封魄画帖

ちゃあき

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後編

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「こんにちは。ねこおにぎり先生」
「先生はいいけど、ねこおにぎりは嫌だ」
「そうですか……さぁそろそろ行きましょうか石動くん」
「いい所も悪い所もなくなった」


良心は天へ悪心は地へ、おさまるところへおさまってきれいさっぱり消えてしまうのがきっと一番清々しい。


僕と石動氏は翌週の日曜に再会した。

はじめて会った日、淫らで美しい芸術家に見えた彼はおきよで怖がりの猫置き場だった。


おみやげを長屋に置くとすぐまたあの小川へむかった。

橋のたもとの碑には"芙美橋ふみはし"とある。
碑文は短く「皇紀2546年 水無月 芙美といふ女人の魂を偲ぶ」とあった。

"芙美“とはあの女の霊の名前だろうか。

近くのお菓子屋の店先におばあさんを見かけ、僕たちはおやつついでに彼女に話をきいてみた。

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