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恋人ごっこまでの経緯
王都と気まぐれな鳳蝶
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『魔物のような強さ、大陸震撼、我ら氷華殿下敵なしか? 騎士は語る』
『独裁反対、武力行使に反発。無慈悲な氷華殿下。民衆はどうすべきか? 戦争反対コラム』
『王族の歴史と氷華殿下伝説。神の領域に迫る王族』
新聞にデカデカと載っている功績、政治論文、歴史云々の紹介。
毎日氷華殿下多くないかな? とマリーは思った。
氷華殿下以外の記事は結婚間近のテオフィルについての『サラ姫と結ばれるまでの愛の言葉詩集 テオフィル殿下監修』『二人の愛を温めた手紙 あなたに会えない寂しい夜の過ごし方 まとめ』などの赤裸々な特集、結婚相手のサラの『殿下の好きな所100選♡』などの新婚お花畑なインタビューなどの王族関連の記事ばかりだ。
兄弟揃って違う意味で紙面を騒がせている。もはや王族は民衆のアイドルというか娯楽化している。それでいいのか、王族。ローズライン王国。
ちなみに真面目な話、世間に疎いマリーでも、氷華殿下の「クリスタル伝説」はさすがに知っている。
王宮の離れにある、クリスタルの街。
その町は今から数十年前、当時十二歳だった氷華殿下の怒りに触れ、町ごと時が止まったように凍らされたらしい。
今でも当時のまま、水晶のように永遠に凍てつく町だ。
それから王家に対する表面的な謀叛者はかなり減ったという。
確か氷華殿下は第一王子だったな。
記事には散々書かれているのに表舞台にはめったに出てこない不思議な人物だ。
えっと、姓は泉の神に因んでスウルス・メイルアンテリュールだったはず。
名前は、割と平凡なお名前だった気がするが、皆が『氷華殿下』と呼んでいるからなかなか思い出せない。
でもまぁ、伝説だって修道院だって、庶民たちがおもしろおかしく誇張されて伝えられている部分もあるだろうからどこまでが真実かは分からないとマリーは思った。
(並外れた能力は真実らしいけど……)
人ではなく、人離れした化け物と呼ぶ人もいる。
いくら、異能があったとしても、普通は手品程度だったり、生産性のあるものだったりする。
時には軍事力に利用されたりするが、使い物になるのは稀だ。
(ひとりで国を滅ぼすって人間兵器? どんな魔器使いなのかしら)
噂では死者も甦らして、各国の教会から訴えられていたり、などなど。
大変忙しい人だった。いろんな意味で話題。社交界には姿を現さない謎に満ちた王子様だ。
だが、そんな事よりも、今日は人望厚い王子の結婚式。
無事、フレッドに送られて二日前に到着した。
(本当に間に合ってよかった)
しばらくユートゥルナのつてで滞在させていただく貴族は教会の息のかかったブラン侯爵で、侯爵は子供に恵まれなかったことから暖かく迎えてくれた。
ついでに贔屓にしている画廊のレオナルドを紹介してくれたため、絵の勉強もできることになった。王都に来てついている。なんか、いい事ばっかりだ。
お菓子は美味しいし、侯爵夫妻は優しいし、絵は学べるし、修道院よりゆっくりできて身体の調子もいい。
さて。王子の結婚式パレードまで二時間ほど時間がある。
先ほどお菓子作りが好きな侯爵夫人がクリスタライドローズ、イートンメス、薔薇ケーキをお勉強のお供にと差し入れしてくれた。
クリスタライドローズは薔薇の花びらに砂糖を絡ませた香りのよいキラキラしたお菓子。
イートンメスはポイップクリームを焼いてメレンゲや果物を混ぜたお菓子に薔薇のジャムで頂くもので、どちらも薔薇の都らしい華やかなお菓子だ。
しばらくとミルクティーと薔薇のお菓子たちをお供に、あてになるか分からないけど一応貸してもらったので、ユートゥルナ著書でも読むことにした。
********
ゴーン、ゴーン。
厳かな教会の鐘が街中に響き渡る。
ローズライン王国の首都は第二王子の婚姻で、どこもかしこも騒がしかった。
街中がお祝いムードだ。
お世話になっている侯爵に婚礼パレードを観てきても良いと許しを得たマリーは喧騒の中で立ち尽くしていた。
(全然見えない……)
一度もお目にかかれたことがない王子も、異国の花嫁も、人混みで全然見えない。
(来た意味なかったなぁ)
宝石と形容される姫君の美しいピンクブロンドの髪を見てみたかった。
御伽話から出てきたような正統派テオフィル王子も。
社交界デビューでもすれば、拝見できるだろうが、なにせ今日は滅多にない王族の結婚式。
政略結婚の形ではあるが、積年の恋を実らせたという仲睦まじい二人を見てみたかった。
婚約破棄の危機を乗り越えたふたりの、愛に溢れる素敵な瞬間はその時しか見れない。
それを目に焼き付けて描いてみたかった。
どんなふうに手を取り合って、微笑み合うのだろう。
どの角度で甘く口づけるのか。
幸せは、どの瞬間に色濃くなるのか。記憶に焼き付くのか。
(たしかサラ姫は私と同い年だっけ?)
