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修道女、姫の護衛をする
婚約者の訪問①
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リシャールは平然としていた。
見る人が違えば、整いすぎて、冷たそうな顔だ。
冷血と言う言葉が似合う、いつもの様な表情という表情を抜け落とした無表情だ。
マリーはリシャールの執拗な、上から下まで確認するような視線に囚われてしまい、見返すしかできない。
リシャールは、突然現れたと思えば、じろじろとマリーを観察してくる。
奇異な状況だ。
マリーは何も彼に対して、後ろめたいことなどないのに、その視線は何かを語っている。
まるで、『私に言うことはないのか?』と言っているようだ。
「で、殿下……?」
「そんなに私を見つめてどうした?」
マリーをずっと見つめていたのはリシャールの方だ。
マリーは見返しただけなのに、図星だと思ったのか、リシャールはすこし嬉しそうに口元だけで笑う。
本当に微かな表情の変化だ。
たぶん、サラは気づかないだろう。
「……私の事、大切な婚約者殿って言いました?」
「ああ、貴様以外誰がいる。他にいたら教えてほしいものだな。後にも先にも貴様だけなのに、失礼な話だ」
「だって……」
マリーは、いつも不遜な態度で彼女を小馬鹿にしてくるリシャールに『大切な婚約者』とはっきり言われて、慣れない言葉に動揺した。
たった一言で、なんて自分はちょろいんだろう。
胸がどきどきする。
彼は際どいことは時たまするけれど、あまり人を褒めたり、愛する言葉は言わないから。
物語のヒロインのように、ちょろくならないと心に誓っているのに、身体は正直だ。
夜だからだろうか。変に意識してしまう。
「私の部屋には来てくれないのに、サラ姫の部屋なら泊まるんだな」
「これは仕事で……」
「ああ、そうだったな。凝りずに、護衛の仕事なんてして。いつも働かなくてもいいと言っているだろう?」
「いえ、殿下の財産は頂けません」
「首を縦に振れば、不自由のない生活ができるのに、何が不満だ? 言ってみろ」
「不満はないんですけど……」
「あの、お二人様。わたくしもいるのですけど……しかもここ、わたくしの部屋なんですけど」
マリーははっとする。
今は不毛な会話をしている場合ではないのだ。
いつもはなかなか聞けない素直な言葉に嬉しく思ったのは事実ではあるが、今はそれどころではない。
恥ずかしがって、顔を赤らめている場合ではないのだ。問題は何より。
(殿下はなぜここに? )
マリーは目を疑った。
服装は日中と同じだったため、先ほどまで仕事をしていたのかもしれない。
時刻はもう24時。
王城にいる人間も夜勤者を除いて限られてくる真夜中。
常日頃からリシャールは仕事中毒である為、公務が終わってからも執務室にこもり仕事をしている時間だ。
彼がもう寝ているということはないにせよ、突然の訪問、しかもサラの許可もなく自室にいるこの状況はいささか問題がある。
サラは訝し気にリシャールを見ているのだから、呼んだわけでもないようだ。
リシャールは突然の訪問について説明するわけでも、弁解するわけでもなく、おもむろに立ち上がり、しれっとした顔でマリーを見下ろした。
「貴様、そんな服持っていたか?」
「え?」
リシャールは納得いかないのか、首をやや傾げていた。
(え? 義理の妹とはいえ、突然、深夜に女性の部屋に無断侵入して、護衛を消しておいて、何を言い出すかと思えば……大切なのはそこ?)
リシャールから出てきた言葉はマリーの服装についてだった。
もちろん、これは下着も含めてマリーの服ではない。
サラが一式貸してくれたものである。
ただでさえ護衛のために武器を購入したため金欠で、こんな高級なガウンなんて、下っ端修道女に購入できるわけないのだから。
「そのガウン」
「このガウンがどうされましたか……?」
「私は買った覚えがないし、貴様の持ち物でもないはずなのだが……」
「「……」」
マリーとサラは呆気に取られていた。
一瞬、怪しい人物を発見し居間に駆け込んだことを忘れるほど、インパクトがあった。
そうだ。これらはリシャールが買ったものじゃないのだ。
なんでそんな事を疑問そうに訊いてくるのだろう。
マリーだって、リシャールが買ったものしか着ないわけでもないし。
彼の知らない服に何の問題があるのだろうか。
だいたい、以前から持っている服も把握しているところが怖い。
持ち物チェックしているのか、君は。
でも、さすが、リシャールだ。王族だ。先ほどまでの緊迫した雰囲気を一掃している。一味違う。
妙な安心感すらあるのはなぜだろうか。
「これはサラ様に貸してもらったのです。それより、殿下。なぜ、ここに? 護衛の方々はどこに行かれたのでしょう?」
マリーは不思議に思い、問う。
誰かが窓から見える中庭からこちらを伺っていたので、急いで護衛の元に移動したというのに、居間には誰も居ない。
居るのは場違いな、マリーの婚約者のリシャールのみだ。
「護衛は邪魔だから下がらせた」
「邪魔って……」
テオフィルが選りすぐりの護衛を用意してくれたと言うのに、邪魔とはなんだ。
サラは数日前から、ストーカーじみた手紙を送られており、いつ犯人がサラを攫いにやって来るか分からない。
しかも、現に怪しい人物がずっとこちらを監視していたのだ。
(どうして私の邪魔ばかりするの?)
マリーは言葉をなくす。
リシャールはいつもマリーの仕事の邪魔ばかりする。
せっかく身分を偽り、令嬢として社交界デビューしたのに、リシャールに邪魔されて、夜会に参加できず、人脈は増えず、潜入捜査に支障が出ている。
任務の成果が出ないのはリシャールのせいだけではないのだが、彼はいろいろしでかしている。
マリーの仕事仲間に嫉妬し、病院送りにした事もあった(ジャンの事)。マリーの仕事仲間を半ば強制解雇しようとしたり(フレッドの事)。
最近では王族の職権乱用で戸籍操作を行い、マリーと婚約した(書類上)。
よって、マリーは昇進試験を兼ねたこの任務において今のところ手柄はない。それどころか、リシャールと結婚させられそうで、無事に修道院に帰れるかすら不確かなのが現状だ。
今日に関しては、サラの護衛はマリーだけになってしまったのだ。
今日も絶好調に仕事の邪魔をしてくれた。
リシャールはどれだけマリーの仕事を邪魔すれば気が済むのだろう。
(もし、さっきの人が犯人で、サラ様に何かあったらどうするつもりなの?)
さすがのマリーでも怒りが込み上げてきた。
今回はサラの身の安全がかかっているのだ。
「殿下! あなた、何をしているか分かっているんですか。いくら王族で好き勝手出来るからって……!」
「貴様がまだ城に居るみたいだったから、仕事を終わらせて会いに来たのに、その態度はなんだ。反抗期か」
「反抗期? 私は殿下に育てられた覚えはありません。話なら、昼間にしてください。どうせ、毎日ご飯一緒に食べているじゃないですか。今日は私も忙しいのです!」
「別にこんな時間に、話なんかしたいわけじゃないのだが」
「……じゃあ、なんですか?」
マリーはきっ、とリシャールを睨んだ。
だが、リシャールには全然効果がなく、相変わらず澄ました顔をして、マリーの気持ちなんてお構いなしのようだ。
「ああ。やっぱり分からないのだな。別に期待などしていないから、気にするな。最近は拷問みたいな貴様の亀ペースにも前向きに付き合おうかな、と検討すらしているくらい私は寛大だ」
「殿下、ふざけてません? 何が寛大なんでしょうか。サッパリわかりません。私は仕事中なんですよ。……さっき、窓から怪しい人物がサラ様の部屋を見ていて、闇に消えたそうなんです」
「人間が闇に消えるわけないだろう」
「だから、幻覚か古代魔法の類でしょう! 危険なんです!」
マリーは真剣なのに、リシャールはふふっと笑っていた。
見る人が違えば、整いすぎて、冷たそうな顔だ。
冷血と言う言葉が似合う、いつもの様な表情という表情を抜け落とした無表情だ。
マリーはリシャールの執拗な、上から下まで確認するような視線に囚われてしまい、見返すしかできない。
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奇異な状況だ。
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たぶん、サラは気づかないだろう。
「……私の事、大切な婚約者殿って言いました?」
「ああ、貴様以外誰がいる。他にいたら教えてほしいものだな。後にも先にも貴様だけなのに、失礼な話だ」
「だって……」
マリーは、いつも不遜な態度で彼女を小馬鹿にしてくるリシャールに『大切な婚約者』とはっきり言われて、慣れない言葉に動揺した。
たった一言で、なんて自分はちょろいんだろう。
胸がどきどきする。
彼は際どいことは時たまするけれど、あまり人を褒めたり、愛する言葉は言わないから。
物語のヒロインのように、ちょろくならないと心に誓っているのに、身体は正直だ。
夜だからだろうか。変に意識してしまう。
「私の部屋には来てくれないのに、サラ姫の部屋なら泊まるんだな」
「これは仕事で……」
「ああ、そうだったな。凝りずに、護衛の仕事なんてして。いつも働かなくてもいいと言っているだろう?」
「いえ、殿下の財産は頂けません」
「首を縦に振れば、不自由のない生活ができるのに、何が不満だ? 言ってみろ」
「不満はないんですけど……」
「あの、お二人様。わたくしもいるのですけど……しかもここ、わたくしの部屋なんですけど」
マリーははっとする。
今は不毛な会話をしている場合ではないのだ。
いつもはなかなか聞けない素直な言葉に嬉しく思ったのは事実ではあるが、今はそれどころではない。
恥ずかしがって、顔を赤らめている場合ではないのだ。問題は何より。
(殿下はなぜここに? )
マリーは目を疑った。
服装は日中と同じだったため、先ほどまで仕事をしていたのかもしれない。
時刻はもう24時。
王城にいる人間も夜勤者を除いて限られてくる真夜中。
常日頃からリシャールは仕事中毒である為、公務が終わってからも執務室にこもり仕事をしている時間だ。
彼がもう寝ているということはないにせよ、突然の訪問、しかもサラの許可もなく自室にいるこの状況はいささか問題がある。
サラは訝し気にリシャールを見ているのだから、呼んだわけでもないようだ。
リシャールは突然の訪問について説明するわけでも、弁解するわけでもなく、おもむろに立ち上がり、しれっとした顔でマリーを見下ろした。
「貴様、そんな服持っていたか?」
「え?」
リシャールは納得いかないのか、首をやや傾げていた。
(え? 義理の妹とはいえ、突然、深夜に女性の部屋に無断侵入して、護衛を消しておいて、何を言い出すかと思えば……大切なのはそこ?)
