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05.部下の存在が上司の結婚の妨げになっている可能性
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ラヴェンデル公爵邸は、王都の高台に建つ豪華な屋敷だった。夜空に輝く星々の下、魔法の光で照らされた庭園には、王国の貴族たちが集っていた。
リズはシンプルな深緑のドレスを身にまとい、アルベルトの隣に立っていた。彼の正装姿は実に見事で、今夜もいつも通り、周囲の視線を集めていた。
「ロイエンフェルト卿! お久しぶりです」
声をかけてきたのは、中年の貴族紳士だった。アルベルトの父と親しい間柄であるオズワルド・ステインバーグ侯爵だった。
長く外国の駐在大使を務めていた人物で、去年ようやく帰国してきた。
アルベルトと付き合いがある人物は一通り把握している。
「ステインバーグ侯爵、お元気でしたか」
アルベルトは丁寧に応じた。
「ええ、私はピンピンしていますよ! むしろ貴殿のほうが心配なくらいだ。まだ独身とは! そろそろロイエンフェルト家の跡継ぎを考えねば、お父上も心が休まりますまい」
リズはアルベルトの横で微笑みを保ちながら、内心冷や冷やしていた。
アルベルトの女性嫌いは知られた話であり、人によってはこの手の話題を避けてくれるが、ステインバーグ侯爵は避けないタイプの人物のようだ。
長く異国にいたとはいえ、アルベルトの父親と仲がいいのだからアルベルトの女性嫌いは知っていてもよさそうなのに。
結婚はアルベルトにとって耳の痛い話題なので、もともと乏しい愛想がマイナス方向に振り切れてしまう可能性がある。
アルベルトは他人からどう思われようが構わないタイプだが、秘書として彼の窓口に立つのはリズなのである。こっちの身もなってほしい。
「現在は仕事に専念しております」
アルベルトは冷静に答えた。
「しかし、若くて優秀な魔法使いであり、名門ロイエンフェルト家の嫡男でもある貴殿には、相応しい伴侶が必要です。私の姪のエリザベートなどは……」
アルベルトは微かに眉をひそめた。
「ありがとうございます。しかし現時点では……」
「アルベルト!」
新たな声が会話に割り込んできた。振り返ると、アルベルトの母親であるマリアン・ロイエンフェルト公爵夫人が、華やかなドレスに身を包み近づいてきた。
「母上」
アルベルトが無表情のまま挨拶をする。
「ステインバーグ侯爵、息子のことでご心配をおかけしております。この子はいつも仕事ばかりで……」
夫人が優雅にステインバーグ侯爵に告げる。
「いえいえ、それはむしろ立派なことです。しかし、やはり家系の存続も重要ですからね」
マリアン夫人がリズに気づき、笑顔を向ける。
「あら、リズ嬢。今夜も美しいわね」
「夫人、お久しぶりです」
感じのいい笑顔からは、本心がまったく見えない。
リズは膝を折り曲げ、丁寧に会釈をした。
「いつも息子が世話をかけるわね。いい年のくせに、パーティーに部下しか誘えないなんて。朴念仁もいいところだわ」
マリアン夫人が息子を睨む。
これは、どういう意味だろう。息子を下げているのか、それともリズが邪魔だと言っているのか……。
ステインバーグ侯爵がそこで初めてリズに目を向ける。
「ほほう、こちらが噂の。あなたとは初めましてですな? ええと……」
「リズ・カーマイン嬢です、ステインバーグ侯爵」
アルベルトがステインバーグ侯爵に向かってリズを紹介する。
今、初めて気が付いた「風」なのは、リズの噂からとっくにリズの素性を調べてあるからだろう。そのうえで、リズを無視しても問題ないと判断したに違いない。このタイプの人間が自分にとって重要な人間を見落とすはずがないからだ。
「初めまして。リズ・カーマインと申します」
貴族にはよくいるタイプだが、ないがしろにされていい気持ちになるわけがない。それでもリズは、アルベルトの紹介を受け、マリアン夫人にしたのと同じように軽く膝を折り、丁寧に会釈をした。
「彼女は平民の生まれながらとても優秀で、もう六年もアルベルトの秘書を務めているのよ」
マリアン夫人が付け加える。
「ほう、平民……。よくしつけられておりますな。それに美しい。いやはや、あなたがたの関係を知らなければ勘違いしてしまいそうですよ」
リズの名乗りに返すことなく、ステインバーグ侯爵がアルベルトとマリアン夫人を見ながら笑った。
この手の勘違いもしょっちゅうだ。
自分がないがしろにされるのは別にかまわないが、アルベルトとの関係を誤解されるとアルベルトの評判に傷がつくから、リズはその都度訂正することに決めていた。
「下衆の勘繰りですね。私とリズの関係は決してやましいものではありませんよ」
リズが意気込んで説明する前に、アルベルトがずばりとステインバーグ侯爵に言い返す。
二人の仲を勘違いされるたび、アルベルトもまたリズと同じようにきっちり訂正を入れた。
「それならなおさら、ロイエンフェルト卿は結婚相手を探されるべきです。常に美しい秘書がそばにいれば、他の淑女方も近づきにくいというものだ。あなたもそのくらいわかっているだろう? ええと、カーソン嬢……だったかな?」
「カーマインですわ、閣下」
ステインバーグ侯爵の間違いを、リズは余裕のある美しい笑顔で訂正した。
リズの存在がアルベルトの障害になっているという指摘も、初めて聞くものではなかった。
だって、アルベルトは「そのつもりで」リズを社交の場に連れてきているのだから。
「リズの存在は私の仕事に不可欠です。彼女の助けなくしては、魔法管理局の仕事は半分も進まないでしょう」
こめかみに青筋を立てるリズの横で、アルベルトがステインバーグ侯爵に向かって静かに告げた。
「社交の場に連れてきているのも、秘書業務の一環です。彼女は私よりも物覚えがよく、社交性もありますからね」
いつも通りの説明の文言だが、この説明をアルベルトが口にするたび、リズは複雑な気持ちになった。
実力を認めてもらっているけれど、アルベルトにとって自分は「仕事に不可欠な存在」であり、それ以上でも以下でもないのだという現実。
「しかしだね……」
ステインバーグ侯爵が言いかけたとき、近づいてきた従僕が侯爵を呼んだ。
「失礼」
ステインバーグ侯爵がそう言って会話から抜け、去っていく。
「わたくしもそろそろ失礼するわ。パーティーを楽しんでね」
マリアン夫人は息子に微笑みかけた。
そして立ち去り際、リズに近づき小声で囁いた。
「リズ、こちらへ」
マリアン夫人に誘われ、リズはマリアン夫人とともにアルベルトから少し離れた。
二人で話があるのだろうと察したアルベルトは、こちらに視線を向けるだけで、ついてはこなかった。
アルベルトに声が届かない場所までくると、マリアン夫人は立ち止まってリズに振り向いた。
「わたくしの息子が結婚しなければならないことは、聡明なあなたならわかっているでしょう?」
「もちろんです、夫人」
「あなたの存在が……」
マリアンは言葉を選んでいるようだった。
「誤解を招いているのは確かなのです」
アルベルトの母親もそう思っているなんて。
心臓がぎゅっとつかまれたみたいに痛い。
「申し訳ございません」
声が震えて、少し掠れてしまった。
「あなたを責めているわけではありませんよ。あなたは息子に命じられて従っているだけなのでしょう」
マリアン夫人は静かに言った。
「ただ、状況を理解していただければと思って」
そう言い残して今度こそマリアン夫人は立ち去った。
マリアン夫人と話したことはそう多くない。今まで表面的な挨拶しか交わしたことがなかったから知らなかったが、マリアン夫人もアルベルトが結婚しないのはリズがいるからだと思っているようだ。
そしてアルベルトにではなくリズに、行動を求めている。
もしかしたら以前にもマリアン夫人はアルベルトに、苦言を呈したのかもしれない。
アルベルトがそれに従っていないから、直接、リズに言いに来たのかもしれない。
リズはこの場から逃げ出したい衝動に駆られた。だがそれはできない。彼女は秘書として、アルベルトの側にいる義務があるからだ。
「浮かない顔ですね。母になんと言われましたか」
近付いてきたアルベルトがたずねる。
リズは微笑みを浮かべた。
「朴念仁の息子をよろしく、とのことでした」
「そうですか……」
と、その時、アルベルトが誰かに声をかけられた。
振り向くと令嬢連れの壮年の男性が立っていた。あれはメンフィス伯爵だ。連れているのは、姉妹の妹のほうである。少し前は姉をアルベルトに売り込んでいたのだが、と思ったところで、いつだったか新聞欄にその姉の婚約の記事が載っていたことを思い出した。
時間は飛ぶように過ぎていく。
アルベルトは二十八歳ではなく、もう三十三歳になっている。
いくら結婚願望がないといっても、さすがにそろそろ妻を迎えてもいい年齢である。