そこには、マリーの体験したことのない愛とか恋がある。
漠然と羨ましくもあるが、修道女として自分には手の入らない感情だと認識している。もし、相手が居たら、どんなひとと結婚するのだろう。優しいかな、穏やかな人かな、背は高いかな、ってたまには夢を膨らまして妄想して見るのもいい。
結婚式は修道女として聖歌隊ではなく、蝶の芸(入退場に蝶を飛ばす)で呼ばれる事が多いが、どれも好きだった。
厳かな式も、ラフな簡素のものも。
何より人の幸せな様子を見るのが純粋に好きだった。単に野次馬なのかもしれないが。
(結婚式は素敵)
他の令嬢は羨むばかりの立派な結婚式。素敵、だけど。
でも、それよりもマリーには夢があった。
来ることのない自身の王子様が現れるのを待つ夢より、も大切な夢。
マリーには少しばかりではあるが異能がある。
大それたものではないが、魔本という魔法石を織り交ぜた本に描くと絵が生き物に変わるのだ。
それは蝶だったり、鳩だったり、花だったり、小さなものであり、戦闘には不向きではある。
しかし、いつかこの力で人々が平和になる日が来たらと本気で考えていた。生きている限り、誰かの役に立ちたいものだ。こんな自分でも。いつか。
マリーは魔本に手際よく無数の蝶を描く。
描き上がると、魔本から勢いよく様々な色の鳳蝶が飛んでいった。
「お幸せに王子様。素敵なお姫様。私の分まで」
マリーから、まだ見ぬ二人に細やかな贈り物だった。
********
パレード見物を諦めたマリーは、折角、城の近くまで来たのだから、スケッチでもしようと思って辺りを彷徨っていた。絵を描くのに、いい場所を探していたが、人が多すぎてどこもそれどころではなかった。
城の周りが人! 人! 人! だ。
たぶん、他の領地からも来ているんだろうな。
ずっと行きたかった画材の店もお休みで、王子もいない。
今日は絶好調だったのに今は少し損した気分だった。
まぁ、最近運動不足だったから、いい運動になったかな? とポジティブに考えてみる。
こういうときこそ、想像力を働かせて絵を描いてみるってどうだろう。
王子様の結婚。
美形の姫と神聖な感じで二人並んでーーうーん。
実物見てないからなぁ。
じゃあ、官能的な初夜……いや、私が未経験過ぎて謎過ぎる。
そもそも画題に官能はいるのか?
そんな事考えながら空を見上げるとぽつぽつ雨混じりの雪が降ってきた。
時刻はもう夕暮れ。
この日のために揃えた画材が濡れてしまっては大変だ。
あたりを見回すと城の城壁の外れに小さな古ぼけた教会がある。
あそこで雨宿りさせてもらおう。
万が一に備えて持ってきた魔本や今まで書き留めたスケッチが濡れてしまったら困る。
マリーは荷物を庇うように走り、急いで教会に入る。
おかげで自身は濡れてしまったが、荷物が無事だったのでほっとする。
教会は近くで見ると窓のステンドグラスが美しく芸術的だった。
マリーは雨が強くなって来たので、急いで教会の重い扉を開いた。
中は一般的な作りのこじんまりとした教会であったが、一番奥に壁に作り付けの天井まであるパイプオルガンが印象的であった。
そのパイプオルガンのすぐ側に立つ後ろ姿は神父だろうか。
ちょうどいい。神父に理由を話して、少し居させてもらおう。
どうせ、参拝者はいないはずーー。
しかし振り返った人影は神父ではなかった。
赤い絨毯の先には、白地に金の刺繍が入ったいかにも貴族らしい正装の男がいた。
輝くようなプラチナブロンドに、深い湖のような青とも緑とも言えないややつり目の瞳、優雅な立ち姿。
程よく筋肉があるのか、均整のとれた身体は細めだが肩幅はある。
なによりシミひとつない美しい、白い肌。
固く結んだ唇は不満げだが、彼の透明感のある美しいさを損なわない。
端正過ぎて、冷たさを感じるが、それ自体も芸術的だった。
第二王子は美しいと聞いたが、ここにいるわけない。
じーっと見つめるマリーを怪訝そうに見た男は、
「なんだ、貴様は。私に用か?」
とやや低いが落ち着きのある、すこし吐息のような甘さを含んだ声で言った。
生まれてはじめて、身体の奥が甘く疼いた気がした。
『独裁反対、武力行使に反発。無慈悲な氷華殿下。民衆はどうすべきか? 戦争反対コラム』
『王族の歴史と氷華殿下伝説。神の領域に迫る王族』
新聞にデカデカと載っている功績、政治論文、歴史云々の紹介。
毎日氷華殿下多くないかな? とマリーは思った。
氷華殿下以外の記事は結婚間近のテオフィルについての『サラ姫と結ばれるまでの愛の言葉詩集 テオフィル殿下監修』『二人の愛を温めた手紙 あなたに会えない寂しい夜の過ごし方 まとめ』などの赤裸々な特集、結婚相手のサラの『殿下の好きな所100選♡』などの新婚お花畑なインタビューなどの王族関連の記事ばかりだ。
兄弟揃って違う意味で紙面を騒がせている。もはや王族は民衆のアイドルというか娯楽化している。それでいいのか、王族。ローズライン王国。
ちなみに真面目な話、世間に疎いマリーでも、氷華殿下の「クリスタル伝説」はさすがに知っている。
王宮の離れにある、クリスタルの街。
その町は今から数十年前、当時十二歳だった氷華殿下の怒りに触れ、町ごと時が止まったように凍らされたらしい。
今でも当時のまま、水晶のように永遠に凍てつく町だ。
それから王家に対する表面的な謀叛者はかなり減ったという。
確か氷華殿下は第一王子だったな。
記事には散々書かれているのに表舞台にはめったに出てこない不思議な人物だ。
えっと、姓は泉の神に因んでスウルス・メイルアンテリュールだったはず。
名前は、割と平凡なお名前だった気がするが、皆が『氷華殿下』と呼んでいるからなかなか思い出せない。
でもまぁ、伝説だって修道院だって、庶民たちがおもしろおかしく誇張されて伝えられている部分もあるだろうからどこまでが真実かは分からないとマリーは思った。
(並外れた能力は真実らしいけど……)
人ではなく、人離れした化け物と呼ぶ人もいる。
いくら、異能があったとしても、普通は手品程度だったり、生産性のあるものだったりする。
時には軍事力に利用されたりするが、使い物になるのは稀だ。
(ひとりで国を滅ぼすって人間兵器? どんな魔器使いなのかしら)
噂では死者も甦らして、各国の教会から訴えられていたり、などなど。
大変忙しい人だった。いろんな意味で話題。社交界には姿を現さない謎に満ちた王子様だ。
だが、そんな事よりも、今日は人望厚い王子の結婚式。
無事、フレッドに送られて二日前に到着した。
(本当に間に合ってよかった)
しばらくユートゥルナのつてで滞在させていただく貴族は教会の息のかかったブラン侯爵で、侯爵は子供に恵まれなかったことから暖かく迎えてくれた。
ついでに贔屓にしている画廊のレオナルドを紹介してくれたため、絵の勉強もできることになった。王都に来てついている。なんか、いい事ばっかりだ。
お菓子は美味しいし、侯爵夫妻は優しいし、絵は学べるし、修道院よりゆっくりできて身体の調子もいい。
さて。王子の結婚式パレードまで二時間ほど時間がある。
先ほどお菓子作りが好きな侯爵夫人がクリスタライドローズ、イートンメス、薔薇ケーキをお勉強のお供にと差し入れしてくれた。
クリスタライドローズは薔薇の花びらに砂糖を絡ませた香りのよいキラキラしたお菓子。
イートンメスはポイップクリームを焼いてメレンゲや果物を混ぜたお菓子に薔薇のジャムで頂くもので、どちらも薔薇の都らしい華やかなお菓子だ。
しばらくとミルクティーと薔薇のお菓子たちをお供に、あてになるか分からないけど一応貸してもらったので、ユートゥルナ著書でも読むことにした。
********
ゴーン、ゴーン。
厳かな教会の鐘が街中に響き渡る。
ローズライン王国の首都は第二王子の婚姻で、どこもかしこも騒がしかった。
街中がお祝いムードだ。
お世話になっている侯爵に婚礼パレードを観てきても良いと許しを得たマリーは喧騒の中で立ち尽くしていた。
(全然見えない……)
一度もお目にかかれたことがない王子も、異国の花嫁も、人混みで全然見えない。
(来た意味なかったなぁ)
宝石と形容される姫君の美しいピンクブロンドの髪を見てみたかった。
御伽話から出てきたような正統派テオフィル王子も。
社交界デビューでもすれば、拝見できるだろうが、なにせ今日は滅多にない王族の結婚式。
政略結婚の形ではあるが、積年の恋を実らせたという仲睦まじい二人を見てみたかった。
婚約破棄の危機を乗り越えたふたりの、愛に溢れる素敵な瞬間はその時しか見れない。
それを目に焼き付けて描いてみたかった。
どんなふうに手を取り合って、微笑み合うのだろう。
どの角度で甘く口づけるのか。
幸せは、どの瞬間に色濃くなるのか。記憶に焼き付くのか。
(たしかサラ姫は私と同い年だっけ?)
そこには、マリーの体験したことのない愛とか恋がある。
漠然と羨ましくもあるが、修道女として自分には手の入らない感情だと認識している。もし、相手が居たら、どんなひとと結婚するのだろう。優しいかな、穏やかな人かな、背は高いかな、ってたまには夢を膨らまして妄想して見るのもいい。
結婚式は修道女として聖歌隊ではなく、蝶の芸(入退場に蝶を飛ばす)で呼ばれる事が多いが、どれも好きだった。
厳かな式も、ラフな簡素のものも。
何より人の幸せな様子を見るのが純粋に好きだった。単に野次馬なのかもしれないが。
(結婚式は素敵)
他の令嬢は羨むばかりの立派な結婚式。素敵、だけど。
でも、それよりもマリーには夢があった。
来ることのない自身の王子様が現れるのを待つ夢より、も大切な夢。
マリーには少しばかりではあるが異能がある。
大それたものではないが、魔本という魔法石を織り交ぜた本に描くと絵が生き物に変わるのだ。
それは蝶だったり、鳩だったり、花だったり、小さなものであり、戦闘には不向きではある。
しかし、いつかこの力で人々が平和になる日が来たらと本気で考えていた。生きている限り、誰かの役に立ちたいものだ。こんな自分でも。いつか。
マリーは魔本に手際よく無数の蝶を描く。
描き上がると、魔本から勢いよく様々な色の鳳蝶が飛んでいった。
「お幸せに王子様。素敵なお姫様。私の分まで」
マリーから、まだ見ぬ二人に細やかな贈り物だった。
********
パレード見物を諦めたマリーは、折角、城の近くまで来たのだから、スケッチでもしようと思って辺りを彷徨っていた。絵を描くのに、いい場所を探していたが、人が多すぎてどこもそれどころではなかった。
城の周りが人! 人! 人! だ。
たぶん、他の領地からも来ているんだろうな。
ずっと行きたかった画材の店もお休みで、王子もいない。
今日は絶好調だったのに今は少し損した気分だった。
まぁ、最近運動不足だったから、いい運動になったかな? とポジティブに考えてみる。
こういうときこそ、想像力を働かせて絵を描いてみるってどうだろう。
王子様の結婚。
美形の姫と神聖な感じで二人並んでーーうーん。
実物見てないからなぁ。
じゃあ、官能的な初夜……いや、私が未経験過ぎて謎過ぎる。
そもそも画題に官能はいるのか?
そんな事考えながら空を見上げるとぽつぽつ雨混じりの雪が降ってきた。
時刻はもう夕暮れ。
この日のために揃えた画材が濡れてしまっては大変だ。
あたりを見回すと城の城壁の外れに小さな古ぼけた教会がある。
あそこで雨宿りさせてもらおう。
万が一に備えて持ってきた魔本や今まで書き留めたスケッチが濡れてしまったら困る。
マリーは荷物を庇うように走り、急いで教会に入る。
おかげで自身は濡れてしまったが、荷物が無事だったのでほっとする。
教会は近くで見ると窓のステンドグラスが美しく芸術的だった。
マリーは雨が強くなって来たので、急いで教会の重い扉を開いた。
中は一般的な作りのこじんまりとした教会であったが、一番奥に壁に作り付けの天井まであるパイプオルガンが印象的であった。
そのパイプオルガンのすぐ側に立つ後ろ姿は神父だろうか。
ちょうどいい。神父に理由を話して、少し居させてもらおう。
どうせ、参拝者はいないはずーー。
しかし振り返った人影は神父ではなかった。
赤い絨毯の先には、白地に金の刺繍が入ったいかにも貴族らしい正装の男がいた。
輝くようなプラチナブロンドに、深い湖のような青とも緑とも言えないややつり目の瞳、優雅な立ち姿。
程よく筋肉があるのか、均整のとれた身体は細めだが肩幅はある。
なによりシミひとつない美しい、白い肌。
固く結んだ唇は不満げだが、彼の透明感のある美しいさを損なわない。
端正過ぎて、冷たさを感じるが、それ自体も芸術的だった。
第二王子は美しいと聞いたが、ここにいるわけない。
じーっと見つめるマリーを怪訝そうに見た男は、
「なんだ、貴様は。私に用か?」
とやや低いが落ち着きのある、すこし吐息のような甘さを含んだ声で言った。
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