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冷酷非情な王子と修道女、恋人ごっこをする
彼女と私の色②
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「クロワッサンとバターロール、どちらが好きですか?」
四月中旬。
古ぼけた教会の昼下がり。
彼女とリシャールは向かい合って座り、遅めの昼食を摂っていた。
今日の昼食は、彼女の作ったブルーベリーベーグル、野菜と卵のサンドイッチ、彼女が王都に来てから仲良くなったと言う村人の畑で取れたグレープフルーツ、飲み物はシンプルなアールグレイの紅茶だ。
「クロワッサン」
突然の問いかけにリシャールは考えるまでもなく答えた。
すると、彼女はまるであたりだと言わんばかりの笑顔で笑った。
子どもが簡単なクイズを当てたような純粋な笑顔だった。
「私と同じですね、私もクロワッサン派です! ふわふわで大好きです。朝からいくつでも食べれます。バターが多くて、カロリーが高いので食べすぎ注意ですが」
「それはバターロールも同じだろう」
「そうでした」
彼女はリシャールのカップに追加の紅茶を注いだ。
そしてまた質問がはじまる。
「じゃあ、サンドイッチとベーグルは?」
「……ベーグル」
「私もベーグルです。もちもちした感じが好きです! 卵やバターを使わないし、ヘルシーですし。サンドイッチも好きですが、ベーグルの方が食べ応えがあるといいますか」
「……」
内容がない、どうでもいい会話。
ただ、些細な好みの一致が続くだけ。
リシャールは彼女が一体何を聞きたいのか不明だったが、不思議と気分が悪くなかった。
「色は何色が好きですか?私は……」
「「青」」
二人の声が合わさった。
彼女は実に楽しそうに、けらけらと声に出して笑った。
天気の悪い昼下がり。
雨音がまた強くなってきている。
彼女のカップが空になっていたので、今度はリシャールが紅茶を注いだ。
リシャールは彼女の好きなミルクと砂糖を入れて混ぜてから渡した。
彼女は『有難うございます』、と毎度ながら律儀にお礼を言って受け取った。
「貴様は何を言い出すかと思えば、パンの好みとか、色が好きとか、何が言いたいんだ?」
「単に知りたいだけです。内容が全くない話ですいませんね。でも、何が好きかとかって大事だと思いませんか?」
リシャールの好みを知ったところで彼女に何か得でもあるのだろうか。
リシャールは紅茶を飲みながら訝しげに問う。
昼食のパンはもうすべて食べてしまい、残りはグレープフルーツだけだった。
「好みって、どんなふうに日々を感じているかが滲み出てくるんですよ。だから、殿下がどんな色合いの世界を生きているか知りたくなるんです。まぁ、……色に例えるのは私が絵を描いているからですけど」
「色って重要か?」
「大切ですよ。同じ景色でも、配色で全く違った絵になります。世界の見え方も人それぞれです。殿下がどう見えているか気になりまして、聞いてみました」
そして、極め付けにすごくうれしそうに言うのだ。
「私と好みが似てますね」
リシャールは色の好みなど考えたことがなかった。
真っ白は虚無で、真っ黒は闇の中、白黒は味気ない。
時々加わる赤は鉄の香がするだけ。
だから、何気ない空の青は好きかもしれない。
「私も青が好きです」
彼女は、見惚れるような顔でリシャールを見上げて、愛らしく囁いた。
「空の青も、海の青も。……一番好きなのは殿下の瞳の青」
彼女といると、リシャールの世界にいつもは顔を出さない青が濃く出る。
雨上がりの青空、青い蝶、普段は滅多に作らない青めいた硝子細工。
「それは何かの告白か?」
まるでそれは彼女がリシャールの事が好きで好きで堪らないと伝えているように聞こえた。
「え? どう言う意味でしょうか。私は思うままに述べているだけでして……」
彼女の顔はほんのり紅くなった。
そして彼女は分が悪そうに俯いてしまった。
リシャールは彼女を問い詰めるのもなんだか可哀想になった。
それに、もし告白するなら、自分から正式にしたい気持ちもあった。
彼女の反応を嬉しく思いながら、リシャールはグレープフルーツを剥き始めた。
当初は彼女が果物を剥いていたのだが、最近はリシャールが率先して剥いている。
なぜか、リシャールの中で彼女の世話をしてあげたくなる気持ちが強くなったためだ。
「冗談だ。ああ、貴様は私のこの人形みたいな薄気味悪い顔が死ぬほど好きなんだろう?」
「はい、好きです。正直、大好きです」
「趣味が悪い。好きになるなら、もっと爽やかで人が好さそうな男にしておけ」
そう。彼の弟みたいな、イケメンで性格良くて、謙虚で、親切で、まぶしいくらいキラキラした男がおすすめだ。
「うーん……爽やかな好青年は面白みに欠けますし、どきどきしないと言いますか。実はあんまり書きたいと思わなくて。その点殿下は素晴らしいです! 創作意欲をくすぐる最高の題材です。私は……いやらしそうで冷たそうで意地悪そうな殿下の方が好みなんです」
「……貴様、頭おかしいだろ?」
もしかしてひどくされたい願望でもあるんだろうか。
征服されたい、貶されたい、辱められたい的な?
(まぁ……もし、それが希望なら……)
「そんなことないです! だって殿下は顔は……もう素晴らしいのですよ。目も鼻も口も血管の走行も髪の生え際まで世界で一番整ってます。うぶ毛すら尊いです」
「血管の走行? うぶ毛? 意味が分からないがとりあえず、ありがとう」
リシャールは、なんだかもう呆れるというか、真剣に自分について話すのも面倒なので、適当に礼を言っておく。
彼女の趣味がおかしいと言う事だけはわかった。
「私も貴様は嫌いじゃないぞ? これといって、秀でている感じがないところとか、目立たないところとか、庶民じみたところとか、無駄に足掻いているところとか、努力が報われにくいところとか……」
「それ、悪口ですか?」
「いや、一応褒めている」
彼女はムスッとして口を聞いてくれなくなった。
嘘じゃない。
秀でているところはないが、努力で埋めようとする所。
目立たず、気配りが出来て、控えめな所。
どっかの令嬢みたいに無駄遣いせず、物を大切にする倹約な所。
リシャールは彼女が修道女なのに令嬢になりきろうとして必死な様は応援したくなるくらいだった。
ただ、彼女の場合、本来の仕事の適性が低く、全然結果に繋がらないため、早く嫁にもらってやった方がいいのではないかと思っているのは秘密だ。
リシャールはグレープフルーツの皮を丁寧に剝き、彼女の口元に持っていった。
「ほら、口をあけろ」
「え、ちょっとそれは……」
「早く。汁が垂れる」
急かすと恥ずかしそうにすんなり口を開け、半ば強引に口に放り込む。
「おいしい……です」
「ほら、食え」
「あ、はい」
指先に彼女の唇が触れただけで、食べる様子を眺めるだけで、リシャールは何も食べてないのに甘酸っぱい感じがした。
手から果肉を与えられ、口の動く様は少しいやらしくもあった。
リシャールが何を考えているか知らない彼女は、小動物みたいに次から次へとグレープフルーツを食べた。
はじめは羞恥心があったようだが、後半は早くくれと言わんばかりに口を開けて、喜んで食べていた。
リシャールは可愛い小動物に餌をやっている感覚でもあり、なぜか形容し難い高揚感があった。
やめられない。癖になりそうだった。
「殿下は食べないのですか?」
「いや、いい」
食べさせるのが好みなんだ、とは言えない。
果汁で汚れた手は、彼女が丁寧におしぼりで拭いてくれた。
こういう時、恋人だったいいのに、『いやもう恋人なんじゃないか?』 とリシャールは愚かにも錯覚してしまいそうになった。
ただ言えるのは、リシャールは彼女と出会ってから、世界はとても優しく、澄んでいた。
気に留めなかった気候も、季節の色合いも、全てが鮮明で、綺麗だったのだ。
四月中旬。
古ぼけた教会の昼下がり。
彼女とリシャールは向かい合って座り、遅めの昼食を摂っていた。
今日の昼食は、彼女の作ったブルーベリーベーグル、野菜と卵のサンドイッチ、彼女が王都に来てから仲良くなったと言う村人の畑で取れたグレープフルーツ、飲み物はシンプルなアールグレイの紅茶だ。
「クロワッサン」
突然の問いかけにリシャールは考えるまでもなく答えた。
すると、彼女はまるであたりだと言わんばかりの笑顔で笑った。
子どもが簡単なクイズを当てたような純粋な笑顔だった。
「私と同じですね、私もクロワッサン派です! ふわふわで大好きです。朝からいくつでも食べれます。バターが多くて、カロリーが高いので食べすぎ注意ですが」
「それはバターロールも同じだろう」
「そうでした」
彼女はリシャールのカップに追加の紅茶を注いだ。
そしてまた質問がはじまる。
「じゃあ、サンドイッチとベーグルは?」
「……ベーグル」
「私もベーグルです。もちもちした感じが好きです! 卵やバターを使わないし、ヘルシーですし。サンドイッチも好きですが、ベーグルの方が食べ応えがあるといいますか」
「……」
内容がない、どうでもいい会話。
ただ、些細な好みの一致が続くだけ。
リシャールは彼女が一体何を聞きたいのか不明だったが、不思議と気分が悪くなかった。
「色は何色が好きですか?私は……」
「「青」」
二人の声が合わさった。
彼女は実に楽しそうに、けらけらと声に出して笑った。
天気の悪い昼下がり。
雨音がまた強くなってきている。
彼女のカップが空になっていたので、今度はリシャールが紅茶を注いだ。
リシャールは彼女の好きなミルクと砂糖を入れて混ぜてから渡した。
彼女は『有難うございます』、と毎度ながら律儀にお礼を言って受け取った。
「貴様は何を言い出すかと思えば、パンの好みとか、色が好きとか、何が言いたいんだ?」
「単に知りたいだけです。内容が全くない話ですいませんね。でも、何が好きかとかって大事だと思いませんか?」
リシャールの好みを知ったところで彼女に何か得でもあるのだろうか。
リシャールは紅茶を飲みながら訝しげに問う。
昼食のパンはもうすべて食べてしまい、残りはグレープフルーツだけだった。
「好みって、どんなふうに日々を感じているかが滲み出てくるんですよ。だから、殿下がどんな色合いの世界を生きているか知りたくなるんです。まぁ、……色に例えるのは私が絵を描いているからですけど」
「色って重要か?」
「大切ですよ。同じ景色でも、配色で全く違った絵になります。世界の見え方も人それぞれです。殿下がどう見えているか気になりまして、聞いてみました」
そして、極め付けにすごくうれしそうに言うのだ。
「私と好みが似てますね」
リシャールは色の好みなど考えたことがなかった。
真っ白は虚無で、真っ黒は闇の中、白黒は味気ない。
時々加わる赤は鉄の香がするだけ。
だから、何気ない空の青は好きかもしれない。
「私も青が好きです」
彼女は、見惚れるような顔でリシャールを見上げて、愛らしく囁いた。
「空の青も、海の青も。……一番好きなのは殿下の瞳の青」
彼女といると、リシャールの世界にいつもは顔を出さない青が濃く出る。
雨上がりの青空、青い蝶、普段は滅多に作らない青めいた硝子細工。
「それは何かの告白か?」
まるでそれは彼女がリシャールの事が好きで好きで堪らないと伝えているように聞こえた。
「え? どう言う意味でしょうか。私は思うままに述べているだけでして……」
彼女の顔はほんのり紅くなった。
そして彼女は分が悪そうに俯いてしまった。
リシャールは彼女を問い詰めるのもなんだか可哀想になった。
それに、もし告白するなら、自分から正式にしたい気持ちもあった。
彼女の反応を嬉しく思いながら、リシャールはグレープフルーツを剥き始めた。
当初は彼女が果物を剥いていたのだが、最近はリシャールが率先して剥いている。
なぜか、リシャールの中で彼女の世話をしてあげたくなる気持ちが強くなったためだ。
「冗談だ。ああ、貴様は私のこの人形みたいな薄気味悪い顔が死ぬほど好きなんだろう?」
「はい、好きです。正直、大好きです」
「趣味が悪い。好きになるなら、もっと爽やかで人が好さそうな男にしておけ」
そう。彼の弟みたいな、イケメンで性格良くて、謙虚で、親切で、まぶしいくらいキラキラした男がおすすめだ。
「うーん……爽やかな好青年は面白みに欠けますし、どきどきしないと言いますか。実はあんまり書きたいと思わなくて。その点殿下は素晴らしいです! 創作意欲をくすぐる最高の題材です。私は……いやらしそうで冷たそうで意地悪そうな殿下の方が好みなんです」
「……貴様、頭おかしいだろ?」
もしかしてひどくされたい願望でもあるんだろうか。
征服されたい、貶されたい、辱められたい的な?
(まぁ……もし、それが希望なら……)
「そんなことないです! だって殿下は顔は……もう素晴らしいのですよ。目も鼻も口も血管の走行も髪の生え際まで世界で一番整ってます。うぶ毛すら尊いです」
「血管の走行? うぶ毛? 意味が分からないがとりあえず、ありがとう」
リシャールは、なんだかもう呆れるというか、真剣に自分について話すのも面倒なので、適当に礼を言っておく。
彼女の趣味がおかしいと言う事だけはわかった。
「私も貴様は嫌いじゃないぞ? これといって、秀でている感じがないところとか、目立たないところとか、庶民じみたところとか、無駄に足掻いているところとか、努力が報われにくいところとか……」
「それ、悪口ですか?」
「いや、一応褒めている」
彼女はムスッとして口を聞いてくれなくなった。
嘘じゃない。
秀でているところはないが、努力で埋めようとする所。
目立たず、気配りが出来て、控えめな所。
どっかの令嬢みたいに無駄遣いせず、物を大切にする倹約な所。
リシャールは彼女が修道女なのに令嬢になりきろうとして必死な様は応援したくなるくらいだった。
ただ、彼女の場合、本来の仕事の適性が低く、全然結果に繋がらないため、早く嫁にもらってやった方がいいのではないかと思っているのは秘密だ。
リシャールはグレープフルーツの皮を丁寧に剝き、彼女の口元に持っていった。
「ほら、口をあけろ」
「え、ちょっとそれは……」
「早く。汁が垂れる」
急かすと恥ずかしそうにすんなり口を開け、半ば強引に口に放り込む。
「おいしい……です」
「ほら、食え」
「あ、はい」
指先に彼女の唇が触れただけで、食べる様子を眺めるだけで、リシャールは何も食べてないのに甘酸っぱい感じがした。
手から果肉を与えられ、口の動く様は少しいやらしくもあった。
リシャールが何を考えているか知らない彼女は、小動物みたいに次から次へとグレープフルーツを食べた。
はじめは羞恥心があったようだが、後半は早くくれと言わんばかりに口を開けて、喜んで食べていた。
リシャールは可愛い小動物に餌をやっている感覚でもあり、なぜか形容し難い高揚感があった。
やめられない。癖になりそうだった。
「殿下は食べないのですか?」
「いや、いい」
食べさせるのが好みなんだ、とは言えない。
果汁で汚れた手は、彼女が丁寧におしぼりで拭いてくれた。
こういう時、恋人だったいいのに、『いやもう恋人なんじゃないか?』 とリシャールは愚かにも錯覚してしまいそうになった。
ただ言えるのは、リシャールは彼女と出会ってから、世界はとても優しく、澄んでいた。
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