬だけ見て、申し訳なさそうに目を伏せた。
そんなサラに気づいてか、ピンクのドレスを着た令嬢は勝ち誇ったように、にやりと笑った。
ピンクのドレスを着た令嬢は、パチンと、どっかの安っぽい悪役みたいに指を鳴らしてボディーガードと思われる影に控えていた使用人に合図した。
すると、使用人は本を数冊持って、素早く令嬢に渡した。
「殿下、聞いてください。サラ様はこんなものを」
「ん? どうしたんだい、クロエ嬢?」
クロエ嬢、と呼ばれた豚……ではなく、ピンクドレスの男爵令嬢は、テオフィルに言い寄るような甘い声と上目遣いで言った。
そして、例のアレをテオフィルに渡したのだ。
その本の題名は、『眉目秀麗な爽やか王子の後ろの穴に薔薇を刺してみたのに、泣いて喜んでしまった 王子様を泣かせて見ましたシリーズ⑧』で目を背けたくなるタイトルだ。
こんなタイトルの本を本物の王子様であるテオフィルに堂々と渡す令嬢もなかなかのものである。
かなり残酷な行為だと気づいていないようだ。
マリーはあの表紙は最新刊だと悟る。
先週サラに貸してもらった本だ。
赤い背表紙のおしゃれな本だけど、題名がかなり残念な衝撃の問題作シリーズに間違いなかった。
「こんなのもあります」
見ちゃダメ、とマリーは心の中で叫ぶがもう遅い。
次の本は、『私は犬になりたい~種馬なんかと呼ばないで。どうか蔑んだ目で、君の綺麗な足で僕を踏んで下さい。~』
またしてもひどい題名だ。
令嬢は、悪い顔、いや醜い顔で優越に顔を歪め、さらにテオフィルに本を手渡した。
テオフィルは何も言わず、いや言えずに、穏やかな顔でその本を受け取った。
さすが王族というべきか、テオフィルから動揺は感じられず、無言で本を眺めていた。
サラは肩を落とし、諦めたように、一層俯いてしまう。
サラはペンネームで執筆しているし、自分が書いた証拠を提示されるまで認めなくてもいいのに、もうその顔は『私がやりました』と言うような後悔している犯人そのものだった。
サラは正直な人間だから、テオフィルに隠し通そうとか、誤魔化そうと考えていないようだった。
(もう、ダメだわ、こうなったら……!)
友人として、マリーはどんな理由をつけてもサラを弁護しようと飛び出そうとした。
このまま行けば、潔いサラは弁解もしないだろうし、離婚真っしぐらだ。
『私がいかなくては! 』とマリーは地面を踏み締める。
しかし。
「んぐっ……!」
マリーが木陰から出ようとしたとき、後ろから誰かに掴まれ、口を塞がれてしまう。
(だ、誰なの? もしかして、あの令嬢の回し者……?)
マリーはジタバタ体をよじろうとするが、後ろから覆い被されるように身体の自由を奪われ、身動きすらとれない。
(びくともしない……! どうしよう、このままじゃ、サラ様が……)
マリーが何者かに囚われている間にどんどん話が進んでいく。
無言だったテオフィルが令嬢にいつもの穏やかな口調で訊いた。
「……これがどうしたの?」
「サラ様がテオフィル殿下をモデルに破廉恥な小説を書いているんですぅ!」
「最近はテオフィル殿下では飽き足らず、リシャール殿下まで書いているんですよ!」
またしても、沈黙。
中庭は春先だというのに凍りつくような沈黙に包まれた。
しばらくしてテオフィルが無言だった沈黙を破った。
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