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第11章「確かな憩い」
第11章「確かな憩い」その4
しおりを挟む今時、携帯を持っていない高校生が、、、
いや、そんなことはないか。
勉強の邪魔になることもあるし、お手軽な値段でもないしな。
自分の常識や価値観を他人に当てはめる癖はどうも治りそうがない。
欠伸をしたくなるような毎日が続くばかりだ。
この一学期はまさに怒涛の日々だった。
悩み部屋、これは僕の平凡な日常を壊していくことになるんだろうが、
僕自身は平凡からまったく抜け出せていない。
そろそろあの部屋について、誰でもいいから解説役でも付けてくれたら、
僕の精神も今よりずっと安定すると思うんだが。
未だにわざわざノートに綴るほどのことは起きていない。
ふと机を見ると、メモ書きのようなものが置かれていた。
「これ、うちの電話番号」
平木は僕の目を見ながら言って、また本を読みだした。
単純に嬉しかった。
まるでおもちゃを買ってもらえずにぐずっていたが、
その後、こっそり自分の部屋に置いていたくらいのサプライズ感だ。
ホームルームが終わった後、僕らは一学期最後の下校を共にすることにした。
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