リシャールから出てきた言葉はマリーの服装についてだった。
もちろん、これは下着も含めてマリーの服ではない。
サラが一式貸してくれたものである。
ただでさえ護衛のために武器を購入したため金欠で、こんな高級なガウンなんて、下っ端修道女に購入できるわけないのだから。
「そのガウン」
「このガウンがどうされましたか……?」
「私は買った覚えがないし、貴様の持ち物でもないはずなのだが……」
「「……」」
マリーとサラは呆気に取られていた。
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そうだ。これらはリシャールが買ったものじゃないのだ。
なんでそんな事を疑問そうに訊いてくるのだろう。
マリーだって、リシャールが買ったものしか着ないわけでもないし。
彼の知らない服に何の問題があるのだろうか。
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でも、さすが、リシャールだ。王族だ。先ほどまでの緊迫した雰囲気を一掃している。一味違う。
妙な安心感すらあるのはなぜだろうか。
「これはサラ様に貸してもらったのです。それより、殿下。なぜ、ここに? 護衛の方々はどこに行かれたのでしょう?」
マリーは不思議に思い、問う。
誰かが窓から見える中庭からこちらを伺っていたので、急いで護衛の元に移動したというのに、居間には誰も居ない。
居るのは場違いな、マリーの婚約者のリシャールのみだ。
「護衛は邪魔だから下がらせた」
「邪魔って……」
テオフィルが選りすぐりの護衛を用意してくれたと言うのに、邪魔とはなんだ。
サラは数日前から、ストーカーじみた手紙を送られており、いつ犯人がサラを攫いにやって来るか分からない。
しかも、現に怪しい人物がずっとこちらを監視していたのだ。
(どうして私の邪魔ばかりするの?)
マリーは言葉をなくす。
リシャールはいつもマリーの仕事の邪魔ばかりする。
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任務の成果が出ないのはリシャールのせいだけではないのだが、彼はいろいろしでかしている。
マリーの仕事仲間に嫉妬し、病院送りにした事もあった(ジャンの事)。マリーの仕事仲間を半ば強制解雇しようとしたり(フレッドの事)。
最近では王族の職権乱用で戸籍操作を行い、マリーと婚約した(書類上)。
よって、マリーは昇進試験を兼ねたこの任務において今のところ手柄はない。それどころか、リシャールと結婚させられそうで、無事に修道院に帰れるかすら不確かなのが現状だ。
今日に関しては、サラの護衛はマリーだけになってしまったのだ。
今日も絶好調に仕事の邪魔をしてくれた。
リシャールはどれだけマリーの仕事を邪魔すれば気が済むのだろう。
(もし、さっきの人が犯人で、サラ様に何かあったらどうするつもりなの?)
さすがのマリーでも怒りが込み上げてきた。
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「殿下! あなた、何をしているか分かっているんですか。いくら王族で好き勝手出来るからって……!」
「貴様がまだ城に居るみたいだったから、仕事を終わらせて会いに来たのに、その態度はなんだ。反抗期か」
「反抗期? 私は殿下に育てられた覚えはありません。話なら、昼間にしてください。どうせ、毎日ご飯一緒に食べているじゃないですか。今日は私も忙しいのです!」
「別にこんな時間に、話なんかしたいわけじゃないのだが」
「……じゃあ、なんですか?」
マリーはきっ、とリシャールを睨んだ。
だが、リシャールには全然効果がなく、相変わらず澄ました顔をして、マリーの気持ちなんてお構いなしのようだ。
「ああ。やっぱり分からないのだな。別に期待などしていないから、気にするな。最近は拷問みたいな貴様の亀ペースにも前向きに付き合おうかな、と検討すらしているくらい私は寛大だ」
「殿下、ふざけてません? 何が寛大なんでしょうか。サッパリわかりません。私は仕事中なんですよ。……さっき、窓から怪しい人物がサラ様の部屋を見ていて、闇に消えたそうなんです」
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