Lv1だけど魔王に挑んでいいですか?

れく高速横歩き犬

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第1章魔族と勇者編

14とんでも掟と勇者のデート

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 翌日、魔族のそれぞれの種族の代表者が集められ魔王会議が行われた。365度見渡しても魔族しかいない、セナはLv1の自分が今襲われたらゲームオーバーだと内心ビビっていた。
 だが魔王であるアディの玉座に座らされているのでおそらく手は出してこないだろう。正確にはセナは、魔王の玉座に座るアディの膝の上に座っていた。ぴよ太は安定のセナの頭の上だ。


━━━━なぜ、膝の上!!!


 会議の内容は、セナと恋仲になりたい者への掟だ。なんという題目。

①命を落とすほどの強行手段をしてはならない
②口説き中に鉢合わせしたした場合は勝ったほうが優先権を持つ
③セナが拒絶した場合は従う

「・・・というわけだ。セナを恋仲として手中に収めたければ、新たな掟に従え」

「御意」

 魔族一同は魔王の決断に賛同した。仮にも魔族の中で一番強い存在だ、異議を唱える者はいないだろう。

「おーい、質問~」

 竜神族のリドレイが挙手した。

「なんだ」
「媚薬スライムは使っていいか」
「許可する」
「おっしゃー!」
「おっしゃー!じゃないんだけど!俺が拒否したら使えないからね?そのスライム」
「拒否する前に使う」
「・・・」

 セナは死んだ魚の眼でリドレイを見た。多分リドレイは使うだろう。いきなりルールをぶち破りそうな未来しか見えない。

「ちなみに掟を破るとどうなるんだ?」
「俺の鉄拳制裁が飛んでくる」
「魔王陛下直々とは・・・なるほど、なかなか敷居が高い掟ですね」
「魔王さまがぁ、掟を破るとどうなるですぅ?」
「セナの鉄拳制裁が飛んでくる」
「俺、一気にレベルマックスだな」

 話は決まったようで、魔族達は解散した。だが魔王とリドレイとジゼと、ロビは残る。口説く気満々である。掟②がすでに発動しそうだった。
 案の定、リドレイが先行してきた。

「セナ、俺のものになれよ」
「まずその上から目線を直して出直して来いよ」

 リドレイは撃沈した。次にジゼがセナの手を取り口説いてくる。

「セナ、私と番に・・」
「噛んで痛いのは却下」

 ジゼは撃沈した。そして魔王がセナの顎を取り、顔を近付けてくる。

「いきなりの公衆面前公開接吻とか魔王の沽券にかかわるだろ」

 アディは撃沈した。3人は掟の前に手も足も出ない状態だ。魔王が決めて魔族達が賛同した事とはいえ、何も考えてなかったのかとセナは引いた。
 その時、ロビの視線が気になった。

「ロビも口説く?」
「はい~。セナさまぁ、デートしましょう」
「いいぜ」

 ロビは可愛いらしい耳をピコピコと動かしながらセナをデートに誘う。セナもなかなか王道の誘い出し方だな、と乗ってみた。

「なぜだ、セナ!もふもふか!?もふもふがよいのか!」
「違うだろ、ロビが1番まともだからだよ」
「わ~い、魔王さまぁ!僕、セナさまとデートしてきますねぇ」
「・・・くっ、よかろう」

 ロビは嬉しいのかバンザイしながら飛び跳ねていた。
 身支度を整えたロビは、セナを連れて魔王城の門前まで来た。今度は門番にいかつい一つ目の巨人が2匹立っていた。ちゃんと門を守る魔族は存在していた。

「え、外に出るのか?」
「はい~、これから僕の菜園に向かうのでぇ」
「菜園?」
「お城のちょっと先に、野菜畑があるんですよぉ。お喋りしながらピクニックですぅ」
「なるほど。まぁロビらしいな」
「さぁ、セナさまぁ。行きますよぉ~」
「おぉ」

 セナはロビに手を握られて門の外に出た。初めて魔王城に来たときは、転移魔法であっけなく到着したので門の外より先がどうなっているかわからなかった。
 門の外は普通に森と街道が見える。

「魔族の国って割と普通だよな」
「まぁな」
「・・・・・・・・?」
「あ~マジでダルいわ、ですぅ喋りとか。城の外だと素に戻れるから楽だぜ」
「ろ、ロビ?」
「あぁ、なんだよ」
「その口調・・・」 

 ロビはいつものですぅと可愛い喋りではなく、まるでヤンキーのような雰囲気だ。そして愛くるしいお目々も、ちょっと目つきが悪い。

「あぁ、僕は元々この口調なんだよ。山賊やってて、たまたま魔王の身ぐるみ剥がそうとしたら返り討ちに合ってな。命取らない代わりに、護衛も兼ねて魔王の専属世話係やらされてよ」
「人は見かけによらない・・・兎だけど」
「魔王の嫌味な命令で、城の中では従順で可愛いラビトを演じてたってわけ」
「ロビも・・・その、マジで俺のこと狙ってるのか?」
「どうだろうな、まぁセナさまは可愛いと思うぜ」

 可愛いのはお前だ、と突っ込みそうになるがロビは脚力が強いので下手に刺激して怒らせるのを回避する。
 前にロマンチックにアディとファーストキスした場所へ連れて行かれる前に、僕はどうですか?とロビに問われた事を思い出した。返事ははぐらかしたが。

「ロビ、ゴメン。俺、ショタ系はちょっと・・・」
「しょた?」
「えーと、小さくて年齢的に大人と付き合うのはアウトな子供って意味かな」
「あぁ、人間の掟ってやつ?僕は見た目の3倍くらいの年齢だから、セナさまよりは歳上だよ」
「え、マジか・・・魔族って長生きなんだな」

 他の魔族もそうなんだろうかと思うが、アディ達は少なくとも150年は生きてるようなので種族によって差があるのを理解した。
 そして、ロビは兎の皮をかぶったワイルドな生き物だと理解した。
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