19 / 41
1章 メリュジーナ侯爵家編
18魚の餌か漬け物用の包丁か
しおりを挟む
キィイイイイイン
月下の夜に甲高く鈍い剣の音が交差した。まずは斬り込んできたヴェルジークの剣を、魔剣は受け止める。そのまま力任せに押し返すと体制を崩したヴェルジーク目掛けて、剣を突き込んだ。間一髪のところで避けると柄の部分で、イオの腹を狙う。
だが魔剣はイオの手から反転して刃を逆にすると、ヴェルジークの剣を止める。
「なかなかやるな、イオ」
「ひいっ!魔剣がやってるんだけどね!」
「いや魔剣の力だけでは、イオは今頃剣を弾き飛ばされているはすだ。やはりイオの剣の才もあるのだろう」
「だとしても、やっぱり剣が飛んでくるのは怖いからっ」
『それよりも、こやつ王を気絶させて戦意消失を狙っておるぞ。姑息な奴め』
魔剣の言うとおりヴェルジークは、まず所持者のイオが剣を放すような攻撃を仕掛けてくる。実力的には魔剣が上だが、戦いによる経験の差はヴェルジークが勝る。
「旦那様。魔剣に旦那様の手の内が読まれたようですね」
『あっ!男女め!』
「なるほど、ではコソコソ狙うのはやめて本気を出すとしよう」
「うわぁ!ケンさんが余計な事言うから!」
ヴェルジークの剣撃が重くなってきた。受け止めているのは魔剣でも、イオの身体まで剣圧が伝わって来た。重い一撃が繰り出される度にイオは後ろへ下がり、ついに斬り上げられた攻撃でよろめく。
「勝負あったな」
ヴェルジークが後ろに倒れそうになるイオの手を掴もうとした時、突然身体を捻り地面で身を低くしたイオは足蹴りを繰り出して来た。ヴェルジークの腹にヒットする。
「ぐっ!?」
そのまま地面に倒れ込むと、喉元に魔剣が突き付けられた。
「オレの勝ちだな」
『おお!さすが我が王である』
「・・・イオ?」
「・・・あ、あれ?あっ!ヴェルジーク、どうしたの!大丈夫」
『もガッ!?』
イオは魔剣を地面に突き立てると、倒れていたヴェルジークの手を取って身を起こしてやる。
一瞬、雰囲気が変わった気がするが今は元のイオのようである。
「俺の負けのようだ。魚の餌になるみたいだな」
「ええっ!?魔剣の冗談だよ」
『こやつは魚の餌にした方がよい!』
「意味のわからない勝負事にオレを賭けないで」
「なぜ、咄嗟に受け身を取った」
「なんの事?」
「覚えていないのか?」
「え、あ・・・うん」
ヴェルジークはイオの違和感は拭えなかったが、勝負は終わらせて屋敷に戻る事にした。
ロゼットに風呂の用意を頼み湯浴みをすませると、イオはヴェルジークの部屋に呼ばれた。ケンさんはうるさかったので部屋に置いてくる。
ヴェルジークはベッドに座っており、イオを手招きして脚の間に立たせた。
「あの、オレが蹴った・・・ところ大丈夫?」
「あぁ、俺の身体は普通より頑丈だからな。見るか?」
「えっ・・・あ、うん」
ヴェルジークは寝間着の上を脱いで、鍛え上げられた見事な腹筋を見せた。
「うわ、腹筋割れてる・・・男らしいな」
「触るか?」
「う、うん。・・・わっ、硬っ」
「んっ」
「えっ、どうしたの!?やっぱり痛い!?」
「・・・少し痛いかな。でもイオが舐めてくれたら治りそうだ」
「・・・ぅ」
「だんだんズキズキして来た」
「わ、わかった!」
イオはその場に跪いて、意を決してヴェルジークの腹筋を舐めた。ペロペロと舐めていると、髪を撫でられる。
イオは一応童貞ではあるが、知識としてはこの行動が卑猥な事をしている自覚はあった。ヴェルジークとは、騎士団宿舎の自室でお互いの性器を扱きあった。あの時の大きくて逞しいモノが腹のすぐ下で脈打っていると思うと、イオは自身の下肢が熱くなるのを感じた。
「そんなに俺の必死に舐めて・・もっと違うのが欲しいのか?」
「・・・ぅ、・・そんなことは・・んぁっ」
「俺は君に負けたから、君の好きにしていいんだぞ。魚の餌でも、奉仕でも」
ヴェルジークの爪先が、イオのモノを撫でて翻弄する。
「今度は、オレも・・ヴェルジークのする」
「いいよ」
このままでは多分お互い収まりつかないのと、以前自分だけ多く気持ちよくしてもらったのはフェアじゃないとイオは思った。
そしてヴェルジークは、スボンの中からまだ緩やかなモノを取り出す。通常の状態でもすでに大きいソレは、イオの愛撫を待ちわびるように脈打っていた。
月下の夜に甲高く鈍い剣の音が交差した。まずは斬り込んできたヴェルジークの剣を、魔剣は受け止める。そのまま力任せに押し返すと体制を崩したヴェルジーク目掛けて、剣を突き込んだ。間一髪のところで避けると柄の部分で、イオの腹を狙う。
だが魔剣はイオの手から反転して刃を逆にすると、ヴェルジークの剣を止める。
「なかなかやるな、イオ」
「ひいっ!魔剣がやってるんだけどね!」
「いや魔剣の力だけでは、イオは今頃剣を弾き飛ばされているはすだ。やはりイオの剣の才もあるのだろう」
「だとしても、やっぱり剣が飛んでくるのは怖いからっ」
『それよりも、こやつ王を気絶させて戦意消失を狙っておるぞ。姑息な奴め』
魔剣の言うとおりヴェルジークは、まず所持者のイオが剣を放すような攻撃を仕掛けてくる。実力的には魔剣が上だが、戦いによる経験の差はヴェルジークが勝る。
「旦那様。魔剣に旦那様の手の内が読まれたようですね」
『あっ!男女め!』
「なるほど、ではコソコソ狙うのはやめて本気を出すとしよう」
「うわぁ!ケンさんが余計な事言うから!」
ヴェルジークの剣撃が重くなってきた。受け止めているのは魔剣でも、イオの身体まで剣圧が伝わって来た。重い一撃が繰り出される度にイオは後ろへ下がり、ついに斬り上げられた攻撃でよろめく。
「勝負あったな」
ヴェルジークが後ろに倒れそうになるイオの手を掴もうとした時、突然身体を捻り地面で身を低くしたイオは足蹴りを繰り出して来た。ヴェルジークの腹にヒットする。
「ぐっ!?」
そのまま地面に倒れ込むと、喉元に魔剣が突き付けられた。
「オレの勝ちだな」
『おお!さすが我が王である』
「・・・イオ?」
「・・・あ、あれ?あっ!ヴェルジーク、どうしたの!大丈夫」
『もガッ!?』
イオは魔剣を地面に突き立てると、倒れていたヴェルジークの手を取って身を起こしてやる。
一瞬、雰囲気が変わった気がするが今は元のイオのようである。
「俺の負けのようだ。魚の餌になるみたいだな」
「ええっ!?魔剣の冗談だよ」
『こやつは魚の餌にした方がよい!』
「意味のわからない勝負事にオレを賭けないで」
「なぜ、咄嗟に受け身を取った」
「なんの事?」
「覚えていないのか?」
「え、あ・・・うん」
ヴェルジークはイオの違和感は拭えなかったが、勝負は終わらせて屋敷に戻る事にした。
ロゼットに風呂の用意を頼み湯浴みをすませると、イオはヴェルジークの部屋に呼ばれた。ケンさんはうるさかったので部屋に置いてくる。
ヴェルジークはベッドに座っており、イオを手招きして脚の間に立たせた。
「あの、オレが蹴った・・・ところ大丈夫?」
「あぁ、俺の身体は普通より頑丈だからな。見るか?」
「えっ・・・あ、うん」
ヴェルジークは寝間着の上を脱いで、鍛え上げられた見事な腹筋を見せた。
「うわ、腹筋割れてる・・・男らしいな」
「触るか?」
「う、うん。・・・わっ、硬っ」
「んっ」
「えっ、どうしたの!?やっぱり痛い!?」
「・・・少し痛いかな。でもイオが舐めてくれたら治りそうだ」
「・・・ぅ」
「だんだんズキズキして来た」
「わ、わかった!」
イオはその場に跪いて、意を決してヴェルジークの腹筋を舐めた。ペロペロと舐めていると、髪を撫でられる。
イオは一応童貞ではあるが、知識としてはこの行動が卑猥な事をしている自覚はあった。ヴェルジークとは、騎士団宿舎の自室でお互いの性器を扱きあった。あの時の大きくて逞しいモノが腹のすぐ下で脈打っていると思うと、イオは自身の下肢が熱くなるのを感じた。
「そんなに俺の必死に舐めて・・もっと違うのが欲しいのか?」
「・・・ぅ、・・そんなことは・・んぁっ」
「俺は君に負けたから、君の好きにしていいんだぞ。魚の餌でも、奉仕でも」
ヴェルジークの爪先が、イオのモノを撫でて翻弄する。
「今度は、オレも・・ヴェルジークのする」
「いいよ」
このままでは多分お互い収まりつかないのと、以前自分だけ多く気持ちよくしてもらったのはフェアじゃないとイオは思った。
そしてヴェルジークは、スボンの中からまだ緩やかなモノを取り出す。通常の状態でもすでに大きいソレは、イオの愛撫を待ちわびるように脈打っていた。
0
お気に入りに追加
321
あなたにおすすめの小説
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「パパと結婚する!」
8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる