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修道女、平民街で暮らす
僕の修道女を返して下さい。②
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「ねぇ、そういや、ユートゥルナ様は?」
「庭でお昼寝中」
それだけ聞いて、フレッドは名残惜しい気持ちになりながらも、マリアと離れ、庭の木の木陰で本を目隠しにして横たわるユートゥルナに声をかけた。
「ただいま、帰ったよー。神様」
フレッドがしゃがみ込み目隠しの本をそーっと取ると、黒よりも美しい群青の髪の青年が神秘的な金瞳を開けて真顔だった。
全然寝てないじゃないか。
しかも、ちょっと怖い。
「起きてんじゃん、神様」
「やぁ、アルフレッド。起きてるに決まっているだろう? 僕は君の報告ずーっと待っていたんだからね」
「いや、おれとしても早く報告したいって気持ちがありつつも、いろいろややこしい状況でして。手紙でも伝えたんですけどね」
「あのバカげた手紙かい?」
ユートゥルナはおもむろに起き上がり、肩膝を抱えて座った。
服装はラフなシャツとズボンで、平民風。誰も神様なんて思わない。
20代半ばの青年か、学校を出たばかりの初々しい好青年に見えるくらいだった。
確かにフレッドはユートゥルナに王都の仕事の経過や昇進試験中のマリーについては正確に報告している。
マリーに対する内容はこんな感じだ。
『マリー部屋に離宮に連れ込まれるも、逃亡成功。無事確認済み。事件の犯人より凶悪なため、以後経過観察』
『マリー社交界に馴染むも、サロン以外の夜会参加邪魔が入り断念。犯人確定済み。以後経過観察中』
『マリー監禁されそうになるが逃亡成功。以後、拠点を平民街に移す』
『マリー未だに成果なし。点数なし。娼館潜入するも、邪魔が入り断念』
手紙の内容は、重要な主語が抜けている。
フレッドは怖くて、『誰が』マリーを連れ込んだり、『誰が』邪魔したとか書いていない。
そっちも彼の上司だった。つまり、リシャール。
中間管理職はつらい。いや、違うな。掛け持ちバイトというべきか。
ユートゥルナは明らかにイラついている。
珍しく鬱々な顔だった。
フレッドは、ユートゥルナがマリーの事をどういう目で見ているか知っていた。ずいぶん前から気づいていたし、彼が彼女の事を大切に思い、本当に心配しているのもわかる。ユートゥナは、マリーにとって兄の様な気持ちもあるのだ。
マリーが修道院に来て13年。想うには、十分すぎる時間があったのだ。
ユートゥナ的には、今回の転生は本来『女神』でありながらも、男に生まれて、いろいろ思う事が有るらしい。
そんなときにマリーには助けてもらい、彼女がかけがえのない人になったと。
そりゃ、20代半ばの生身の男。
かけがえのない女の子に抱く気持ちなんて馬鹿でもわかる。
恋人にしたい。抱きたい。それに尽きる。
ずっといろいろ我慢に我慢を重ねていたのに、他の男に取られたらたまったもんじゃない。
ユートゥルナにとって、マリーが仕事が出来るとか能力があるとかそんなことどうでもいいのだ。
だから、今まで仕事を全く任せてこなくて、マリーはますます落ちぶれた。
それがかわいそうで、フレッドはユートゥナに昇進試験をするように頼んだのだ。
難しい試験をパスしたなら、修道院で認められ、彼女もやっと一人前になれるだろう。
身勝手な神様のせいで、立派な修道女の夢を壊すのはかわいそうだったからだ。
マリーは抜けているが、魔法が全然使えないわけでもないし、自分がフォローすればなんとかなると思っていた。
ユートゥルナのかわいい子にはつらい思いをさせたくない気持ちもわかるが、縛り付けるのは男の勝手な思いに過ぎない。
それが生きている生身の、切実な恋心が絡んでいても、ダメだとフレッドは思っている。
好きなら振り向かせればいいのに、それでも彼は立場上無理矢理関係を進める事もせず、辛抱強く、待った。愛も伝えず、愛情深く。
ユートゥルナは『女神』と知れ渡っている身であり、必要最低限の身近な者にしか『実は男に転生した』と明かさず、影武者を立てている彼が、女好きのジャンにはしっかり身分を明かし、マリーに手を出さない様忠告したくらいだ。
かなり深く、惚れている、のだと思う。
「ねぇ、王都の新聞も送られてきたんだけど、このブラン侯爵って、マリーの派遣先のブラン侯爵だよね? あの夫婦って子供居たっけ? なんかさ、手紙には書いてないから、マリーの事じゃないと思うんだけど、ブラン侯爵の娘は氷華と婚約したって書いてあるじゃないか」
「いや、もう、書いてある通りですよ」
ははは。
フレッドは愛想らしく笑う。笑うしかない。
さすがにマリーがリシャールにはめられて婚約しているなんて手紙にかけず、だからと言って嘘も言えず、新聞を同封したのだ。
「世の中、同姓同名ってあるのかな。マリーならいっぱいいるけど、ローゼってそんなにいるのかな」
「いや、ローゼは薔薇だし王都にちなんで珍しくはない名前だとは思いますけど……」
「さっきから歯切れが悪いね。ん? フレッド。まさか、まさかマリーじゃないよね、違うよね、えっ?マリーなの?」
ユートルナ様はどこか抜けている。
普通はすぐわかるだろう。
ブラン侯爵も侯爵だし、王都にはたくさんブラン侯爵がいるわけない。一件だけだ。
もしろん、ブラン侯爵夫妻に子供もいないし。
ブラン侯爵のところにいるローゼは一人だけに決まってる。
いや、ユートゥルナは薄々気づいているが、認めたくなかったのかもしれない。
「はい」
正直に述べた。
嘘ついてもいい事なんてないし。
ユートルナはがばって起き上がって、同封した新聞をビリビリ破り、近くに散乱していた本を拾い、地面に投げつけた。八つ当たりだ。どこに向けたらいいか分からないやるせない思い、というやつだろう、たぶん。
「なんでマリーがあんな変人凶悪鬼畜殿下と結婚なのさ!」
フレッドは襟を掴まれこれでもかっと、ぶんぶん揺さぶられる。視界が揺れる。
「いや、どこから、話せばいいでしょうか。出会いは古い教会で、雨がザーザー降るドラマチックな日でした。交際の進展具合はーー」
「そんなこと聞いていない! 聞きたくもないわ!」
「え、いいんですか? 結構これが面白いんだなぁ。昼間からキスもしないくせに如何わしい行為を」
「あー! うるさいっ、フレッド! 口を慎みたまえ!」
「あははは」
フレッドは半ばヤケだった。
もう首な気がする。
マリーの前に自分が先に解雇だ。
ユートゥルナと一悶着後、彼はフレッドを離し、額に手を当てて、やるせない声で呟いた。
「フレッド……任務の区切りのいいところで、マリーを連れて帰って来てよ」
どうせ、今すぐ解決できるような事件ではない、代わりの修道女も派遣するし、今回は昇進試験の割に難しい案件だったから別の試験を用意する、とユートルナは付け加えて言った。
「引き上げたいのは山々ですが……」
「氷華のことかい? 彼には一度直接会いたいね、是非。マリー事以外にも不可解な彼についてじっくり調べたいよ。……まぁ、僕はここを離れられないから、会いには行けないけど」
一息ついてユートゥルナははっきりと言う。
「時が来て、マリーが帰ってきたら彼には生涯会わずつもりはないよ」
そう言えば、フレッドは思い出す。
マリーには瞳と髪以外に特別な魔法がかけてあると。
個人を特定できない魔法だ。
以前からマリーを知っていたフレッドや学友のジャンは『本物の彼女』が知るから魔法は効かないが、リシャールは最近出会ったから多分もう彼女を見つけられない。
なにせ、神様がかけた魔法なのだから、世界で一番協力なのだ。
「マリーは僕の修道女だよ。今も昔もこれからも」
ユートゥルナは瞬きもしない間に氷魔法で新聞を凍らせ、バラバラに砕いた。
破片すら残らない。一瞬の出来事だった。
「うわっ……相変わらず、すごいね」
フレッドは鮮やか過ぎる魔法に目を開いた。
ユートゥルナが本気になれば人間なんてあっという間にあの世行きだ。
リシャールも氷魔法が得意だが、実のところ氷魔法は本来女神が王族に与えたものなのだ。
だから、当然の事ながら、神は魔道具を使わずに氷魔法が使えるし、その他の魔法もずば抜けている。
それに、神の魔法は古代から伝わる魔法の起源だ。
そもそも人間が神の真似事をして魔道具を作ったのだから、神の魔法は本物であり、強力で、到底誰も太刀打ちできないのだ。
