29 / 169
冷酷非情な王子と修道女、恋人ごっこをする
彼女を撫でるように①
しおりを挟む
後悔は過去を思い返すからするのだ、とリシャールは思う。
その時は最善だと思い行動しているはずなのに、時間が経ってから「ああすればよかった」「そうすれば上手くいっていたのに」と過去と掘り起こし、グチグチいう。
胸を炙られるような痛みを伴うような行為を自らすすんで行うそれは、自分を苦しめることしかしない、と。
(だからと言って簡単に過去と切り離して今を生きるわけにもいかないが……)
5月の半ばだと言うのに、雪がちらつく真夜中。
寒さからか上手く寝付けず、リシャールは昔の夢ばかり見てしまい、嫌な気分だった。
雪国であるローズライン王国では珍しいことではないが、昼間は日差しが暖かくすっかり春の気候だったので油断していた。
最近は雪より雨ばかりだったから。
窓の外はうっすら雪が積もっていた。
いつも寝つきの悪い夜に見るのは、幼いころの辛いあの日々だ。
いつも息子を乳母に預けっきりで、年齢はとうに三十を超えているはずなのに、あどけなさが残る淡い金髪のか細い女――病弱な母が、寝台の上でリシャールに透き通るほど綺麗な声で言うのだ。
「ピアノが上手になったわね。……いい声ね。私はあなたの天使の様な綺麗な歌が一番大好きよ」
「またジャン君と喧嘩したの? 意地なんて張らないで、ちゃんと仲直りしなさい。……王族のプライド? そんなチンケなものは無価値で一円にもならないから、すぐ捨てなさい」
「絵の展覧会があるの。母さんはいけないから、リシャール行ってきなさい。テオとジャン君の分の券ももらったの。絵はいいわよ。見ているだけで、物語のように人を癒してくれるわ。あなたのピアノもそう。芸術は人生を豊かにしてくれる」
母は病に侵され、いつも咳をしており、閉じ込められる様に離宮に一人暮らしていた。
部屋はいつもアルコールの匂いが充満し、家具はリシャールが座る椅子一脚、壁際に置かれたピアノ、誰かが母の為に描いた絵が数枚飾られているだけの部屋だった。
今思えば、王妃なのに極力部屋にものを置かないのは、咳による消毒の手間を減らすためだったのだろう。
彼女なりの気遣いだったのかもしれない。
食事はいつも半分も食べないうちにむせるため、少し顔を出した帰りに残飯を下膳するのがリシャールの仕事だった。
だから彼は子供の頃、彼女の事を母親のくせに口だけだして何もしてくれない、たまに体調のいい日はピアノを教えてくれるだけの人だと思っていた。
歌が上手いと父が語っていたが、病気のため歌う事もなく、リシャールは彼女の歌をほとんど聞いた事がなかった。
折れそうなくらい細い身体、料理なんかしたことがないような綺麗な指、日の光なんて浴びた事が無いような白い肌、儚く笑う少女の様な母より、ジャンの母の方がよっぽどリシャールにとって身近な存在だった。
今思えば、病弱な体の母にとって、音楽だの、絵だの、文学だのそんなものが彼女の支えだったのだろう。
母の思いも虚しく、悲しい事にリシャールはそのどれにも価値を見出す事は出来ず、教養だけ身に着けた。
だって、ピアノを弾いても心は癒されないし、歌っても聞いて欲しいと思える人はいない。
皆が絶賛する愛の絵を見ても、自分を愛してくれた人が居なければ感情移入もできないし、嘘くさい愛の物語もそう。
リシャールにとって、愛の土台がない自分には親子の愛も恋人の愛も、どれも共感できないものだった。
では、いつもリシャールの心を占めている感情は何だろうか。
それは言うまでもなく、後悔だった。
今更過ぎる、昔の後悔。
思い出して自分の首を絞めるだけの後悔。
リシャールは、まだ話せた頃の母に対して後悔はない。
あまり接点のない人だったけど、自分なりに彼女に合せ、彼女が望むように芸術を嗜んだ。
リシャールの人生における一番初めの後悔は母がもう口を利けなくなったあの日からだ。
今でもはっきりと思い出せるのは、母の蒼白な顔、シーツに染みついた吐血、骨の浮き出る胸元。
そして、愛する人を失いそうになり気が触れた父の狂気的な甘い微笑みだ。
あの時、リシャールの父は恐ろしい事を命令した。
「リシャール、君ならできる。お母さまを永遠に僕たちのもとに居てくれるように、魔法をかけてごらん」
リシャールは、あの時はなぜか母が良く弾いてくれたセレナーデの旋律が幻聴のように聞こえた。
「大丈夫。君は天才だ。僕は残念ながら君ほど力がない。頼む。家族だろう?」
(家族だからなんだ? お前たちは血筋だけで、私の好みもなにも知らないだろう)
(今日、私が何をしていたかとか、何が嫌いで好きとか興味がないだろう?)
(なぜそんなに偉そうに命令しているんだ、この男は)
リシャールは心底家族と言う言葉が嫌いだった。
彼の気も知らないで父はまたとてつもない発言をした。
「彼女もきっと話せる様になったら君に感謝するはずだ。ありがとうって。まだ死にたくなかったの、あなたたちと居たかったから生き返れてうれしいって」
まるで独り言のような、言い聞かせるような王である父の口ぶり。
一方的に母を愛した哀れな男。
平民だった母に惚れ、地獄の果てまで追い回す勢いで追いかけ、皆の反対を押し切り正妃にし、母にいつも苦労させた男。
母は生きていたいと本当にそう思うだろうか。
こんな離宮に一人で暮らし、自由の利かない身体で歌も歌えず、王妃の役目も果たせず、国王に見初められ恋人と別れさせられ、愛しい人も抱けない人生が続く事を望んでいる?
やっと死が彼女を楽にしてあげられるのに。
「さぁ、リシャール。魔法でお母様を生き返らせるんだよ、やってごらん」
虫の息の母を、彼女の息子であるリシャールに絶対零度の硝子付けにさせて『死の一歩手前にとどまらせること』が幸せのはずもない。
リシャールは首を横に振って、小さな声で訴えた。
「私は……したくない」
リシャールは例え王の命令でも、そんな残酷な事をしたくなかった。
「そうか、残念だ。じゃあ、テオにさせよう。だが、テオは身体がもつかな?……君の劣化版だしな」
それは、残酷な低い声だった。父は言うまでもなく、本当に自分の事にか考えていない男だった。
氷魔法はただでさえ体に負担がかかるし、身体不調の副作用も出やすい。
幼くまだ魔法に不慣れなテオフィルは術を使い命を落とすだろう、とリシャールは理解していた。
幼いテオフィルは、きっと王に逆らえないだろうし、この行為の残酷さも分からない。
「……分かりました。私がします」
リシャールが王である父に逆らえるはずなどなかった。
リシャールはこのようにして父に加担したのだ。
母に残酷な仕打ちをした。
リシャールのした事は母を氷魔法で凍らせ、死ぬ間際に冷凍保存のように水晶漬けにしたのだ。
それは彼女の意思なんて関係なく、無理矢理、永遠に生にしがみつかせる行為だ。
水晶づけなんて一見は綺麗そうに見えるが、母は苦しいだろう。瞬きひとつできないのだから。
これが一番初めのリシャールの後悔だ。
その日から父は虫の息で死んだように水晶の中に保存される母を、気持ち悪いくらい怪しい熱のこもった顔で眺めていた。
今思えば、あの嫉妬深い男は動けなくなった妻がやっと自分の物になったと思い、満足していたフシもあった。
(あんなふうに、なりたくない)
いつか大人になって恋をすることがあっても、いくら好きな人が出来ても、自分の欲でしばりつけるような愛し方はしたくない。
権力を使い、追い回すことなんてしたくない。
狂うほどの恋なんてしたくない。
人を愛する恐怖すら感じたのだ。
それから数年後、父は古代文献を漁り、母を健康な人と同じように生き返らせる禁術を見つけた。
そして、リシャールにこう命じた。
「手始めに死人でも生き返らせて来い。君ならできる。……君は人間の領域をとうに超えている」
今回もリシャールは、逆らえば弟に何をしでかすか分からない父に反論できず、数名の近衛兵を連れて王命を実行するしかなかった。
その時は最善だと思い行動しているはずなのに、時間が経ってから「ああすればよかった」「そうすれば上手くいっていたのに」と過去と掘り起こし、グチグチいう。
胸を炙られるような痛みを伴うような行為を自らすすんで行うそれは、自分を苦しめることしかしない、と。
(だからと言って簡単に過去と切り離して今を生きるわけにもいかないが……)
5月の半ばだと言うのに、雪がちらつく真夜中。
寒さからか上手く寝付けず、リシャールは昔の夢ばかり見てしまい、嫌な気分だった。
雪国であるローズライン王国では珍しいことではないが、昼間は日差しが暖かくすっかり春の気候だったので油断していた。
最近は雪より雨ばかりだったから。
窓の外はうっすら雪が積もっていた。
いつも寝つきの悪い夜に見るのは、幼いころの辛いあの日々だ。
いつも息子を乳母に預けっきりで、年齢はとうに三十を超えているはずなのに、あどけなさが残る淡い金髪のか細い女――病弱な母が、寝台の上でリシャールに透き通るほど綺麗な声で言うのだ。
「ピアノが上手になったわね。……いい声ね。私はあなたの天使の様な綺麗な歌が一番大好きよ」
「またジャン君と喧嘩したの? 意地なんて張らないで、ちゃんと仲直りしなさい。……王族のプライド? そんなチンケなものは無価値で一円にもならないから、すぐ捨てなさい」
「絵の展覧会があるの。母さんはいけないから、リシャール行ってきなさい。テオとジャン君の分の券ももらったの。絵はいいわよ。見ているだけで、物語のように人を癒してくれるわ。あなたのピアノもそう。芸術は人生を豊かにしてくれる」
母は病に侵され、いつも咳をしており、閉じ込められる様に離宮に一人暮らしていた。
部屋はいつもアルコールの匂いが充満し、家具はリシャールが座る椅子一脚、壁際に置かれたピアノ、誰かが母の為に描いた絵が数枚飾られているだけの部屋だった。
今思えば、王妃なのに極力部屋にものを置かないのは、咳による消毒の手間を減らすためだったのだろう。
彼女なりの気遣いだったのかもしれない。
食事はいつも半分も食べないうちにむせるため、少し顔を出した帰りに残飯を下膳するのがリシャールの仕事だった。
だから彼は子供の頃、彼女の事を母親のくせに口だけだして何もしてくれない、たまに体調のいい日はピアノを教えてくれるだけの人だと思っていた。
歌が上手いと父が語っていたが、病気のため歌う事もなく、リシャールは彼女の歌をほとんど聞いた事がなかった。
折れそうなくらい細い身体、料理なんかしたことがないような綺麗な指、日の光なんて浴びた事が無いような白い肌、儚く笑う少女の様な母より、ジャンの母の方がよっぽどリシャールにとって身近な存在だった。
今思えば、病弱な体の母にとって、音楽だの、絵だの、文学だのそんなものが彼女の支えだったのだろう。
母の思いも虚しく、悲しい事にリシャールはそのどれにも価値を見出す事は出来ず、教養だけ身に着けた。
だって、ピアノを弾いても心は癒されないし、歌っても聞いて欲しいと思える人はいない。
皆が絶賛する愛の絵を見ても、自分を愛してくれた人が居なければ感情移入もできないし、嘘くさい愛の物語もそう。
リシャールにとって、愛の土台がない自分には親子の愛も恋人の愛も、どれも共感できないものだった。
では、いつもリシャールの心を占めている感情は何だろうか。
それは言うまでもなく、後悔だった。
今更過ぎる、昔の後悔。
思い出して自分の首を絞めるだけの後悔。
リシャールは、まだ話せた頃の母に対して後悔はない。
あまり接点のない人だったけど、自分なりに彼女に合せ、彼女が望むように芸術を嗜んだ。
リシャールの人生における一番初めの後悔は母がもう口を利けなくなったあの日からだ。
今でもはっきりと思い出せるのは、母の蒼白な顔、シーツに染みついた吐血、骨の浮き出る胸元。
そして、愛する人を失いそうになり気が触れた父の狂気的な甘い微笑みだ。
あの時、リシャールの父は恐ろしい事を命令した。
「リシャール、君ならできる。お母さまを永遠に僕たちのもとに居てくれるように、魔法をかけてごらん」
リシャールは、あの時はなぜか母が良く弾いてくれたセレナーデの旋律が幻聴のように聞こえた。
「大丈夫。君は天才だ。僕は残念ながら君ほど力がない。頼む。家族だろう?」
(家族だからなんだ? お前たちは血筋だけで、私の好みもなにも知らないだろう)
(今日、私が何をしていたかとか、何が嫌いで好きとか興味がないだろう?)
(なぜそんなに偉そうに命令しているんだ、この男は)
リシャールは心底家族と言う言葉が嫌いだった。
彼の気も知らないで父はまたとてつもない発言をした。
「彼女もきっと話せる様になったら君に感謝するはずだ。ありがとうって。まだ死にたくなかったの、あなたたちと居たかったから生き返れてうれしいって」
まるで独り言のような、言い聞かせるような王である父の口ぶり。
一方的に母を愛した哀れな男。
平民だった母に惚れ、地獄の果てまで追い回す勢いで追いかけ、皆の反対を押し切り正妃にし、母にいつも苦労させた男。
母は生きていたいと本当にそう思うだろうか。
こんな離宮に一人で暮らし、自由の利かない身体で歌も歌えず、王妃の役目も果たせず、国王に見初められ恋人と別れさせられ、愛しい人も抱けない人生が続く事を望んでいる?
やっと死が彼女を楽にしてあげられるのに。
「さぁ、リシャール。魔法でお母様を生き返らせるんだよ、やってごらん」
虫の息の母を、彼女の息子であるリシャールに絶対零度の硝子付けにさせて『死の一歩手前にとどまらせること』が幸せのはずもない。
リシャールは首を横に振って、小さな声で訴えた。
「私は……したくない」
リシャールは例え王の命令でも、そんな残酷な事をしたくなかった。
「そうか、残念だ。じゃあ、テオにさせよう。だが、テオは身体がもつかな?……君の劣化版だしな」
それは、残酷な低い声だった。父は言うまでもなく、本当に自分の事にか考えていない男だった。
氷魔法はただでさえ体に負担がかかるし、身体不調の副作用も出やすい。
幼くまだ魔法に不慣れなテオフィルは術を使い命を落とすだろう、とリシャールは理解していた。
幼いテオフィルは、きっと王に逆らえないだろうし、この行為の残酷さも分からない。
「……分かりました。私がします」
リシャールが王である父に逆らえるはずなどなかった。
リシャールはこのようにして父に加担したのだ。
母に残酷な仕打ちをした。
リシャールのした事は母を氷魔法で凍らせ、死ぬ間際に冷凍保存のように水晶漬けにしたのだ。
それは彼女の意思なんて関係なく、無理矢理、永遠に生にしがみつかせる行為だ。
水晶づけなんて一見は綺麗そうに見えるが、母は苦しいだろう。瞬きひとつできないのだから。
これが一番初めのリシャールの後悔だ。
その日から父は虫の息で死んだように水晶の中に保存される母を、気持ち悪いくらい怪しい熱のこもった顔で眺めていた。
今思えば、あの嫉妬深い男は動けなくなった妻がやっと自分の物になったと思い、満足していたフシもあった。
(あんなふうに、なりたくない)
いつか大人になって恋をすることがあっても、いくら好きな人が出来ても、自分の欲でしばりつけるような愛し方はしたくない。
権力を使い、追い回すことなんてしたくない。
狂うほどの恋なんてしたくない。
人を愛する恐怖すら感じたのだ。
それから数年後、父は古代文献を漁り、母を健康な人と同じように生き返らせる禁術を見つけた。
そして、リシャールにこう命じた。
「手始めに死人でも生き返らせて来い。君ならできる。……君は人間の領域をとうに超えている」
今回もリシャールは、逆らえば弟に何をしでかすか分からない父に反論できず、数名の近衛兵を連れて王命を実行するしかなかった。
0
お気に入りに追加
312
あなたにおすすめの小説

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる