9 / 169
恋人ごっこまでの経緯
茜空の刻
しおりを挟む
マリーは男のエメラルドともサファイアとも言えない色の澄んだ瞳に見つめられると、時が止まったように何も言えなくなった。
(凛々しい眉に、研ぎ澄まされた曇りひとつない綺麗な色、白い肌。顔面がーー綺麗すぎる)
マリーは呆然と立ちすくむ。
年齢は20代半ばから後半あたりだろうが、落ち着き過ぎている雰囲気からもっと上なのかもしれない。
(フレッドとか美形だけど、それとは違う。何だろうこの違和感。整い過ぎた顔つきは冷たさとか無情さを感じるのに、神聖というか……人らしくないんだ。次元の問題? まるで絵画を眺めてるみたいだわ。それでもって、すごく……)
「おい、聞いているのか?」
男のやけに通る声にはっと我に帰る。
「え、えっと…雨が降ってきて、私、絵を描くんですけど、画材が濡れたら困るので雨宿りさせて頂きたいんですが…神父さんはいらっしゃいますか?」
「誰もいるわけないだろう。今日は婚礼で私だけだ」
腕を組み、ピシャリと言い放つ。
「あの……」
「まだ何か?」
不機嫌そうに形のいい眉が上がる。
初対面のどこぞの娘か分からぬ私に対して、愛想どころか『1ミリも関わりたくないわ!』という拒否すら感じて、いい感じではない。
でも、その態度を差し引いても、すごく魅力的だったのだ。
修道院に関わる貴族は慈善事業に力の入れている紳士ばかりで、あまり巡りあわない『ザ貴族様タイプ』だったが、肌がぞわりとするぐらいの、不思議な魅力があった。
見つめていると心地よくなる顔がある。
耳に響く、低くかすれたいい声。
澄ましているのに、見つめれば見つめるほど綺麗で、完璧で、ケチのつけようがない。
理想だった。
マリーは昔の婚約者のトラウマから偉そうな男性があまり得意ではない。普段だったら、嫌で絶対避けるタイプなのに。でも。だめなんだけど。でも。
(はじめて人を描きたい、描き残したいと思った。今までは風景として人を描くこともあったけど、こんなにも単独で彼だけを描きたいーーこの不思議な感覚はなんだろう)
「よかったらすこしーー」
ほんの少しの間でいいから絵のモデルになってほしいと言いかけた時、魔本が暴れて中に残っていた蝶が飛び出すとともにスケッチ途中の紙が宙を舞う。
「あーーっ」
マリーの蝶はマリーの意思関係なく、時々飛び出すことがあった。
まだまだ未熟者なのだ。
ひらひらと気まぐれに蝶は飛んでいる。
マリーは足元に散らばった紙を拾いあつめるが、男は腕を組み突っ立ったまま見下ろしていた。すごくすごく偉そうだった。一緒に拾ってくれることなんてなく、ただマリーはせっせと拾う。
マリーが男の足元の紙を拾おうとしたとき、その視線と重なり、刃物のような鋭利な眼差しに囚われて身動きがとれなくなった。
「この絵の風景は辺境地か?」
マリーは男の声かけにはっと我に帰る。
男は蝶が本から飛び出したのはことについては言及しなかった。
王都であるから、このような簡単な術は珍しくもないのかもしれない。
「……ええ、私の故郷なんです」
マリーは最後の一枚を拾い上げる。
「国境付近は何度も行ったことがあるが……よく描けている。……いつも変わらない風景だな」
田園風景と働く人々の絵だった。
マリーがよく描く、修道院で暮らす人々の暮らし。
コンクールでは入賞に届かない画題だったが、男は感心したように見ていた。このように絵を褒められると、素直にうれしい。どんなことを褒められるより、気分が良く、つい微笑んでしまう。
「国境付近は城壁や結界のイメージが強いですけど、自然がとても素敵なところなんですよ」
自分の描いたものを、自分の故郷――修道院を褒められたようで嬉しかった。
彼はすこし冷たい雰囲気があるし、眼差しは強いけれど、案外話してみると怖くないのかもしれない。
衣服から貴族か王家関係者かと思ったが、こんな日にこんな古ぼけた教会にいるはずないし、辺境に行ったことがあるなら、地位のある軍人かもしれない。
「えっと、私、マ、ローゼと言います! ご無礼承知でお願いします。どうか、雨の上がるまでの間だけ絵のモデルになっていただけませんか?」
「……私が?」
男は一瞬虚をついたような顔をしたが、すぐに眉根をよせて不機嫌そうになった。
「私次のコンクールで成績を残さないといけないんです。諦めたくないんです! ずっと動物とか景色ばかり書いてました。でも、人の心を動かすのは人だと思います。こんなにもひとりの人について描きたいと思ったのははじめてなんです」
初対面で高貴な人に不敬罪になるかもと思いながら真摯に訴える。
男はほんの僅かながら瞳に狼狽の色を見せていた。
「私の事を……知らないのか?」
マリーは男が何を言っているかわからなかった。
初対面で知っているはずがないし、高貴な知り合いもいない。
有名な貴公子なのかもしれないが、二日前に王都に来たマリーが彼を知るはずもない。
社交界デビューもしていないのに。
「申し訳ありません、あなた……高貴な方ですよね。私は王都に先日来たばかりでして、あなたをご存知あげません。でも、あなたのとても綺麗な瞳に見惚れてしまいました。神秘の水底のような私の言葉では表現しきれない深く、美しい色のです。息を呑むほど…綺麗で、好きです」
マリーは真摯に訴えているつもりだった。
嘘偽りなんてない。好きだった。
どくん、どくん。
胸が高鳴り、頬が赤くなるほど好きだった。身体が芯から熱を伴うほど、彼を求めていた。好き。大好き。愛してる。それは恋ではない。
(最高のモデルだわ!!)
本気で男のことが『題材』として、純粋に好きだった。
「…………」
「その澄んだ高貴なお顔も、優雅な立姿も、陽の光を浴びた事が無いような白すぎる肌も好きです」
「…………」
男は黙り込んでいる。
マリーはつい熱くなり過ぎて、主張するたび前のめりに一歩ずつ男に近づき、すぐ目の前に男の端正な顔があった。
頭1つ分以上背の高い男は、顔色ひとつ変えず、マリーを見下ろしていた。
マリーの言葉は、聞き方によってはある意味愛の告白に聞こえるかもしれないが、マリーは気づいてない。
ただお願いをするときは真摯に、真っ直ぐ見据えて、心を込めてお願いするだけだ。
大抵の男ーーいつもマリーが題材にしてる修道士たちや農夫はここで容易く描かせてくれるが、なかなか手強かった。
さすが高貴な方だ。
高い誇りを持っている人種なんだろう。
「どこのどなたか存じ上げませんが、そんな事はどうでもいいのです。……好きなんです!」
「……」
「どうか、どうか、お願いします。その素敵な『お顔』を描かせてくれませんか?! 後悔はさせません、美しく、描いてみせますッ」
「…………ああ、絵の事だったな」
相手は微かな声で呟いた。
男は、しばらく何をするわけでもなく、じろじろマリーを見ていた。
(ああ、やっぱり、だめか。そりゃあそうだよね。結構ストレートにいっちゃったから怒ってるよね。男のひとに綺麗なんて)
断られると思ったとき、男の形の良い唇が微かに弧を描く。
「私に何か貴様のモデルとやらになって、得があるのか? まぁ、それなりの報酬があるなら考えてやらんこともないが、持ち合わせているように見えないな」
「そ、それは……」
(タダではしてくれないって事?)
断られると思っていたため、まだ少し希望の光があることを知り、自分がこの男のためにできる、価値があるお礼を考え巡らす。
マリーが考えつく前に男が述べた。
「……新手のいやがらせタイプの刺客ってこともありえなくもないな。ただの小娘ではあるまい。めずらしい術も使うのだろう?」
男の品定めするかのように視線が這う。
「まぁ、ただの世間知らずの小娘でも、間抜けな刺客でもなんでもいい。いつもなら怪しいやつは即効で始末するんだが……」
そういえば今日は王族の結婚式であった。
無駄な殺生は控えるべきなんだろう。
「貴様の遊びに付き合ってやる。ただしーー」
男は徐に上衣から豪奢な宝石が連なるピアスを取り出し、左耳につけた。
「この耳飾りに貴様が触れることができたらだ。どんな手を使っても構わない。……すこしはできるのだろう? 退屈しのぎに付き合ってやる」
男は腕を組み、不遜な態度でマリーに微笑みかけた。
やや大振りで長いピアスがきらきらと西陽を浴びて輝いた。
(凛々しい眉に、研ぎ澄まされた曇りひとつない綺麗な色、白い肌。顔面がーー綺麗すぎる)
マリーは呆然と立ちすくむ。
年齢は20代半ばから後半あたりだろうが、落ち着き過ぎている雰囲気からもっと上なのかもしれない。
(フレッドとか美形だけど、それとは違う。何だろうこの違和感。整い過ぎた顔つきは冷たさとか無情さを感じるのに、神聖というか……人らしくないんだ。次元の問題? まるで絵画を眺めてるみたいだわ。それでもって、すごく……)
「おい、聞いているのか?」
男のやけに通る声にはっと我に帰る。
「え、えっと…雨が降ってきて、私、絵を描くんですけど、画材が濡れたら困るので雨宿りさせて頂きたいんですが…神父さんはいらっしゃいますか?」
「誰もいるわけないだろう。今日は婚礼で私だけだ」
腕を組み、ピシャリと言い放つ。
「あの……」
「まだ何か?」
不機嫌そうに形のいい眉が上がる。
初対面のどこぞの娘か分からぬ私に対して、愛想どころか『1ミリも関わりたくないわ!』という拒否すら感じて、いい感じではない。
でも、その態度を差し引いても、すごく魅力的だったのだ。
修道院に関わる貴族は慈善事業に力の入れている紳士ばかりで、あまり巡りあわない『ザ貴族様タイプ』だったが、肌がぞわりとするぐらいの、不思議な魅力があった。
見つめていると心地よくなる顔がある。
耳に響く、低くかすれたいい声。
澄ましているのに、見つめれば見つめるほど綺麗で、完璧で、ケチのつけようがない。
理想だった。
マリーは昔の婚約者のトラウマから偉そうな男性があまり得意ではない。普段だったら、嫌で絶対避けるタイプなのに。でも。だめなんだけど。でも。
(はじめて人を描きたい、描き残したいと思った。今までは風景として人を描くこともあったけど、こんなにも単独で彼だけを描きたいーーこの不思議な感覚はなんだろう)
「よかったらすこしーー」
ほんの少しの間でいいから絵のモデルになってほしいと言いかけた時、魔本が暴れて中に残っていた蝶が飛び出すとともにスケッチ途中の紙が宙を舞う。
「あーーっ」
マリーの蝶はマリーの意思関係なく、時々飛び出すことがあった。
まだまだ未熟者なのだ。
ひらひらと気まぐれに蝶は飛んでいる。
マリーは足元に散らばった紙を拾いあつめるが、男は腕を組み突っ立ったまま見下ろしていた。すごくすごく偉そうだった。一緒に拾ってくれることなんてなく、ただマリーはせっせと拾う。
マリーが男の足元の紙を拾おうとしたとき、その視線と重なり、刃物のような鋭利な眼差しに囚われて身動きがとれなくなった。
「この絵の風景は辺境地か?」
マリーは男の声かけにはっと我に帰る。
男は蝶が本から飛び出したのはことについては言及しなかった。
王都であるから、このような簡単な術は珍しくもないのかもしれない。
「……ええ、私の故郷なんです」
マリーは最後の一枚を拾い上げる。
「国境付近は何度も行ったことがあるが……よく描けている。……いつも変わらない風景だな」
田園風景と働く人々の絵だった。
マリーがよく描く、修道院で暮らす人々の暮らし。
コンクールでは入賞に届かない画題だったが、男は感心したように見ていた。このように絵を褒められると、素直にうれしい。どんなことを褒められるより、気分が良く、つい微笑んでしまう。
「国境付近は城壁や結界のイメージが強いですけど、自然がとても素敵なところなんですよ」
自分の描いたものを、自分の故郷――修道院を褒められたようで嬉しかった。
彼はすこし冷たい雰囲気があるし、眼差しは強いけれど、案外話してみると怖くないのかもしれない。
衣服から貴族か王家関係者かと思ったが、こんな日にこんな古ぼけた教会にいるはずないし、辺境に行ったことがあるなら、地位のある軍人かもしれない。
「えっと、私、マ、ローゼと言います! ご無礼承知でお願いします。どうか、雨の上がるまでの間だけ絵のモデルになっていただけませんか?」
「……私が?」
男は一瞬虚をついたような顔をしたが、すぐに眉根をよせて不機嫌そうになった。
「私次のコンクールで成績を残さないといけないんです。諦めたくないんです! ずっと動物とか景色ばかり書いてました。でも、人の心を動かすのは人だと思います。こんなにもひとりの人について描きたいと思ったのははじめてなんです」
初対面で高貴な人に不敬罪になるかもと思いながら真摯に訴える。
男はほんの僅かながら瞳に狼狽の色を見せていた。
「私の事を……知らないのか?」
マリーは男が何を言っているかわからなかった。
初対面で知っているはずがないし、高貴な知り合いもいない。
有名な貴公子なのかもしれないが、二日前に王都に来たマリーが彼を知るはずもない。
社交界デビューもしていないのに。
「申し訳ありません、あなた……高貴な方ですよね。私は王都に先日来たばかりでして、あなたをご存知あげません。でも、あなたのとても綺麗な瞳に見惚れてしまいました。神秘の水底のような私の言葉では表現しきれない深く、美しい色のです。息を呑むほど…綺麗で、好きです」
マリーは真摯に訴えているつもりだった。
嘘偽りなんてない。好きだった。
どくん、どくん。
胸が高鳴り、頬が赤くなるほど好きだった。身体が芯から熱を伴うほど、彼を求めていた。好き。大好き。愛してる。それは恋ではない。
(最高のモデルだわ!!)
本気で男のことが『題材』として、純粋に好きだった。
「…………」
「その澄んだ高貴なお顔も、優雅な立姿も、陽の光を浴びた事が無いような白すぎる肌も好きです」
「…………」
男は黙り込んでいる。
マリーはつい熱くなり過ぎて、主張するたび前のめりに一歩ずつ男に近づき、すぐ目の前に男の端正な顔があった。
頭1つ分以上背の高い男は、顔色ひとつ変えず、マリーを見下ろしていた。
マリーの言葉は、聞き方によってはある意味愛の告白に聞こえるかもしれないが、マリーは気づいてない。
ただお願いをするときは真摯に、真っ直ぐ見据えて、心を込めてお願いするだけだ。
大抵の男ーーいつもマリーが題材にしてる修道士たちや農夫はここで容易く描かせてくれるが、なかなか手強かった。
さすが高貴な方だ。
高い誇りを持っている人種なんだろう。
「どこのどなたか存じ上げませんが、そんな事はどうでもいいのです。……好きなんです!」
「……」
「どうか、どうか、お願いします。その素敵な『お顔』を描かせてくれませんか?! 後悔はさせません、美しく、描いてみせますッ」
「…………ああ、絵の事だったな」
相手は微かな声で呟いた。
男は、しばらく何をするわけでもなく、じろじろマリーを見ていた。
(ああ、やっぱり、だめか。そりゃあそうだよね。結構ストレートにいっちゃったから怒ってるよね。男のひとに綺麗なんて)
断られると思ったとき、男の形の良い唇が微かに弧を描く。
「私に何か貴様のモデルとやらになって、得があるのか? まぁ、それなりの報酬があるなら考えてやらんこともないが、持ち合わせているように見えないな」
「そ、それは……」
(タダではしてくれないって事?)
断られると思っていたため、まだ少し希望の光があることを知り、自分がこの男のためにできる、価値があるお礼を考え巡らす。
マリーが考えつく前に男が述べた。
「……新手のいやがらせタイプの刺客ってこともありえなくもないな。ただの小娘ではあるまい。めずらしい術も使うのだろう?」
男の品定めするかのように視線が這う。
「まぁ、ただの世間知らずの小娘でも、間抜けな刺客でもなんでもいい。いつもなら怪しいやつは即効で始末するんだが……」
そういえば今日は王族の結婚式であった。
無駄な殺生は控えるべきなんだろう。
「貴様の遊びに付き合ってやる。ただしーー」
男は徐に上衣から豪奢な宝石が連なるピアスを取り出し、左耳につけた。
「この耳飾りに貴様が触れることができたらだ。どんな手を使っても構わない。……すこしはできるのだろう? 退屈しのぎに付き合ってやる」
男は腕を組み、不遜な態度でマリーに微笑みかけた。
やや大振りで長いピアスがきらきらと西陽を浴びて輝いた。
0
お気に入りに追加
312
あなたにおすすめの小説

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる