私は修道女なので結婚できません。私の事は忘れて下さい、お願いします。〜冷酷非情王子は修道女を好きらしいので、どこまでも追いかけて来ます〜

舞花

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恋人ごっこまでの経緯

また一緒に帰ろうね?

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 燃えるような朝焼け、辺りはまだ静かな午前五時過ぎ。
 マリーは馬車に揺られながら、後方に小さくなって見える修道院を一瞥する。
 早速、簡単に荷物をまとめ出発したのがつい一時間ほど前。
 王都の任務は5月からの依頼で、5月の末にコンクールがある。
 まだ、3月の中旬ではあるが、馬車でも10日かかる。
 王都に到着し、任務までの空き時間ーー社交界デビューする5月までがマリーの休暇だった。
 まずは協力者であるブラン侯爵の屋敷に滞在する手配をしなければならない。
 ブラン侯爵は芸術活動に力を入れており、かの有名な画商レオナルドも懇意なのだとか。
 もしかしたら、絵を見せてくれるかもしれないとユートゥルナ様は言っていたが。

(それより、まずは勉強よね……)

 マリーはユートゥルナから貸してもらった大量の本を見てため息が出た。
 『知らないとヤバイ令嬢の基礎』、『口では言えない社交界のルール』、『男の弱みの握り方』、『ちょろいぐらい簡単な男の口説き方』、『惚れ薬の作り方入門編』、『男の下心と身体事情』……すべてユートゥルナの著書であることが少し心配ではあるが、仕方がない。
 というか、神様。無害そうな顔して、信仰に全然関係のないお下に関する本沢山出しているんですね。それにしてもこの恋愛関連の本もあるのは、神様自身女だった事もあるからでしょうか? 
 かなり関係のない本も混じっている。
 しかし、この本売れているのか? もしかして、内容が内容だし、年齢制限あるんじゃない?
 まさか自費出版……? といろいろ疑念が浮かぶ。

 肝心のコンクールの絵はだいたい出来上がっており、あとは少しの訂正のみでいいだろう。
 この休暇の期間は読書になりそうだ。

「浮かない顔だな。折角の王都なのに。もっと喜んだら?」
「うん、まぁ、嬉しいは嬉しいけど」
「いいじゃん、社交界デビュー。華やかな世界は乙女の憧れでしょ?」
「令嬢なんてできると思う、フレッド?」

 マリーの隣に座るフレッドは馬車をひいていた。
 フレッドは遠出も多く、馬の扱いが上手く、旅路に慣れている。
 またまフレッドの任務先も王都付近という事で馬車に乗せてもらった。
 銀色の髪を風に靡かせて、容姿端麗なフレッドは少し考えたのち、

「うーん、やるしかないって感じだね。相手は王族でしょ? 二言はないよ、彼らは」

 そして付け加えるように

「でもさ、決まったことはいくら悩んでも仕方ないからポジティブに行こうよ。まぁ、今朝の事ではあるから、切り替えは難しいけど。……ほら、今、王都行ったら絶世の美男子テオフィル殿下の結婚式に間に合うかもよ?」

 ああ、そういえば。
 マリーはかの有名な聖人を思い出す。

 輝く金髪、瞳は淡い青、立ち姿はすらりとして、理想の白馬の王子様。つまりイケメン。しかも、王子様。
 その心は広く美しく、平等かつクリーンな政治で民衆の支持も厚い。
 そんな王子様が幼い頃から婚約者であった絶世の姫と結婚するらしい。
 ついにゴールインということで近頃王都は活気づいているそうだ。

「そういえば……忘れていたわ! ずっと見てみたかったの。美男子のテオフィル殿下と妖精姫君。よだれが出るくらいいい題材」
「題材というのがマリーらしいね。ああ、もしかしたら氷華殿下にも会えるかもよ? 面白みのないテオフィル様よりよっぽどいい絵が描けるんじゃないかな」

 琥珀色の瞳を悪戯っぽく細めてフレッドはからかってくる。

「え、氷華殿下は、ちょっと怖いかなぁ」
「もし、マリーが可愛く妖艶におねだりできたら、あのこわーい氷華殿下も、ころっと変わって、案外モデルになってくれたりするんじゃない? 彼に近づく女なんてそう簡単にいないだろうし。凍えたハートを撃ち抜くかもしれないよ?……まぁ、大抵戦場にいるから捕まえるのは至難のワザだけど」

 フレッドに言われてみると、氷華殿下は美形でいろいろ曰く付きの人物だ。彼が題材なら、なかなか日常にはない絵が描けそうな気がしてきた。
 おねだりどころか、声をかけた時点で殺されそうだが。
 モデルなんて『無礼者! 水晶漬けにして、地下牢のコレクションに加えてやる!』みたいに。
 でも、書いてみたいとは、思う。
 変な好奇心だ。

「氷華殿下と戦場もいいかもしれないね、……審査員の度肝を抜く、かなりインパクトある題材」
「インパクトあるだろ? 特別賞で入賞できるかもよ?」

 マリーが真剣に考え込むと、フレッドは意外な事を口にした。

「……でも案外人間は見かけだけじゃあ分からないものだよ。実は俺、氷華殿下結構好きだなぁ。テオフィル殿下より好み。強いし、男から見ても容姿端麗で、金持ちで王子で権力あって……」
「まぁ、王子様だし、結婚したい人はたくさんいてもおかしくないと思うけど」
「そう。でも噂ひとつないから怪しいよね。むしろ誰も寄り付かないらしい。男好きってことはないだろうし。硬派ってやつ? いや、彼は犯罪者一歩手前かな。そーゆー戦ばかりのやつに限って、いざ恋をしてみるとど・ハ・マ・り・して、重くなり過ぎて束縛して、相手は嫌というほど愛され過ぎて、腰が立たなくなるくらい行為に耽って、でもあら不思議、相手は頭おかしくなって彼が居ないと生きていけない身体になって、気づいたときには淫らすぎる官能の世界にふたりは溺れてーー」
「フレッド、妄想しすぎ」

 人気において、聖人殿下と化け物呼ばわり王子だとどちらに軍配が上がるか分かりきったものではあるが、フレッドはかなりの氷華殿下推しだった。
 永遠と軍事的功績とか個人情報を聞かされる。まるでファンだ。
 好きな食べ物は鶏肉だとか、実は歌が上手いとか、ブラコンだったとか、地声がエロいとか知っているな。
 もしかして、追っかけ?
 フレッドは楽しそうに語っていた。
 まぁ、男性はいつの時代も強くなりたい願望があるから、世間体云々は置いておいて、人間離れした強さに惹かれているのだろうとマリーは思った。

 庶民にとっては御伽噺のような王子様の妄想をして楽しむのも悪くない。
 噂や紙面しか知らない、王子様たちはある意味アイドルみたいなものなのだ。
 話のタネになるような、昔話の登場人物に近い。

「話は戻るけど、マリー。元々は行儀見習いだっけ? 修道女になったきっかけって」
「うん。そうだよ」
「さっきの質問の答えだけど、もともと令嬢なら適役だと思うよ」

 フレッドの言う通り元はほんとうに侯爵令嬢であった。
 12歳まで。
 行儀見習いということになったが、とある修道女に憧れて、修道院の門を叩いた。
 もちろん、その時から今もずっと生涯修道院に尽くす気持ちは変わらない。
 それに、マリーは修道院での暮らしが気に入っていた。

「そうだね。令嬢だったの忘れていたわ。思い出した、ありがとう、フレッド。まぁ、ダンスで足踏まないくらいには気をつける!」
「澄ました貴族を順番に踏んでいくのも愉快じゃないかな」
「タチ悪い令嬢じゃない」

 二人で笑い合っていたら、荷台からマリアが顔を出した。

「なんの話? ずいぶん楽しそうね」

 今朝、任務から帰ったばかりのマリアはもう次の仕事があるそうで荷台で仮眠をとっていた。
 マリアも王都の近くに用があるらしい。

「マリーが社交界に新しい風を吹かせるハナシだよ」
「なるほどぉ」

 マリアはなぜか納得したようだった。 

「それにしても、マリアと同じ髪色と瞳になっちゃったね、私。ユートゥルナ様曰く美人の色合いらしいの」
「あら。なんか嬉しいわ。マリーと姉妹みたいで」

 マリアは本当に嬉しそうに頬を赤らめる。 

「随分、年の離れた姉妹だねぇ」
「コラ! フレッド、同い年よ!」
「だって体つきがね、いやらしく乳が揺れる完熟気味のマリアちゃんと、まぁまぁの大きさで甘そうだけど未開発なマリーだと見かけの年齢差が……好みの問題ではあるけど」