ユートゥルナという存在は、まさに人間とは違う、生き神だ。
そんな畏れ多い神様は、とても憤慨していた。
「庭でお昼寝中」
それだけ聞いて、フレッドは名残惜しい気持ちになりながらも、マリアと離れ、庭の木の木陰で本を目隠しにして横たわるユートゥルナに声をかけた。
「ただいま、帰ったよー。神様」
フレッドがしゃがみ込み目隠しの本をそーっと取ると、黒よりも美しい群青の髪の青年が神秘的な金瞳を開けて真顔だった。
全然寝てないじゃないか。
しかも、ちょっと怖い。
「起きてんじゃん、神様」
「やぁ、アルフレッド。起きてるに決まっているだろう? 僕は君の報告ずーっと待っていたんだからね」
「いや、おれとしても早く報告したいって気持ちがありつつも、いろいろややこしい状況でして。手紙でも伝えたんですけどね」
「あのバカげた手紙かい?」
ユートゥルナはおもむろに起き上がり、肩膝を抱えて座った。
服装はラフなシャツとズボンで、平民風。誰も神様なんて思わない。
20代半ばの青年か、学校を出たばかりの初々しい好青年に見えるくらいだった。
確かにフレッドはユートゥルナに王都の仕事の経過や昇進試験中のマリーについては正確に報告している。
マリーに対する内容はこんな感じだ。
『マリー部屋に離宮に連れ込まれるも、逃亡成功。無事確認済み。事件の犯人より凶悪なため、以後経過観察』
『マリー社交界に馴染むも、サロン以外の夜会参加邪魔が入り断念。犯人確定済み。以後経過観察中』
『マリー監禁されそうになるが逃亡成功。以後、拠点を平民街に移す』
『マリー未だに成果なし。点数なし。娼館潜入するも、邪魔が入り断念』
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フレッドは怖くて、『誰が』マリーを連れ込んだり、『誰が』邪魔したとか書いていない。
そっちも彼の上司だった。つまり、リシャール。
中間管理職はつらい。いや、違うな。掛け持ちバイトというべきか。
ユートゥルナは明らかにイラついている。
珍しく鬱々な顔だった。
フレッドは、ユートゥルナがマリーの事をどういう目で見ているか知っていた。ずいぶん前から気づいていたし、彼が彼女の事を大切に思い、本当に心配しているのもわかる。ユートゥナは、マリーにとって兄の様な気持ちもあるのだ。
マリーが修道院に来て13年。想うには、十分すぎる時間があったのだ。
ユートゥナ的には、今回の転生は本来『女神』でありながらも、男に生まれて、いろいろ思う事が有るらしい。
そんなときにマリーには助けてもらい、彼女がかけがえのない人になったと。
そりゃ、20代半ばの生身の男。
かけがえのない女の子に抱く気持ちなんて馬鹿でもわかる。
恋人にしたい。抱きたい。それに尽きる。
ずっといろいろ我慢に我慢を重ねていたのに、他の男に取られたらたまったもんじゃない。
ユートゥルナにとって、マリーが仕事が出来るとか能力があるとかそんなことどうでもいいのだ。
だから、今まで仕事を全く任せてこなくて、マリーはますます落ちぶれた。
それがかわいそうで、フレッドはユートゥナに昇進試験をするように頼んだのだ。
難しい試験をパスしたなら、修道院で認められ、彼女もやっと一人前になれるだろう。
身勝手な神様のせいで、立派な修道女の夢を壊すのはかわいそうだったからだ。
マリーは抜けているが、魔法が全然使えないわけでもないし、自分がフォローすればなんとかなると思っていた。
ユートゥルナのかわいい子にはつらい思いをさせたくない気持ちもわかるが、縛り付けるのは男の勝手な思いに過ぎない。
それが生きている生身の、切実な恋心が絡んでいても、ダメだとフレッドは思っている。
好きなら振り向かせればいいのに、それでも彼は立場上無理矢理関係を進める事もせず、辛抱強く、待った。愛も伝えず、愛情深く。
ユートゥルナは『女神』と知れ渡っている身であり、必要最低限の身近な者にしか『実は男に転生した』と明かさず、影武者を立てている彼が、女好きのジャンにはしっかり身分を明かし、マリーに手を出さない様忠告したくらいだ。
かなり深く、惚れている、のだと思う。
「ねぇ、王都の新聞も送られてきたんだけど、このブラン侯爵って、マリーの派遣先のブラン侯爵だよね? あの夫婦って子供居たっけ? なんかさ、手紙には書いてないから、マリーの事じゃないと思うんだけど、ブラン侯爵の娘は氷華と婚約したって書いてあるじゃないか」
「いや、もう、書いてある通りですよ」
ははは。
フレッドは愛想らしく笑う。笑うしかない。
さすがにマリーがリシャールにはめられて婚約しているなんて手紙にかけず、だからと言って嘘も言えず、新聞を同封したのだ。
「世の中、同姓同名ってあるのかな。マリーならいっぱいいるけど、ローゼってそんなにいるのかな」
「いや、ローゼは薔薇だし王都にちなんで珍しくはない名前だとは思いますけど……」
「さっきから歯切れが悪いね。ん? フレッド。まさか、まさかマリーじゃないよね、違うよね、えっ?マリーなの?」
ユートルナ様はどこか抜けている。
普通はすぐわかるだろう。
ブラン侯爵も侯爵だし、王都にはたくさんブラン侯爵がいるわけない。一件だけだ。
もしろん、ブラン侯爵夫妻に子供もいないし。
ブラン侯爵のところにいるローゼは一人だけに決まってる。
いや、ユートゥルナは薄々気づいているが、認めたくなかったのかもしれない。
「はい」
正直に述べた。
嘘ついてもいい事なんてないし。
ユートルナはがばって起き上がって、同封した新聞をビリビリ破り、近くに散乱していた本を拾い、地面に投げつけた。八つ当たりだ。どこに向けたらいいか分からないやるせない思い、というやつだろう、たぶん。
「なんでマリーがあんな変人凶悪鬼畜殿下と結婚なのさ!」
フレッドは襟を掴まれこれでもかっと、ぶんぶん揺さぶられる。視界が揺れる。
「いや、どこから、話せばいいでしょうか。出会いは古い教会で、雨がザーザー降るドラマチックな日でした。交際の進展具合はーー」
「そんなこと聞いていない! 聞きたくもないわ!」
「え、いいんですか? 結構これが面白いんだなぁ。昼間からキスもしないくせに如何わしい行為を」
「あー! うるさいっ、フレッド! 口を慎みたまえ!」
「あははは」
フレッドは半ばヤケだった。
もう首な気がする。
マリーの前に自分が先に解雇だ。
ユートゥルナと一悶着後、彼はフレッドを離し、額に手を当てて、やるせない声で呟いた。
「フレッド……任務の区切りのいいところで、マリーを連れて帰って来てよ」
どうせ、今すぐ解決できるような事件ではない、代わりの修道女も派遣するし、今回は昇進試験の割に難しい案件だったから別の試験を用意する、とユートルナは付け加えて言った。
「引き上げたいのは山々ですが……」
「氷華のことかい? 彼には一度直接会いたいね、是非。マリー事以外にも不可解な彼についてじっくり調べたいよ。……まぁ、僕はここを離れられないから、会いには行けないけど」
一息ついてユートゥルナははっきりと言う。
「時が来て、マリーが帰ってきたら彼には生涯会わずつもりはないよ」
そう言えば、フレッドは思い出す。
マリーには瞳と髪以外に特別な魔法がかけてあると。
個人を特定できない魔法だ。
以前からマリーを知っていたフレッドや学友のジャンは『本物の彼女』が知るから魔法は効かないが、リシャールは最近出会ったから多分もう彼女を見つけられない。
なにせ、神様がかけた魔法なのだから、世界で一番協力なのだ。
「マリーは僕の修道女だよ。今も昔もこれからも」
ユートゥルナは瞬きもしない間に氷魔法で新聞を凍らせ、バラバラに砕いた。
破片すら残らない。一瞬の出来事だった。
「うわっ……相変わらず、すごいね」
フレッドは鮮やか過ぎる魔法に目を開いた。
ユートゥルナが本気になれば人間なんてあっという間にあの世行きだ。
リシャールも氷魔法が得意だが、実のところ氷魔法は本来女神が王族に与えたものなのだ。
だから、当然の事ながら、神は魔道具を使わずに氷魔法が使えるし、その他の魔法もずば抜けている。
それに、神の魔法は古代から伝わる魔法の起源だ。
そもそも人間が神の真似事をして魔道具を作ったのだから、神の魔法は本物であり、強力で、到底誰も太刀打ちできないのだ。
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