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第11章「確かな憩い」
第11章「確かな憩い」その7
しおりを挟む「今年の夏は例年よりもさらに暑く、お出かけの際は…」
なんてことはないニュースを見ながら、冷やし中華を食べていた。
誰もいない昼間のリビングは、いつもより涼しく感じた。
両親は仕事、妹は高校受験に向けて夏期講習に行っている。
僕はここ二週間、夕方まで一人の時間を過ごしている。
夏休みに入り、僕の生活は堕落の頂点に達し、あっという間に二週間が経った。
好きな時間に起きて、映画を見たり、ゲームをしたり、本を読んだり、
とにかく孤独の時間を満喫した。
しかし、これといって楽しいわけじゃなかった。
ただやることのない毎日の暇つぶしのためにルーティン化されたものだ。
もう七月も終わりが差し掛かっているのに、宿題の内容さえ確認していない。
やらなければならないことはわかっているのに。
それでも本音は机に向かうことを拒んでいる。
時間だけがみるみる経ち、同時に蝉の鳴き声と暑さも増している。
リビングのカレンダーを見ると、もう八月のカレンダーになっている。
八月二日、もうすぐだ、夏祭りが開催される。
平木に電話をかけようか、迷っている時に西山から電話がきた。
いつもならLINEでメッセージとして送ってくるのに。
ポケットから残りバッテリー20%の携帯を取り出した。
「もしもし」
西山の久しぶりに聞く声だ。
「もしもし、どうした?」
「夏休み、どうしてるかなぁって。当ててみようか?」
いや、そんなくだらないことのために電話してきたのか?
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