リズは初めて、アルベルトの将来に危機感を覚えた。
――私の存在が本当にアルベルト様の結婚の妨げになっているのなら……。
身の振り方を、考えたほうがいいのかもしれない。
リズはシンプルな深緑のドレスを身にまとい、アルベルトの隣に立っていた。彼の正装姿は実に見事で、今夜もいつも通り、周囲の視線を集めていた。
「ロイエンフェルト卿! お久しぶりです」
声をかけてきたのは、中年の貴族紳士だった。アルベルトの父と親しい間柄であるオズワルド・ステインバーグ侯爵だった。
長く外国の駐在大使を務めていた人物で、去年ようやく帰国してきた。
アルベルトと付き合いがある人物は一通り把握している。
「ステインバーグ侯爵、お元気でしたか」
アルベルトは丁寧に応じた。
「ええ、私はピンピンしていますよ! むしろ貴殿のほうが心配なくらいだ。まだ独身とは! そろそろロイエンフェルト家の跡継ぎを考えねば、お父上も心が休まりますまい」
リズはアルベルトの横で微笑みを保ちながら、内心冷や冷やしていた。
アルベルトの女性嫌いは知られた話であり、人によってはこの手の話題を避けてくれるが、ステインバーグ侯爵は避けないタイプの人物のようだ。
長く異国にいたとはいえ、アルベルトの父親と仲がいいのだからアルベルトの女性嫌いは知っていてもよさそうなのに。
結婚はアルベルトにとって耳の痛い話題なので、もともと乏しい愛想がマイナス方向に振り切れてしまう可能性がある。
アルベルトは他人からどう思われようが構わないタイプだが、秘書として彼の窓口に立つのはリズなのである。こっちの身もなってほしい。
「現在は仕事に専念しております」
アルベルトは冷静に答えた。
「しかし、若くて優秀な魔法使いであり、名門ロイエンフェルト家の嫡男でもある貴殿には、相応しい伴侶が必要です。私の姪のエリザベートなどは……」
アルベルトは微かに眉をひそめた。
「ありがとうございます。しかし現時点では……」
「アルベルト!」
新たな声が会話に割り込んできた。振り返ると、アルベルトの母親であるマリアン・ロイエンフェルト公爵夫人が、華やかなドレスに身を包み近づいてきた。
「母上」
アルベルトが無表情のまま挨拶をする。
「ステインバーグ侯爵、息子のことでご心配をおかけしております。この子はいつも仕事ばかりで……」
夫人が優雅にステインバーグ侯爵に告げる。
「いえいえ、それはむしろ立派なことです。しかし、やはり家系の存続も重要ですからね」
マリアン夫人がリズに気づき、笑顔を向ける。
「あら、リズ嬢。今夜も美しいわね」
「夫人、お久しぶりです」
感じのいい笑顔からは、本心がまったく見えない。
リズは膝を折り曲げ、丁寧に会釈をした。
「いつも息子が世話をかけるわね。いい年のくせに、パーティーに部下しか誘えないなんて。朴念仁もいいところだわ」
マリアン夫人が息子を睨む。
これは、どういう意味だろう。息子を下げているのか、それともリズが邪魔だと言っているのか……。
ステインバーグ侯爵がそこで初めてリズに目を向ける。
「ほほう、こちらが噂の。あなたとは初めましてですな? ええと……」
「リズ・カーマイン嬢です、ステインバーグ侯爵」
アルベルトがステインバーグ侯爵に向かってリズを紹介する。
今、初めて気が付いた「風」なのは、リズの噂からとっくにリズの素性を調べてあるからだろう。そのうえで、リズを無視しても問題ないと判断したに違いない。このタイプの人間が自分にとって重要な人間を見落とすはずがないからだ。
「初めまして。リズ・カーマインと申します」
貴族にはよくいるタイプだが、ないがしろにされていい気持ちになるわけがない。それでもリズは、アルベルトの紹介を受け、マリアン夫人にしたのと同じように軽く膝を折り、丁寧に会釈をした。
「彼女は平民の生まれながらとても優秀で、もう六年もアルベルトの秘書を務めているのよ」
マリアン夫人が付け加える。
「ほう、平民……。よくしつけられておりますな。それに美しい。いやはや、あなたがたの関係を知らなければ勘違いしてしまいそうですよ」
リズの名乗りに返すことなく、ステインバーグ侯爵がアルベルトとマリアン夫人を見ながら笑った。
この手の勘違いもしょっちゅうだ。
自分がないがしろにされるのは別にかまわないが、アルベルトとの関係を誤解されるとアルベルトの評判に傷がつくから、リズはその都度訂正することに決めていた。
「下衆の勘繰りですね。私とリズの関係は決してやましいものではありませんよ」
リズが意気込んで説明する前に、アルベルトがずばりとステインバーグ侯爵に言い返す。
二人の仲を勘違いされるたび、アルベルトもまたリズと同じようにきっちり訂正を入れた。
「それならなおさら、ロイエンフェルト卿は結婚相手を探されるべきです。常に美しい秘書がそばにいれば、他の淑女方も近づきにくいというものだ。あなたもそのくらいわかっているだろう? ええと、カーソン嬢……だったかな?」
「カーマインですわ、閣下」
ステインバーグ侯爵の間違いを、リズは余裕のある美しい笑顔で訂正した。
リズの存在がアルベルトの障害になっているという指摘も、初めて聞くものではなかった。
だって、アルベルトは「そのつもりで」リズを社交の場に連れてきているのだから。
「リズの存在は私の仕事に不可欠です。彼女の助けなくしては、魔法管理局の仕事は半分も進まないでしょう」
こめかみに青筋を立てるリズの横で、アルベルトがステインバーグ侯爵に向かって静かに告げた。
「社交の場に連れてきているのも、秘書業務の一環です。彼女は私よりも物覚えがよく、社交性もありますからね」
いつも通りの説明の文言だが、この説明をアルベルトが口にするたび、リズは複雑な気持ちになった。
実力を認めてもらっているけれど、アルベルトにとって自分は「仕事に不可欠な存在」であり、それ以上でも以下でもないのだという現実。
「しかしだね……」
ステインバーグ侯爵が言いかけたとき、近づいてきた従僕が侯爵を呼んだ。
「失礼」
ステインバーグ侯爵がそう言って会話から抜け、去っていく。
「わたくしもそろそろ失礼するわ。パーティーを楽しんでね」
マリアン夫人は息子に微笑みかけた。
そして立ち去り際、リズに近づき小声で囁いた。
「リズ、こちらへ」
マリアン夫人に誘われ、リズはマリアン夫人とともにアルベルトから少し離れた。
二人で話があるのだろうと察したアルベルトは、こちらに視線を向けるだけで、ついてはこなかった。
アルベルトに声が届かない場所までくると、マリアン夫人は立ち止まってリズに振り向いた。
「わたくしの息子が結婚しなければならないことは、聡明なあなたならわかっているでしょう?」
「もちろんです、夫人」
「あなたの存在が……」
マリアンは言葉を選んでいるようだった。
「誤解を招いているのは確かなのです」
アルベルトの母親もそう思っているなんて。
心臓がぎゅっとつかまれたみたいに痛い。
「申し訳ございません」
声が震えて、少し掠れてしまった。
「あなたを責めているわけではありませんよ。あなたは息子に命じられて従っているだけなのでしょう」
マリアン夫人は静かに言った。
「ただ、状況を理解していただければと思って」
そう言い残して今度こそマリアン夫人は立ち去った。
マリアン夫人と話したことはそう多くない。今まで表面的な挨拶しか交わしたことがなかったから知らなかったが、マリアン夫人もアルベルトが結婚しないのはリズがいるからだと思っているようだ。
そしてアルベルトにではなくリズに、行動を求めている。
もしかしたら以前にもマリアン夫人はアルベルトに、苦言を呈したのかもしれない。
アルベルトがそれに従っていないから、直接、リズに言いに来たのかもしれない。
リズはこの場から逃げ出したい衝動に駆られた。だがそれはできない。彼女は秘書として、アルベルトの側にいる義務があるからだ。
「浮かない顔ですね。母になんと言われましたか」
近付いてきたアルベルトがたずねる。
リズは微笑みを浮かべた。
「朴念仁の息子をよろしく、とのことでした」
「そうですか……」
と、その時、アルベルトが誰かに声をかけられた。
振り向くと令嬢連れの壮年の男性が立っていた。あれはメンフィス伯爵だ。連れているのは、姉妹の妹のほうである。少し前は姉をアルベルトに売り込んでいたのだが、と思ったところで、いつだったか新聞欄にその姉の婚約の記事が載っていたことを思い出した。
時間は飛ぶように過ぎていく。
アルベルトは二十八歳ではなく、もう三十三歳になっている。
いくら結婚願望がないといっても、さすがにそろそろ妻を迎えてもいい年齢である。
リズは初めて、アルベルトの将来に危機感を覚えた。
――私の存在が本当にアルベルト様の結婚の妨げになっているのなら……。
身の振り方を、考えたほうがいいのかもしれない。
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