 マリアはフレッドの頭を思いっきり叩いた。
 がん!と音がして、フレッドが眩暈を起こし、後方に倒れた。馬車の手綱はマリーがキャッチする。

「乳の話かい!」

 マリアは強引にフレッドを荷台に転がし、マリーの横に座る。

「でも、マリー、懇切丁寧に婚約者までつけたんでしょ? ちょっとやり過ぎじゃない?」

 マリアはマリーを心配そうに覗き込む。
 ちなみに、フレッドのことは無視だ。

 言われてみれば、社交界デビューしたばかりの令嬢役ならば婚約者がいなくてもいいような気もする。

「マリーの社会勉強のためか、婚約者自体が任務に欠かせない重要な助っ人か、または試験の監視役か……」

 目眩から回復したフレッドがマリーをマリアと挟むように隣に腰掛け、手綱を貰い受けた。
 こういうところは親切紳士だ。
 発言は最低だけど。

「助っ人だったらいいわね。だいたい、こういう仕事、あんまりマリーには向かないと思うの。マリーはもっとのどかなところで修道女っぽい仕事がいいと思うわ」
「まぁ、適役といえば、マリアちゃんかな。まぁまぁ派手で男手玉にとれて、度胸もある。規格外な胸も吸いつきたくなるような卑猥な形のお尻もある。……男を情もなく使い捨ての雑巾みたいに捨てれるし」
「悪女みたいにいわないの、それに澄ました顔でさらっと下ネタほざくな! あんたこそどんな場所、時間、体勢でも事に及べるっていう、変態じゃない。性欲の化け物。そんな刹那的な情事繰り返していると、いつか自慢のソレ切り落とされるんじゃない?ブスっっ!って」
「切り落とされたらすごーく困っちゃうな。どうやって生活すればいいのさ」
「さぁ。女になってみれば? そうしたら、女性の気持ちが分かるんじゃない?」
「女になるのは勘弁。攻める方がいい」
「じゃあ切り落とされればいい、その卑猥な前についている物」
「辛辣だね。……でもさ、よくよく考えれば、それも愛の一種だろう? 切り落としてまで、俺を独占したいっていう、しつこくて深い深い愛。女性に思われて死ぬなら、価値がある死に方かもね。火炙りや男から拷問されて死ぬより全然マシだよぉ?」
「火炙りっていつの時代の話よ? まぁフレッドなら、悪巧みして罰せられてもおかしくない精神の持ち主よね。修道院に拾ってもらって、真っ当に生きれてよかったわね?」
「手厳しい。ま、そういうところがまたそそられるんだよな。困ったなー」
「あんたの頭ウジわいてんじゃない?」

 二人はいつも挨拶のようにフレッドは下ネタ、マリアは貶しる。
 マリアは汚物を見るような目で、フレッドはにこにこ。 
 マリアに叩かれて怪我しても突っかかって、嬉しそうなフレッドはある意味真の病かもしれない。
 叩かれる趣味があるとか?

 一方的にマリアが喧嘩しながら高頻度で二人でいるが、もちろん恋人というわけではなく、兄妹に近い感じだ。

 そもそも、修道士同士が恋をすることは禁止されている。見た通り、マリアもフレッドも美男美女で、そこそこ恋人がいてもなんらおかしくない。
 修道院ではしっかり恋愛禁止の規律を守り、たまに修道院以外の外部の人間に誘われてハメを外す、というのがしっくりくる。
 修道士だからといって恋をしたらいけないわけでない。
 ただ、生涯を修道院に捧げる以上、独身を貫くわけであるから、一時の恋愛であることが多い。
 マリーも生涯修道院に仕えるつもりであり、その思いは三人に共通して、永遠に変わらないことをお互いに認識している。

「ちなみに今は恋人何人いるの?」
「いないよ、なんで複数前提なのさぁ。友達なら沢山いるけど。よかったら、恋人になる? マリアちゃんなら規則破ってもいいよ、しようよ、どう? 今夜あたり一緒に背徳感を味わって耽ってみる?」

 フレッドは思いっきり顔面強打される。
 あ、痛そう。フレッドは涙目で顔を押さえた。
 でも、にやにやしている。叩かれたのに、嬉しそうだ。反省していない様子。
 マリアはぎょっとしてから、はぁーと深いため息をついた。
 そりゃ、溜め息をつきたくなる気持ちもわかる。
 変態という病につける薬はないのだ。

「そういう淫らな行為はやましい友達と励んでくださいな。はぁー嫌になるわ、ほんと。……じゃあ、恋愛経験豊富なフレッド先生。危ない男目線でこれから社交界デビューのマリーになんかアドバイスある?」

 少し呆れ気味のマリアが問いかけると、フレッドは腕を組んでそれらしく考える。

「うーん、変な男に騙されないよう気をつけなよ。みんながみんな俺みたいにいいひとじゃないよ?」
「誰がいいひとよ」

 マリアはツッコミを入れるが、マリーにとってフレッドはほんとうにいい唯一の男友達だ。
 今日は急な任務にも関わらず、朝早くから用意して馬車で送ってくれた。
 王都に用があると言っていたが、手荷物の少ないフレッドの様子を見ればたぶん嘘だろう。

「マリアちゃんは俺の評価は辛口だけど……俺は純粋に友達としてマリーの身を案じてるんだよ」

 きっとマリーを心配して、わざわざついてきてくれたのだ。
 軽薄なことを言っているけど、友達思いなフレッド。
 ただ、ちょっと至近距離にフレッドの顔があって、手を握られているが、挨拶みたいなものだし、気にしないでおく。

「顔、近い!」

 すかさず、マリアが間に割る。

「マリー。フレッドはともかく、私はいつでも駆けつけるから、何かあってもなくてもちゃんと連絡してね。手紙でも電報でもなんでもいいわ。毎日待っているから、愛してるわ」

 マリーを抱きしめ、頭を撫でながらマリアは泣いた。かなり重い愛ではあるが、マリアも徹夜明けでついてきてくれた。
 彼女に関しては手荷物すらないから、本当に見送りだけのようだった。

「ありがとう、マリア」

 マリアの仄かに薔薇香りがする豊満な胸に抱きつぶされそうになるところをフレッドが「マリーが息できないよ」と言ってヒョイっと助けてくれた。

「でも、そろそろマリーも出世できるかと思うと嬉しいよ。コツコツ頑張ってきたの知っているからね。しっかりやりなよ」
「そうだね、ありがとう」

 フレッドは、睨みをきかせているマリアを軽く持ち上げ、片膝に乗せた。

「早く降ろして、やめてよ、どさくさに紛れてどこ触ってんのよっ、フレッド、セクハラよ、いつか断罪してやる!」

 フレッドに抱えられながら、マリアは悪態をつくが、フレッドは無視して、微笑む。

「いつまで怒ってるの。マリーもアリアちゃんも俺にとったら大事な妹みたいなものだよ」
「どうだか」

 マリアはそっぽ向いている。
 離してもらえず諦めたらしい。
 さすがフレッド。マリアを制御している。

「そうだ! 出世したらお祝いに三人で手を繋いでみんなに挨拶に行こうか?」

 何を思ったのか、フレッドの妙な提案だった。

「なにそれ、子供みたいじゃない」
「うちのマリーをこれからもよろしくって意味も込めて」
「私フレッドと手をつなぎたくないなぁ! 穢れる! 変な病気になる! 私はマリーだけがいい」
「またそんなつれない事を。こんなときぐらい、仲良くしようよぉ」
「今度あんたの半年分の給料全額で私とマリーに奢ってくれるなら考えてあげるわ。最近結構稼いでいるでしょう、あんた」
「俺、手を繋ぐだけでお金取られるの? 超割高。娼館よりえげつないな。割に合わないなー」

 マリアもなんだかんだ楽しそうだった。
 仲良し三人組。

 そこに性別も出生も関係ない。
 男女の愛も、生まれることがない。
 私たちは恋人より大切な友人だ。
 これはもう家族と呼ぶものかもしれない。

「それ、いいね! 任務終わったらみんなで行こう」
「フレッド、ちゃんと財布にたくさん札束入れておくのよ!」
「なんでそうなるのー」
「あんたの金は、私たちの金でしょ」
「金づるじゃん、それ」

 こういう時間がずっと続くとマリーは信じていた。
 十年過ごした田園風景の中にある厳かな修道院を後にする。
 生い茂る草木の匂いも、新鮮な果物の味も、そこに暮らす人々の暖かさも全部好きだった。


 大好きだった。
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