私は修道女なので結婚できません。私の事は忘れて下さい、お願いします。〜冷酷非情王子は修道女を好きらしいので、どこまでも追いかけて来ます〜

舞花

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恋人ごっこまでの経緯

結婚式に不似合いな参列者

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 時は少し遡る。

 その日はローズライン王国第一王子であるリシャール・スウルス・メイルアンテリュールにとって生涯忘れられない事ばかり起きた日だった。

 リシャールは戦を休戦し、母国に帰還して、親族席ではなくひっそりと壁際に立ち、弟の結婚式に参加していた。

 厳かな教会の鐘音が首都クリスタルロード響き渡っていた。
 雪国であるクリスタルロードは四月初めだというのに雪が散らつき、人々はまだ冬の装いに身を包んでいた。
 空を舞う雪の花弁は固く蕾を閉ざした街路樹に化粧を施している。
 吐く息は白く曇り、手先は手袋がないとかじかむほど寒いのに、人々は熱気に包まれていた。

 雪が降り積もる中、リシャールの弟であるローズライン王国第二王子テオフィル・スウルス・メイルアンテリュールの婚姻が行われていたのだ。
 王族、他国からの使者、各領地の貴族が沢山集まった。
 そればかりではなく、王家の敷地内にある教会には入れない民衆もお披露目パレードを心待ちにし、街はいつになく活気づいていた。

 第二王子テオフィルは人当たりがよく、いつも民衆の声に耳を傾ける人物であった。
 リシャールにとって自慢の弟だ。

 テオフィルは嘆願書があれば自ら民衆の声を聞きに現地に訪れる。
 どのような人物でも一度は話を聞くし、人種や人となりで人を軽蔑することもない。
 戦いも好まず、律儀で生真面目、人当たりもよくーー市民からの支持を得ている。

 『一刻も早く地獄に落ちろ』とか『早くクタバレ悪魔、存在することを地球に謝れ』とか、『お前の様な人でなし呪い殺してやる、早く王族辞めろ犯罪者』と言われるリシャールとは大違いだった。
 だから、そんなリシャールと比較して、テオフィルを英雄などと讃える者もいる。
 ちなみにリシャールは悪魔とか化け物とか犯罪者とか、悪口しか言われない。

 テオフィルは社交界でも人付き合いがよく、非の打ち所がない青年だった。
 いい人だった。
 しかも、イケメンだった。

 嫌われ者のリシャールとは違い、みんな大好き、テオフィルだ。
 テオフィルには身分関係なく追っかけがいるばかりではなく、新聞でも美談が語られ、死んでないのに伝記が発売されている。
 ファンブックも無茶苦茶売れている。

 それもそのはず。
 テオフィルは深い慈愛を持ち合わせているだけではなく、まるで御伽話から出てきたような輝く金髪、淡い青瞳、微笑む姿は白馬に乗った王子様の典型的な容貌だ。
 世の女性、いや老若男女は彼を好きにならないわけがなかった。

 だから、リシャールにとってテオフィルは、本当に自慢の弟だった。
 そして今日、リシャールが小さいころから守ってきた、あんなに小さかった弟が結婚する。

 リシャールは涙、出ないけれど、嬉しかった。
 今日はみんなの人気者、テオフィルの婚礼なのだ。

 皆、待ちに待った王子テオフィルの結婚で、明るい国の未来に期待を寄せていた。
 ファンはテオフィルロスで世界の終わりみたいな顔をして泣き叫んでいたけれど。

 そんなテオフィルに嫁いだのは、昔から婚約者だった隣国の姫だ。
 姫は、サラ・セゴレーヌ・シモンという。
 サラは鮮やかなピンクブロンドに神秘的な赤瞳ー別名、宝石妖精とよく呼ばれており、二人並ぶと神々しいことこの上ない。
 誰もが認める美男女の夫婦誕生だった。

 ローズライン王国は教会が多く、この地に伝わる泉神信仰に熱いばかりか、世界の時間の基準になっている伝統と格式がある小国である。

 海と3つの帝国と中立国、小国に面している。

 今日はその中立国の姫君のために母国からの沢山の珍しいお祝いの調度品などの品々が次々と運び込まれていた。

 ちなみに、ローズライン王国は古くから薔薇の栽培と水晶細工が有名だ。
 寒さが少し落ち着いた頃、街はロゼット咲きや剣弁高芯咲き、カップ咲きなどのさまざまな形の薔薇に彩られており、春のローズライン王国はときめきの都と呼ばれているくらいだ。

 もうすこし気温が上がれば、王宮城壁や市街地の道路沿いに薔薇が咲き乱れるのだが、その季節まで結婚は待てなかったようだ。

 お祝いムードの中、リシャールは式を終えて、パレードに向かう間際の弟テオフィルに声をかけられた。

「まさか、……絶対参加してくれないと思っていたのに」

 テオフィルの第一声は呟きのような微かな声だった。
 純粋に驚いているようだった。
 それもそうだろう。
 ここ数年、兄弟関係は最悪だった。
 無駄なことを嫌い、戦いを厭わない交戦的なリシャールと市民と交友的な弟テオフィル。

 同じ正妃から生まれた兄弟とはいえ、ここまで国を治める方法が違えば仲違いも起こる。
 いつも話し合いにならず、意見はすれ違い続ける。

 先日も、テオフィルが無罪にした謀叛者を処罰したばかりだ。
 しかもリシャールは王子でありながら戦の前線に立っているため、戦闘狂だと思われている。

 死者を蘇生させるリシャールの異能も、テオフィルからすれば神の領域を犯した恐ろしいものかもしれない。
 リシャールは最近の兄弟関係を抜きにしても、弟が大切なのは変わりないし、結婚を祝いたい気持ちが強かった。
 今日だけは素直に、おめでとうって言いたかったのだ。だが。

「何をいう? 弟の結婚を祝わない兄がいるか?」

 しかし口から出てきたのは不遜な口調だ。
 しょうがなく来てやったとばかりの嫌みな言い方。
 リシャールは大袈裟に肩を竦めた。

 ちなみに、パレードが終わったら王族と貴族関係者は盛大な宴を開くことになっている。
 もちろんリシャールも王族として出席することになっており、パレードが終わるまで待機予定になっていた。
 だから、この僅かな時間に弟から声をかけられるなんて思いもしなかった。
 人気者で忙しいテオフィルはリシャールの事なんて気にも留めないとばかり思っていたから、遠目に見ていたのに、不意打ちだったのだ。
 ちらりと、リシャールは花嫁であるサラを見た。

「噂どうり美しい姫だな」

 リシャールは愛想らしく義理の妹になるサラに少しだけ微笑んでみたが、姫は獣に狙われたうさぎのように恐縮してしまった。
 ぶるぶるぶる。
 それは、全身からの拒否だった。

 リシャールにとって、その反応は慣れたものだった。
 だが、普段ならこんなことで傷つかないけど、義理の妹になろう人物に心の底から嫌いと言われているような態度は突き刺さるものがあった。

 ちなみにリシャールは、淡いプラチナブロンドに緑と深い群青の間ー深い湖のような瞳、背筋の凍るような顔色ひとつない表情のーー人形的な顔つきだ。

 たいてい、人々はただならぬ雰囲気に怯える。
 死者を甦らせ、戦地で戦力として使う、非人道的行いもしている。
 その世間体も悪さも印象の悪さに拍車をかけているかもしれない。
 目が合えば、全てを凍らし水晶に変える異能で、二度と息をすることも叶わぬ水晶付けにされてしまうという者もいる。

 『触れてはいけない』、
 『見てはいけない』、
 『関わっていけない』、
 見事に3拍子揃った化け物を見るような、畏怖。

 リシャールは、もう弟のテオフィルとは比べることができないほど嫌われ者、かつ悪の根源みたいな扱いだ。
 弟は正義でリシャールは悪。なんて分かりやすい。

 でも、リシャールの、『悪役の身』にもなってみてほしい。

 身を呈して育てて守ってきた可愛い弟の結婚式に参加したというのに、まさかのこの扱い。
 遠くで温かい目で見守って居たら、発見され、毛嫌いされる。
 思いっきり、弟に睨まれ、取り囲む貴族らに怪訝な表情で観察される。
 たまったもんじゃない。

 結婚相手のサラなんて、それはもうくりくりな目が裂けるほど驚いた顔で、小刻みに震えている。

(おい、私が何をしたというのだ? 私に恨みがあるのか? 姫よ、いや、義理の妹よ。君が泣きそうな顔をしているせいで私は居心地が悪いぞ?)
(というか、弟よ。どうして私の事をほっておいてくれなかったんだ。今日だけは穏やかに過ごしたかったのに)

 何を思ったが、テオフィルは姫を庇うようにリシャールとの間に立った。

「あんまり見つめないでやってくれないか? 兄さんは迫力があるからね」
「……」

 リシャールはサラを見ることすら許されないらしい。
 義理の妹なのに。
 テオフィルはいつものように優しく微笑み、彼女の腰を抱いた。

「紹介がまだだったね、彼女はサラ。兄さんは遠征中だったから、式も終わって今更だけど……。僕の一番愛しい人だ」

 テオフィルに促されて、ウェディングドレス姿で複雑に長い髪を結い上げ、着飾った誰もが見惚れる姫ーーサラは震える声で自己紹介をしようとした。

「リ、リシャール殿下、わたくしはーー」
「必要ない」

 リシャールきっぱりと胸を刺すような冷たい声の制止に呆気なく次の言葉は出なかった。
 だってそうだろう。
 サラの態度はリシャールの事が怖くて関わりたくないみたいなのだ。
 だったら、自己紹介なんていらないとリシャールは思う。

(誰も嫌われ者の悪役なんて、関わりたくないだろう)

 最初に拒否したのはサラの方。
 真っ直ぐ顔も見れないのに、自己紹介なんて馬鹿じゃないか。

 サラはうさぎみたいな色の瞳に涙をいっぱい溜めている。
 リシャールが異能を使わなくても、サラの身体は凍りついたように静止していた。
 この城の中では、リシャールは物語でいう、人の皮を被った悪魔か恐ろしい魔法使いかーーサラにとってはそのどちらでもあるかもしれない。

 知らない間に辺りは人盛りになっていた。
 リシャールとテオフィルの会話によっぽど興味があるらしい。
 テオフィルは珍しく聖人ではない顔をしていた。
 リシャールを睨んでいる。すごく恨めしげに。殺しやるという殺気すら感じる。

 リシャールは全然その派手な髪色の、まともに目さえ見れない温室育ちの姫君に興味も関心もなし、だからといって危害も加えることもない、とサラに言いたいがやめておいた。

 折角のお祝いが台無しだ。
 リシャールは、そこまで空気を読めなくもない。

「どうか、お幸せに」

 リシャールはできるだけ、自然に笑って見せた。
 せっかく笑いかけたのに、サラは一段と固まってしまったが。
 



(私の分まで)





 それだけ言ってリシャールは去ってしまった。
 テオフィルはため息をつき、人々は安堵した。
 その日星が空を瞬いても、リシャールが王宮に帰ってくる事はなかったし、誰も彼の行方を追うこともなかった。




************




 弟が結婚しようが、リシャールには関係ない。
 
 リシャールは、1人になってから弟の結婚式を思い出した。
 仲睦まじく微笑み合い、手を取り、誓いの口づけを交わす光景。
 それは、人々には幸せの象徴の絵画を見ているかのように美しい景色だった。
 国中の乙女が羨むような。
 そこにはリシャールが決して手に入れる事が出来ない、しあわせがあった。

 実は、テオフィルの結婚式は早くとも気候の良い秋か、来年の初夏の予定だった。
 では、なぜこんな時期に性急に行われたかというと、自国でサラの婚約者候補が現れたからだった。

 一応、サラとテォフィルは幼い時から婚約はしていたが、交友の意味合いも強く、本人たちが望まなければ他の者と結婚してもよかった。婚約破棄というやつだ。
 ここ近年、中立国と仲もよかったし、婚約による政治利益もじゅうぶんだった。

 サラが婚約破棄する噂が立ち、焦ったテォフィルがサラの自国私室にお忍びで訪問、ちゃっかり既成事実を残して帰国。

 嫉妬に狂った男は怖い。
 王子である我を忘れている。
 弟は恋に狂ってなんと婚約者を襲ったらしい。
 夜分遅くに城に不法侵入して。
 話によるとサラがそういう事ははじめてだったというのに、一晩に何度も何度も求めて、間違う事がないくらい情事の跡を残したとか。
 
 何やってるんだ。ケダモノか。
 理性はどこにおいてきたのだろうか、とリシャールは弟が心配になったものだ。

 一歩間違えれば犯罪、国際問題だが、サラは彼を嫌ってなかったし、なんとか事なきを得た。
 実はその点、リシャールはサラには感謝していた。

 しかもテオフィルは、案外狭量な男で、リシャールがサラの姿絵を何気なく誉めたら(だって弟の女を穢すのも兄としておかしいから)、「兄さん、女嫌いだと思っていたけど、所詮ただの男だったんだね。……実はサラに気があるんだね? 澄ました顔に騙されるとこだったよ。彼女をいやらしい目で見ないでくれ、僕の妻だ!」と激しく勘違い。

 リシャールは当時の事を思い出しただけで、ため息が出た。

(いやいや、馬鹿か、お前は。兄を慕うかわいい弟は遠い彼方へ消えたな。ああ、悲しないな。今や下心満載で、兄の不誠実を疑ってくる哀れな人間になってしまった。はぁ。時間の流れは人を変えるのか)

 だいたい、リシャールは弟の嫁さんなんて、全然興味かった。
 そもそも結婚自体に夢も希望もなかったのだ。
 ちなみにリシャールは恋人もいないし、婚約者もいない。

 しかしながら、テオフィルは結婚以来、ただでさえ政治的には仲違いしていたのに、廊下とか食事場で出会う度、喧嘩腰に突っかかってくるようになったから、リシャールは困っていた。

(どこが、いい人だ。爽やかなイケメンだ。正義の味方だ。嫉妬狂い夜這い男め。無理矢理乙女を奪っておいて、どの口がいう?)

 リシャールは心の中で悪態をついた。

 さらに、ひどすぎる理不尽すぎる扱いに、怒りがこみあげて来る。
 リシャールが世間体が悪いから、悪役になっているが、どう考えても被害者だった。

 それにリシャールは自分でいうのもあれだが、いい兄だと思っていた。
 リシャールが悪行際立つ分、弟はいい人に見えるし、実にいい引き立て役だ。
 しかも、新婚夫婦に対する気遣いすら考えている。
 弟夫婦が食事場なり、図書館なり、回廊なり、いかがわしい行為に励んでいても、見て見ぬふり、空気になりきってやる覚悟すらある。

(親切だろう? 弟思いの兄に感謝しろ、バカフィル。エロフィル)

 だいたい、リシャールは、弟が心配しなくとも、人を愛することなんてない。
 愛だの、恋だの、そんな物語の幻想は信じていない。

 今日の結婚式だって、リシャールはただ淡々と式を眺め、何の感情も持ち合わせていなかった。
 残ったのは、あの姫の恐怖を帯びた表情と、無駄に鳴っていた鐘の音だけ。
 結局、そんなくだらない感情を持ち合わせているとろくな事が起こらないとリシャールは確信していた。



 リシャールは王宮を抜け出し、自然と足が向いた先は、小さい頃から通っている城外れの教会だった。
 今更、城に自分が戻っても空気を悪くするだけだった。
 リシャールは悪役は悪役らしく、その物語のシーンに不要だから消えてやるつもりだった。

 こじんまりとした教会に着く頃には雨混じりの霙がポツポツと降っていた。

(ほら、天気が悪くなってきた。だから、こんな時期は結婚式は不向きだと言っていたのに)



 昨日より気温が少し高くなったため、水っぽい雪になっていた。
 教会は、結婚式を行った宮殿内と対照的にこじんまりとした大きさだ。
 教会といえば市民は王宮の教会か街の教会に行く。
 だからこの教会はたまに手入れに牧師がくるだけでいつも静寂に満ちていた。

 椅子や柱には細部まで細かな彫刻が施され、あまり大きくはないが手の込んだステンドグラスに、天井に描かれる聖人画はどれも美しかった。

 何より中央の壁に天井まである作り付けのパイプオルガンはなかなか立派なものだった。



 リシャールが教会の扉を開けるとやはり誰もいなかった。
 だいたい、王家の婚礼日に誰が王宮の外れかつ街外れの中途半端な教会に来るだろうか。

 普段でも誰もいないのに。
 しかしその日は先客がいた。

「なぜ、こんなところに…こんな」

 蝶が、と言う前に、ひらひらと一羽の蝶が飛んできて、その美しさに思わず手を伸ばした指先に止まった。

 銀細工のような光沢を帯びた珍しい青と黒の羽を持つ蝶だった。

「こんなところにいても、死を待つだけだ。蝶は花のあるところに帰ればいい」

 リシャールは教会の出窓を開けたがなかなか出ていかない。
 
(鈍感な虫だな)

 せっかく、リシャールが助けてやると言っているのに、蝶はひらひら教壇の上を飛んでいた。


 今思えばこの鮮やかな蝶がろくなことが起こらない前兆だったのかもしれない。

 リシャールは人々に地獄に落ちろと言われても気にしない。
 指をさされても、嫌われても。後ろから刺されそうになっても。
 ここ数年は何をしても心は動かないし、何を食べても味気ない。
 美しい国の為に、ただやるべきことをして、信念を貫くだけだった。

 リシャールは多くの命を奪おうとも、間違ったことはしていないと信じていた。

(ほら、遠くに見える街並みは美しい。この国は豊かできれいだ)

 遠くに見えるクリスタルロードは、芸術の街と歌われるように街並みは美しく、今日もリシャールのおかげで人々は平和に暮らしていた。

 だから、リシャールは寂しくなんてない。煩わしいだけの人間関係ならいらないし、生活を営む上で人と関わらなくても、結婚しなくても、困る事もない。

 ずっとそう思っていたのに。


 その蝶が目の前を舞った日を境に、白と黒と、時々赤のリシャールの世界は鮮やか変わってしまった。

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